進化するデジタルカメラと、その周辺の環境。登山者のデジカメに対する意識はどう変わった?
デジタル機器の進化は、まさに日進月歩。その影響はふだんのライフスタイルにも変化を及ぼしている。登山者にとって需要なアイテムである「デジタルカメラ」もここ数年で大きく変化しているが、登山者のライフスタイルにどんな影響を及ぼしているのだろうか?
ほとんどすべての登山者は、登山に行ったら何らか写真を撮っているだろう。その撮影シーンも、年々変化を遂げている。とくにカメラがデジタルに置き換わってから、人々にの写真撮影に対する意識もずいぶん変わってきた。
そんなデジカメ利用事情を、ヤマケイオンラインでは2015年にアンケート調査し、その実際を公開したのがこちらのページだ。
★2015年調査:登山者のデジタルカメラ利用に関するアンケート
それから約3年で、事情はさらに大きく変わってきた。スマートフォンの普及およびカメラ機能の充実、さらには「インスタ映え」に代表されるSNSの利用状況の変化などで、写真撮影を取り巻く環境はずいぶん変化したように思える。
そんな事情を探るべく、ヤマケイオンラインでは2018年11月に再度、「登山者のデジカメ事情」についてアンケート調査。その結果はこちらに公開したが、今回は、5年前とはどんな変化が起きているのか、確認してみたい。
「スマホカメラで十分」は本当?
スマートフォン(以下、スマホ)のカメラ機能の進化により、カメラ専用機と遜色ない画質で撮れるようになったのは多くの人が知るところだ。そのため、カメラメーカーはシェアをスマートフォンに奪われ、苦戦しているというニュースも聞かれる。
そんな中で、登山者はどう考えて、実際にどうなっているのか確認すると――。
上表のとおり、昨今の報道の通りスマホは大きくシェア伸ばし、一方コンパクトデジタルカメラ(以下、コンデジ)はその座を大きく奪われている結果となった。
一方、一眼レフやミラーレス一眼は上昇傾向。写真のクオリティにこだわるユーザーとの棲み分けがはっきりしてきている様子だ。
また、スマホのカメラの不満点も、少しずつ変化している。以下の通り、画質や色彩に対する不満は減少傾向で、ズーム・望遠機能に対する不満のほうが大きくなっている。
また、デジカメに求める機能についても、若干変わってきている。2015年は防水・防塵・耐衝撃などの堅牢性が重視されていたが、現在は「コンパクト性」を重視する傾向へと変化。またバッテリー問題についても、予備バッテリーの普及からだろうか、かつてより重視されなくなってきている様子が伺える。
クラウド利用は増えた? 動画の時代は本当に来ている?
次に、撮影した写真データの保管方法について目を向けてみよう。3年前も今も、PCにデータを保管しておくユーザーが、最も多いのは変わらない。しかし、全体としては減少気味。それに変わって増えているのは「SDカードに入れっぱなし」というユーザーだ。
近年はSDカードの大容量化と同時に、価格の低下が進んでいる。現在は1T(テラ:1024GB)のものも出ているうえに、64GBの大容量でも、安いものはAmazonで調べると1000~2000円の間で購入できる。こうした事情も大きいと考えられる。
また、クラウドサービスも上昇傾向にはあるが、この3年で一般的になったといえるほどではない様子だ。
またインターネットに動画サービスが増え、SNSなどに簡単に動画をアップロード可能になり、通信速度も飛躍的に伸びたこともあり、「動画の時代」と言われている。だが実際に、登山で動画を撮影しているユーザーが大幅に増えた様子はないようで、どちらかというと減少している様子だ。
もちろんこれは登山者の意見に限定したものだが、動画が増えている様子は見られなかった。
こうした過去との比較も含めて、2018年11月に行った、「登山者のデジタルカメラ利用に関するアンケート調査」を、ぜひ確認してほしい。
ヤマケイオンライン みんなの登山白書
ヤマケイオンラインが神出鬼没で行っている、登山者に対するアンケート調査を公開しています!