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今がベストシーズン!山に登って高山植物ウォッチングを楽むための6ヶ条

From 山と溪谷編集部
たしなみ 2019年07月08日

高山では雪解けが進み、各地で高山植物が見ごろになってきた。一斉に咲いた高山の花畑は、何度見ても飽きることはなく、気づいたらその美しさに時間を忘れるほど。だからこそ、なんとなく見て終わるのはもったいない! 高山植物を楽しむためのポイントを知って、登山の魅力を広げてみよう

花見平から望む槍ヶ岳とハクサンイチゲの群落。(編集部=写真)

 

高山の花畑のシーズンはあっという間。だからこそ、ベストな時期に楽しみたいもの。厳しい環境に適応した高山植物の気高く、可憐な姿を楽しむためのポイントを紹介する。

 

準備編

1.いつ、どこに、どんな花が咲くのか探してみよう

花畑を楽しむためには、いつ・どこに・どんな花が見られるのか調べることはとても大切だ。有名な大群落の情報は、必ずガイドブックに記載されているので、まずはどんな花を見たいかを目星をつけたい。

ある程度絞れたら、図鑑やネットなどで花期(花が見ごろの時期)をチェックして登山計画を立ててみよう。

高山植物の開花は、雪解けの状況によって毎年変わるので、期日が近づいたら、山小屋やビジターセンター、地元観光協会の雪解け状況や開花情報を参考にするのが失敗しないコツ。

花の観察をじっくり楽しむために、登山計画はいつもより余裕をもたせることを忘れないように!

  

左/山と溪谷3月号別冊付録 右/新ヤマケイポケットガイド「山の花」

 

2.普段の装備にプラスして、観察に役立つアイテムを持っていこう

まずは図鑑。図鑑には、高山植物の同定(種名を見極めること)に役立つ花や葉の特徴や、生息する環境、見分け方のポイントが載っている。ポケット図鑑やタブレット端末の電子図鑑は重さが気にならないのがいい。情報量を見比べながら自分にあった図鑑を持っていこう。

次はルーペ。植物の細かい部分をよく見るためには必須のアイテム。葉に毛があったり、おしべやめしべがおもしろい形をしていたり――、これまで気が付かなかった高山植物の特徴を発見できるかも。

最後に、カメラとメモ帳。これらは植物の記録にとても役立つ。もちろん筆記用具も忘れずに。使い方のコツはこのあとの記録編で紹介する。

 

観察編

1.まずは観察して、花の種類を調べてみよう

準備ができたらいよいよ山へ。花を見つけたけど、種名がわからない!そんなときは図鑑を開いて、特徴を観察しよう。

花の色や花びらの数、葉っぱの特徴から、索引などを使って絞り込んでいこう。それでも似た花は同定が難しい場合も。そんな時は、カメラやメモ帳に特徴を書いて、下山後に調べるのがよい。花だけでなく、花を見つけた場所やその環境をカメラで撮っておくのがコツ。

北岳の稜線は花の観察や写真撮影に最適(編集部=写真)

 

2.花が咲いている環境を見てみよう

花がわかったところで、視線を上げて、周りを見渡してみよう。どんなところに咲いているだろうか。草原? それとも砂礫地?

高山といっても環境はさまざま。花が咲いている周辺を観察すると、その植物が好む環境や生態が見えてくる。どうしてこんなに鮮やかな色をしているのか、どうして群生(一つにまとまっていること)しているのか、ぜひ想像を膨らませてみてほしい。

斜面に群生するシシウド(編集部=写真)
 

砂礫地に群生するイワギキョウ(編集部=写真)

 

記録編

1.カメラとメモを活用しよう

花の観察を楽しんだら、カメラやメモを使って観察記録を作ってみよう。記録することで、植物の理解がグッと深まる。

植物名と観察した場所、周りの環境の様子は必ずメモ。もし同定できなければ、花の色や形などの特徴をしっかり書こう。スケッチするのもアリだ。

カメラはメモでは書ききれない情報を残すことができる。コツはさまざまな角度から複数の撮影をすること。植物全体の写真はもちろん、手元にある持ち物をスケール代わりに使って、植物の大きさがわかる写真が撮れるとさらにいい。

写真を記録する際は、葉や茎もわかるように撮影するのがコツ。左のシナノキンバイはいい例。右のチングルマは葉があるとより判別しやすい。(編集部=写真)

 

2.ビジターセンターなどに立ち寄ってみよう

下山後に、同定できなかった植物や、より詳しい情報を知りたかったらビジターセンターに寄ってみよう。その山域で見られる生き物や植物など、自然に関する情報が展示されている。専門のスタッフが常駐していることも多いので、思い切って声をかけてみるのがよい。図鑑などでは得られない高山植物のあっと驚く知識も教えてくれるかも。

 

以上、高山植物を楽しむためのポイントを紹介した。「きれいな花だな」で終わらず、ちょっと足を止めてぜひじっくり観察を。ただし、くれぐれも高山植物は大切に!勝手に高山植物を採集したり、踏んだりしないよう気を付けよう。


今回紹介したのは、発売中の『山と溪谷7月号』第二特集「写真家が薦める、この夏歩きたい高山の花畑」の一部。本誌では、日本全国から選りすぐりの10を超える花畑コースガイドを取り上げているので、ぜひ参考にして高山植物ウォッチングを楽しんでみてほしい。

 

教えてくれた人

山と溪谷編集部

『山と溪谷』2020年6月号の特集は「エリアとテーマで選ぶ! 私が愛するテント山行 ベストコース30」。

衣食住のすべてを背負って山を歩き、大地に体を休めるテント山行。山の大きさや厳しさ、美しさをダイレクトに感じられるのがその魅力です。
全国の山のエキスパートたちが、それぞれの山域がもつ魅力をテーマとして設定。各テーマに沿って、こよなく愛するテント山行コースを紹介します。

⇒ 『山と溪谷』最新号はこちら

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