紅葉の見頃を迎えた遠見尾根から五竜岳【紅葉レポート】

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読者レポーターより登山レポをお届けします。かぐや姫さんは北アルプス・五竜岳(ごりゅうだけ、2814m)へ。

文・写真=かぐや姫

1日目:アルプス平駅~遠見尾根~五竜山荘

遠見(とおみ)尾根ピストンで五竜岳へ行ってきました。

ゴンドラとアルプス展望リフトを使って、労せず標高1600mまで上がり、登山スタート。雨が降ったりやんだりのあいにくの天気だったので、淡々と、黙々と登っていきました。

紅葉の色づきは遠見尾根全体で見頃を迎えており、高度が上がると色味も増していきました。

西遠見の紅葉
西遠見の紅葉

遠見尾根はよく整備されていて歩きやすいものの、ところどころ、八方(はっぽう)尾根側が崖になっているので、気をつけます。また、西遠見の先、白岳(しらたけ)直下は岩場なので、ここも要注意です。

1日目は五竜山荘まで。夕食のカレーをいただき、早々に休みました。

2日目:五竜山荘~五竜岳~五竜山荘~遠見尾根~アルプス平

朝食の時間が6時一択だったので、お弁当に変更し、2日目は4時半に山頂へ向けて出発しました。

30分くらいヘッドランプを使用。足下のザレ場に霜柱ができていました。気温は0℃くらい。風があったので、体感温度としては氷点下でした。ついこないだまで暑い中の登山だったので、寒さが身にしみます。シャツの上にフリースとレインウェアを着てちょうどいいくらいでした。

五竜岳 ザレ場の霜柱
朝の冷え込みが厳しく、霜が降りていた

薄暗い中でしたが、ライチョウが姿を現わしてくれました。下のほうの羽が白くなっていて、冬への準備中でした。

冬毛に変わってきたライチョウ
冬毛に変わってきたライチョウ

山頂直下の岩場が終わったあたりで日の出を迎えました。今まで天気の相性がわるかった五竜岳。今回は日の出も見られましたし、唐松岳(からまつだけ)や鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)も見えます。剱岳(つるぎだけ)は頭だけ雲に隠れていました。

五竜岳より、白馬方面を望む
五竜岳より、白馬方面を望む

寒いので、山頂で最低限の写真を撮ったら下山。小屋にデポした荷物をピックアップし、お弁当を食べたら遠見尾根を下っていきます。

前日と違って気持ちいい稜線歩き。前から紅葉の時期の遠見尾根を歩いてみたかったので、いいタイミングで来られてよかったです。

チングルマの紅葉と五竜・鹿島槍
チングルマの紅葉と五竜・鹿島槍
紅葉と五竜岳
紅葉と五竜岳
紅葉色づく遠見尾根
紅葉色づく遠見尾根
西遠見池に映る逆さ五竜
西遠見池に映る逆さ五竜
地蔵の沼周辺の紅葉
地蔵の沼あたりも紅葉が進んでいる

下山後は、エスカルプラザ内の白馬姫川温泉・竜神の湯(800円)で汗を流し、帰京しました。

(山行日程=2025年10月1~2日)

MAP&DATA

高低図
最適日数:1泊2日
コースタイム: 【1日目】5時間10分
【2日目】5時間40分
行程:【1日目】
アルプス平駅・・・地蔵ノ頭・・・小遠見山・・・大遠見山・・・五竜山荘
【2日目】
五竜山荘・・・五竜岳・・・五竜山荘・・・大遠見山・・・地蔵ノ頭・・・アルプス平駅
総歩行距離:約15,386m
累積標高差:上り 約1,861m 下り 約1,861m
コース定数:45 
かぐや姫(読者レポーター)

かぐや姫(読者レポーター)

13年前、友人に誘われて日帰りで槍ヶ岳に登ったのが、登山にのめり込んだきっかけです。奥穂・西穂縦走や奥秩父主脈縦走を踏破。厳冬期の西穂や爺、残雪期の槍にも登頂しました。ハードな登山も好きですし、写真を撮りながらの登山も好きです。

この記事に登場する山

富山県 / 飛騨山脈北部 後立山連峰

五竜岳 標高 2,814m

 後立山連峰の中央部にあり、雄大な山容をもち、鹿島槍ヶ岳とともにこの連峰の重鎮的存在である。この山の景観が優れているのは、東麓からの唯一の登路である遠見(とおみ)尾根からのものである(神城駅からテレキャビンを利用して所要6時間)。尾根の名称の起こりである、いくつものタワミ(遠見)の上下を繰り返す、きついアルバイトを打ち消して余りあるのが、五竜岳東面と鹿島槍ヶ岳北壁の豪壮な眺めである。五竜岳東面は、いくつものバリエーション・ルートをもっているが、その1つ、G2稜の上部に顕著な武田菱に似た岩が見られ、この山の名の由来となっている。この地を支配していた武田の紋所「武田の御菱(ごりよう)」からきたもので、菱(ひし)は岩の方言でもある。また「後立(ごりゆう)山」の音読みから「五竜」となったという説もある。  五竜岳北隣の白岳(しらたけ)は、初雪のころ真っ白な姿を見せるのでこう呼ばれたが、その南側には主稜と遠見尾根に挟まれた、白岳沢のカールが広がっている。五竜岳から鹿島槍ヶ岳にかけての主稜線は、八峰(はちみね)の稜線と呼ばれる鋸歯状の突起を連ね、東面足下のカクネ里や、黒部峡谷を距てた剱岳の眺めとともに、縦走の醍醐味が味わえる所でもある。

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