登山の楽しみ方は十人十色!! 2020年は自分に合った登山スタイルをみつけて楽しもう!

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登山専門店・好日山荘の女性スタッフ「おとな女子登山部」によるリレー連載。記念すべき第10回目は、好日山荘名古屋駅前店勤務のもっちーさんから、登山者のみなさんへ2020年の提案です! 今年こそ自分らしいスタイルを見つけて、山を楽しみましょう。

 

 

私が登山を始めたきっかけ…

こんにちは。おとな女子登山部もっちーです。新年あけましておめでとうございます。

気がつけば2020年。今年はオリンピックイヤーですね! 初めて採用されることが決まったスポーツクライミングにも注目が集まっていて、今から開催が待ち遠しいですね。

さて、実は私、登山をはじめたきっかけがこのスポーツクライミングでした。小さいころからスポーツが大好きで、体育が得意科目だった私は、体育教師を目指すようになり、体育大学へ進学。

高校生までは競技スポーツに明け暮れていた私ですが、何か新しいスポーツを始めてみたいという思いから、クライミングを取り入れていたワンダーフォーゲル部に興味を抱き、入部したのでした。

その当時は、登山に全く興味がありませんでしたが、それがいつしか魅力を感じるようになり、今では登山に関わる仕事をしているのだから不思議です(笑)

何かをはじめる“きっかけ”は人それぞれです。そのきっかけが、いつどこから降ってくるかわからない所に面白さや運命を感じています。

なので、つい店舗でお客様とお話しする際、その方の登山をはじめたきっかけが気になって聞いてしまうことも(笑)

「友達に誘われたから付き合いで・・・」「数年ぶりに登山を再開してみようかと・・・」「ふと、山に登ってみたいなと思って・・・」。もちろん、その答えは様々です。

学生時代はもっぱら競技スポーツを経験してきた私が、一番強く感じるのは、「登山は人を選ばない」ということ。また、競争原理がなく、自分で決め、自分のペースで楽しむことができるスポーツということ。

「年齢」「性別」「レベル」を問わないのはもちろん、四季折々に美しく移り変わる山は、一年を通した楽しみ方と魅力があります。それこそが登山の醍醐味であり、世代を超えて多くの方が登山を好む理由なのだと思います。

私自身、登山は仲間と行く機会が多いのですが、美しい景色を共感したり、達成感を味わったり、他愛のない会話をしたり、ちょっと日常から離れた自然環境の中で過ごすこの特別な時間が、私にとっての生きがいとなっています。

 

四季折々の登山の楽しみ方に触れよう

大学時代は夏の縦走登山がメインだった私は、登山用品専門店である好日山荘への就職を機に、様々な登山スタイルと、その魅力に触れるようになりました。

今回はそんな私が感じる、四季を通じた登山の楽しみ方をご紹介します!

 

【春】

春は芽吹きのシーズン。暖かい陽気の中での山ごはんも楽しみ方のひとつ。

アルプス等の高山では、まだまだ雪深いところもありますが、雪解けが始まる3月~5月の春山シーズン。1,000m以下の低山では鮮やかな新緑の始まりです♪

比較的快適な気候で登れますので、登山初心者を連れいくのにもちょうど良いです☆

私は山桜でお花見したり、暖かくなるこの時期は、コースタイムに余裕を持たせて仲間と山ごはんを楽しんだり、里山でカタクリなどの可憐な草花を探しに行ったりしています。

 

【夏】

6月~8月は登山の最良シーズン。

日照時間が長く、初めての山歩きにも最適です!

3,000m級の日本アルプスでは高山植物も見どころのひとつ♪ 山小屋を利用する縦走登山やテント泊登山、暑いからこそ気持ちが良い沢登りなど、様々なスタイルで山を楽しめるところが大きな魅力です。

ちなみに、私が好きな夏山スタイルはテント泊縦走です!マイテントは愛着が湧いて、モチベーションも高まります! 社会人になってから購入したファイントラック社のカミナドーム2を大切に使用しています。「軽い・広い・かっこよい」快適すぎてお気に入りです。

様々なスタイルで楽しめる夏山縦走。


 

【秋】

紅葉が美しい 9月~11月の秋山シーズン。

標高の高い山から、低い山へと移っていく紅葉前線は、アルプスなどの高山では9月下旬から、関東の低山では11月頃から始まり、時期をずらしながら日本中で見頃を迎えます。

おとな女子登山部紅葉ツアーでの1コマ。赤、黄に染まるカエデのグラデーション。


ただし、気を付けなくてはならないポイントも。

“秋の日はつるべ落とし”と言うように、秋は他の季節と比べて急速に日が暮れるので行動計画には気をつけたいところです。

一方で、そこを逆手にとって「ナイトハイキング」を楽しむのもひとつです。空気の澄んでいる秋は絶好の季節。ヘッドランプは必ず持って行きましょう。万が一に備えてツェルトやGPSもあると安心です。

夜間行動は危険が伴うため、明るいうちに下見をする、歩き慣れたハイキングコースを選ぶ、などがポイントです。

高尾山山頂(標高599m)から望む夜景

 

【冬】

12月~2月の冬山シーズンですが、「冬は山に登らない」という方が多いのではないでしょうか。選ぶ山域や、積雪状況、コンディション次第にはなりますが、それに伴って必要な装備が違ったりリスクが問われたりするのも事実です。

冬にしか味わえない絶景が広がる雪山


ただ、単に「雪山は怖い」というイメージや思い込みで敬遠されているのはもったいないかもしれません。

なにも本格的な雪山に登ることだけが冬山の楽しみではありません。まずはこんな冬山を楽しんでみませんか?


