知れば知るほど奥深い!「全国岩稜名山」の魅力とリスク

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全国各地に存在する岩稜の名山。北アルプスなど、高山の岩稜の山とは一味違った地方・低山のリスクと、それを押しても行きたくなる魅力について紹介する。

文=ワンダーフォーゲル編集部
写真=打田鍈一、梶山正

 

侮るなかれ、地方の岩稜の魅力と難易度!

一般的に、難易度の高い岩稜の山として知られているのが、北アルプスの穂高岳や劔岳などです。一方、地方の岩稜も独特の難しさがあります。その特徴をさぐると、まずはルートが不明瞭である場合が多いこと。北アルプスとは登山者数も整備のレベルも違うため、踏み跡は薄く、道標や目標物は少ないケースが多いのです。

これが「登山口」と気づく人、どれだけいるでしょうか? 

命を預けるには心もとない、完全に腐食したクサリの支点。整備のレベルはアルプスとは大違い


また、クサリ場の難易度も北アルプスを越えるグレードの場所もあります。例えば、群馬県の妙義山は足場が少なく、両手でクサリを握って登降する箇所もあり、山の大きさと難易度は比例するわけではないのです。

群馬県・妙義山は足場が少なく、クサリに頼って腕力勝負で登っていく箇所もある

 

地方の岩稜の魅力とは?

低山専門山歩きライターの打田鍈一さんは、「整備されすぎていない故に本来の岩稜らしさが味わえるんです。頭脳と動物的勘を頼りにルートを探るワクワク感はたまりません! また、山麓も観光地化されておらず、地方文化に触れられるのも魅力です」と、その魅力を語ります。

また、手頃な低山だと晴天を狙って短時間でも登れるうえに、岩稜歩きの良い練習場所にもなるんだとか・・・。

岩稜にもさまざまな表情がある。写真のようなヤブに覆われたワイルドな稜線もある


魅力あふれる地方の岩稜は、探せば意外と多く見つかります。高度感あふれる岩稜、ヤブに覆われたワイルドな岩稜、体力が試される長い岩稜、初心者でもスリルを味わいながら楽しめる岩稜など、それぞれの表情を持った岩稜が季節を問わずいつでも登山者を誘います。

現在発売中のワンダーフォーゲル12月号の特集「全国岩稜名山」では、関東・上信越・関西・九州の各地方で活躍する山岳ガイドやカメラマンの方々に、エリア別に岩稜名山の魅力と、コースの詳細をたっぷり語ってもらっています。

そして編集部が全国から選りすぐった岩稜名山をルポとコースガイドを交えながらしっかり紹介。岩稜での登山テクニックと併せて、ぜひ近くの岩稜の山を目指してみてください。きっと、いつもと違う、新鮮な感覚が味わえると思います。

 

プロフィール

ワンダーフォーゲル編集部

特集は、「アルプス名ルート 100」。
ワンダーフォーゲル創刊10周年記念企画!日本アルプスの名ルートを100本紹介する保存版特集。
歩いたことのあるルートを思い出したり、いつかは行きたいと思いを馳せたり。
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