このエントリーをはてなブックマークに追加

オレンジがかった朱色の花が鮮やかなフシグロセンノウ、花をよく見ると――

高橋 修の「山に生きる花・植物たち」
たしなみ 2019年09月20日

夏から秋にかけて、産地で鮮やかなオレンジがかった朱色の花を付ける花がフシグロセンノウだ。その花を詳しく観察すると、意外な発見を見ることができる。

 

フシグロセンノウは山地の林内に生える多年生草本だ。高山に咲く花ではなく、高山の下山後やアプローチの途中などで見られ、暗い林の中に燃えるようなオレンジがかった朱色の大きな花が目立つ。

ナデシコ科の花らしく、大きく美しい花が特徴だ。花は直径5~6cm、5弁で花弁は深く切れ込まない。蕾もかわいい姿だ。茎は直立し、草丈は50~80cmほどの大きさだ。

鮮やかなオレンジがかった朱色が映えるフシグロセンノウの花

かわいらしい姿のフシグロセンノウの蕾


おもしろいのは花の内側に、もうひとつ花のような形状のものがあること。あまりに小さいので、よく見ないと気が付かないので、ぜひアップで見てみよう。

フシグロセンノウの花のアップで見ると花の中心に、もうひとつ花(のようなもの)がある


花名の由来は1つではない。センノウの花は、昔中国から伝えられたと思われる観賞用のナデシコ科の植物のことだ。花がそのセンノウに似ていて、節(茎に葉が生えている部分)がややふくらみ、紫黒っぽいことから名付けられたと言われている。また、京都の仙翁(せんのう)寺で最初に見いだされたからという説もある。

茎の節が黒っぽいことからフシグロセンノウの名前がついたと言われる


フシグロセンノウは、色々と不思議がある花なのである。植物観察のおもしろいところは、小さな発見があることだ。フシグロセンノウにも、新しい発見がまだまだありそうだ。

 

高山植物 自然観察
教えてくれた人

高橋 修

自然・植物写真家。子どものころに『アーサーランサム全集(ツバメ号とアマゾン号など)』(岩波書店)を読んで自然観察に興味を持つ。中学入学のお祝いにニコンの双眼鏡を買ってもらい、野鳥観察にのめりこむ。大学卒業後は山岳専門旅行会社、海専門旅行会社を経て、フリーカメラマンとして活動。山岳写真から、植物写真に目覚め、植物写真家の木原浩氏に師事。植物だけでなく、世界史・文化・お土産・おいしいものまで幅広い知識を持つ。

⇒高橋修さんのブログ『サラノキの森』

同じテーマの記事
高山植物の楽園、北海道・大雪山。豊かで変化の大きい自然環境に咲く花たち――
今年は花の当たり年だったという高山植物の楽園、北海道・大雪山。夏の短い北海道にあって、8月初旬にはもう秋の足音が聞こえてきていたが、植物たちは足早に花を付け、その美しい姿を見せてくれていた。
トガクシショウマを見て考えたこと―― 珍しい植物を守るため自生地を詳しく書かない、自生地に踏み込まない
珍しい植物を見たら、写真を撮ってSNSやブログにアップしたい気持ちは理解できるが、その前に少しだけ考えてほしい。写真を撮る前、そして撮ってからの行動は慎重に行う必要がある。登山、そして植物愛好家の“たしなみ”として知ってほしいこと――。
沙羅双樹の花の色は? 野生のサラノキが咲くネパール・ヒマラヤで満開のシャクナゲと共に楽しむ
「沙羅双樹の花の色」という平家物語の冒頭の一節は有名だが、沙羅双樹はどんな木で、どんな花の色か知っているだろうか? 植物探検家の高橋修氏は、沙羅双樹すなわちサラノキ(シャラノキ)を見にネパール・ヒマラヤ山中に向かった。
「山歩きしながらの植物写真撮影」に向いた、オススメのカメラとレンズ
図鑑に載っている写真のように、植物を撮影するのは意外と難しい。うまく撮影するには、やはりカメラ機材にも気を使いたい。今回は、植物写真に向いたカメラについて説明する。
記事一覧 ≫
最新の記事
記事一覧 ≫
こんにちは、ゲストさん
◆東京の天気予報[山域を変更]
明日