例えば冬の陽だまり低山ハイキング!

根雪にならない程度の積雪であれば、夏山装備にプラスアルファでも行くことが可能です! 足ごしらえとして、6本爪の軽アイゼンとトレッキングポールがあれば十分楽しめます。

夏山装備にプラスアルファで楽しむ冬の低山。


例えばスノーシュートレッキング!

初めての雪山体験にはスノーシュートレッキングがおすすめ。

スノーシューとは西洋式輪かんじきとも呼ばれており、高い浮力があるため特別な技術は必要なく、誰でも手軽に雪の上を歩くことができます。


自信がついてきたら「本格的な雪山登山」に挑戦!

まずはロープウェイを使って手軽に上がれる山から始めてみるのがおすすめです。

長野県にある北横岳(標高2,480m)、三重県・滋賀県にまたがる御在所岳(標高1,212m)は比較的挑戦しやすい雪山です。

本格的な雪山登山はアイゼン、ピッケルワークが必要


凍った滝を登る「アイスクライミング」なんかも!

凍った自然の滝や人工的につくられた氷の壁を、専用の道具を使いながら登ります。ある程度の登山・クライミング経験が必要となりますが、場所によっては道具をレンタルして体験することもできます! 美しい氷の壁を登る楽しさと、刺激的な達成感を味わえるのがアイスクライミングならではの魅力です。

人工的につくられた氷瀑を登る。


凍った滝を見るもよし!

滝が凍ってできた『氷瀑』はまさに冬の風物詩。

見頃は1月~2月の真冬。

初心者でも比較的安心な、ツアーが組める場所から上級者向きのトレッキング技術が必要な場所まで、難易度は様々ですが冬の大自然が織りなす氷瀑は圧巻です。

具体的には栃木県の雲竜渓谷、岐阜県の平湯大滝、東京都の百尋の滝など全国には様々な絶景スポットがあります!

冬の風物詩!自然が織りなす氷の芸術。


このように登山は四季の魅力に触れながら、自分にあったタイミング、目的、ペースで楽しむことができるんです。

みなさんも四季に応じた山の楽しみが見つかりますように。

 

ところで、最近の私、もっちーの新たな山の楽しみ方は、ずばり「トレイルランニング」。

高校時代は陸上部の長距離選手で、走ることが好きだったので、数年前から始め、今、ドハマり中です(笑)。

トレーニングの一環としてもおすすめのトレイルランニング

 

自分に合った登山スタイルをみつけよう

私自身、登山を始めたばかりの頃はテント泊縦走にしか興味がありませんでしたが、社会人になり、色んな方と様々なスタイルの登山を経験したことで、楽しみ方の幅が広がり、自然と自分に合った登山スタイルを見つけた気がします。

山に登っている仲間や登山ツアーなど、きっかけは何でも良いと思います。まずは「実際に自分で体験してみる」これが自分に合った登山スタイルを見つける重要なポイントなのではないかと感じます。

毎年人気のあるおとな女子登山部富士山ツアー


女性は「結婚」「出産」「育児」など、様々なライフステージの変化があります。自分の時間がうまく取れない時期もあるかもしれませんが、だからといって、好きな登山をやめる必要もないですし、逆に自分の良いタイミングで始めることもできます。

ピークハント、植物観察、写真撮影、気分転換、健康運動。その目的は人それぞれです。

2020年は、ぜひ、自分にあった登山スタイルを見つけてみて下さい!

生涯にわたって、安心安全に登山を楽しんでいただけるよう、私たちおとな女子登山部を始め好日山荘は皆様を全力でサポートします!

 

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もっちーさんからの提案、いかがでしたか? 新しい年に、山で新しいチャレンジをしてみたい、という女性のみなさん、ぜひ好日山荘のおとな女子登山部スタッフに相談してみてください。きっと不安を解消してくれますよ。

 

プロフィール

もっちー(好日山荘おとな女子登山部)

埼玉生まれ埼玉育ち。幼少期からスポーツが大好きで体育教師の憧れを抱き体育大学へ進学。ワンダーフォーゲル部に所属し登山の虜になる。もともとはクライミングと登山が好きだが、数年前からトレイルランニングにもトライ。現在は、好日山荘名古屋駅前店に勤務し、東海おとな女子登山部の活性化に励んでいる。
⇒おとな女子登山部メンバーはこちら

好日山荘 名古屋駅前店

ハイキングから本格登山までさまざまな登山スタイルに対応するアイテムを取り揃える登山用品店。併設のイベントスペース「マウントラボ」では登山学校机上講座や各イベントを開催。

所在地/愛知県名古屋市中村区名駅1-2-1 名鉄百貨店本店メンズ館5F
TEL/ 052-414-7100
営業時間/10:00~20:00
アクセス/各線名古屋駅直結

好日山荘おとな女子登山部 リレー連載

登山用品専門店の好日山荘で、2013年より女性スタッフ有志により立ち上がった「おとな女子登山部」。 「自分たちが山を真剣に楽しみ、次の山に挑戦すること」「お客様にもっと山を好きになってもらうこと」を目標に、ブログでの発信や登山イベントなどを行っている。 その活動の様子と女子目線での登山感を伝えていく。

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