明後日

(日本気象協会提供:2019年10月15日 17時00分発表)
[ログイン]
ユーザ登録・ログインすることで、山頂天気予報を見たり、登山履歴を登録・整理・分析して、確認できます。
NEW 濡れに強い! ファイントラックの中間着が最新版に
濡れに強い! ファイントラックの中間着が最新版に 独自のシート状素材を採用した中間着「ポリゴン2UL」を、ライターの森山憲一さんが北八ヶ岳で試す!
NEW ザ・ノース・フェイスが開発! 新しい防水透湿素材
ザ・ノース・フェイスが開発! 新しい防水透湿素材 ザ・ノース・フェイスが開発した全く新しい防水透湿素材「FUTURE LIGHT」。開発ストーリーと搭載アイテムを公開!
NEW 小林千穂さんも体感! ヒザ、腰を守るサポーター
小林千穂さんも体感! ヒザ、腰を守るサポーター 「ザムスト」のサポーターを山岳ライターの小林千穂さんと読者が体感! 登山愛好者の膝、腰のサポートに!
NEW ガイドが試した こだわりのトレッキングハット
ガイドが試した こだわりのトレッキングハット 女性のためのトレッキングハット「アルピア」。視野の広さ、収納性など、女性登山ガイドの菅野由起子さんがチェック!
NEW ショップ店員に聞く! ゴアテックス製品の優位性
ショップ店員に聞く! ゴアテックス製品の優位性 防水透湿性能、防風性などゴアテックス製品の優位性を、ザ・ノース・フェイス マウンテンの副店長、芹澤さんに聞きました
NEW LEKIのポールをチェック! 「山MONO語り」
LEKIのポールをチェック! 「山MONO語り」 高橋庄太郎さんの連載では、レキ「マイクロバリオTAコンパクト」を、南ア・光岳でテスト。重量バランスよく、使い勝手がいい!
令和の秋、紅葉登山の季節が到来!
令和の秋、紅葉登山の季節が到来! 秋の足音が少しずつ聞こえてきました。いよいよ山が最も色づく、紅葉シーズンの到来!
秋の幕開けに訪れたい草紅葉の山
秋の幕開けに訪れたい草紅葉の山 紅葉の先陣を切るのが草紅葉(くさもみじ)。秋の幕開けに訪れたい、湿原を歩くモデルコースを6つ紹介する。
秋の贅沢、秘湯+紅葉の山旅へ
秋の贅沢、秘湯+紅葉の山旅へ 温泉で山歩きの疲れをほぐし、山の幸を堪能する。日本の秋を満喫する至高の組み合わせに誘うコース七選
ロープウェイで登れる百名山
ロープウェイで登れる百名山 ロープウェイやリフトなどを使って、一気に標高を稼げる百名山はいくつあるかご存知?
東京都最高峰、雲取山に登ろう!
東京都最高峰、雲取山に登ろう! 標高は2017m、日本百名山の一座として知られています。はじめての山中泊、はじめての縦走登山などにも適した山です。
何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山
何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山 のどかな里山を囲むように山々が連なる、埼玉県南西部・秩父・奥武蔵の山々。秋の紅葉シーズンは、とく魅力がタップリ!
王道の北アルプス縦走コースを歩こう
王道の北アルプス縦走コースを歩こう 森林限界を越えた稜線に、果てしなく続く縦走路。稜線歩きの醍醐味を思う存分楽しめる、北アルプスの縦走コースを紹介。
名峰・那須岳登山へ! 個性豊かでダイナミック
名峰・那須岳登山へ! 個性豊かでダイナミック 活火山の茶臼岳、峻険な朝日岳、最高峰の三本槍岳ほか、花畑の稜線や温泉など魅力満載の那須連峰。ほかにも湿原・お花畑・温泉と...
山で便利・安心! 登山用アプリ&GPS
山で便利・安心! 登山用アプリ&GPS スマートフォンの普及で高価で手の届かなかったGPS機器が誰でも使える! 初心者向けのノウハウから裏技まで、登山アプリとス...
ツラく、キツく、長い急登の登山道を制す
ツラく、キツく、長い急登の登山道を制す 長い急登を汗水流し、気合と根性を振り絞って、延々と登った先にある素晴らしい景色と充実感を味わいたいなら、ココに決まり!