このエントリーをはてなブックマークに追加

山旅をZINEにしよう![1]伯耆大山編

山の「記憶」を「記録」に
その他 2020年04月08日

こんにちは。フリーランス編集者の小野泰子です。仕事だけでなく、プライベートでもZINE(ジン/小冊子)を作っている、根っからの雑誌好きです。山や旅、そして日常で気になったことを拾い上げ、紙に落とし込んで一冊にまとめる作業を長年楽しんでいます。

ZINEとは、MAGAZINE(マガジン/雑誌)に由来する造語なのだとか。個人が自費で制作したり、大手の流通を通さずに広めたりする小冊子を指します。

今回から始まる連載では、山旅がより思い出深いものになるZINE作りを提案したいと思います。毎回、私が出かけた山を題材に、自由自在なZINEの世界をご紹介します。第1回目は鳥取県・伯耆大山(ほうきだいせん)編。まずは気負わず、一冊作ってみませんか?

 

Contents

●今回、使った道具類

●ZINE作りの流れ

 1_テーマを決める
 2_見せ方を考える
 3_仕様を考える
 4_レイアウトする
 5_印刷する
 6_製本する

●最後に

 

今回、使った道具類

・カッター
・コンパスカッター(なくてもOK)
・千枚通し(穴を開けるものなら、何でもOK)
・定規
・カッティングマット
・割り鋲(びょう)
・紙 3種類

 

ZINE作りの流れ

ZINE作りのざっくりとした流れを、今回の伯耆大山編を交えてご紹介します。

 

1 テーマを決める

山に出かけ、心動かされたことは誰かに伝えたくなるもの。「ねぇ、ねぇ、聞いて!」と思わず言ってしまいたくなることをテーマにするといいでしょう。伯耆大山登山では、昨年に比べて雪が少ないことに衝撃を受け、これをテーマにもってきました。軸となる部分が決まると、タイトルもテーマに沿ったものが浮かんできます。今回は「Snow Mountain(スノー マウンテン)」。シンプルですね(笑)。

 

2 見せ方を考える

テーマがもっとも伝わる見せ方を考えます。写真集のように写真を大きく見せて展開する、雑誌のように写真と文章をバランスよく入れていく、エッセイ集のように文章だけを連ねていく、などなど。伯耆大山登山では、「冬山に雪があることが、今後当たり前でなくなっていくのかもしれない」といった不安がよぎりました。昨年より少ないとはいえ、雪にすっぽりと覆われた山の写真を大きく扱い、「白化粧の山はなんて美しいんだ!」という感動に置き換え、伝えることにしました。

最近は、レトロな風合いが気に入って、「写ルンです」で写真を撮ることが多く、その粗い画質をあえて大きくしてみたかったこともあります。

「写ルンです」で撮った伯耆大山の主峰・剣ヶ峰。この一番好きなカットを最初のページに

 

3 仕様を考える

見せ方が決まったら、ZINEのサイズやページ数、綴じ方などにつなげていきます。今回は、写真を大きくのせたかったので、A4以上の判型がよいなと思いました。ちょうど手元にA4の紙がそろっていたこともあり、すんなりこれらを使うことに。迷ったら安直に、すでにあるとか、手に入りやすいとかで紙を選べばよいと思います。

今回、綴じ方は簡単な平綴じにしました。紙を重ね、背と呼ばれる片端をとめる方法です。紙の片面だけに印刷し、1ページにどんっと写真を1点配置することに。使いたい写真が7点あったので、7ページです。これだけでもよかったのですが、その後ろに写真説明のページと、エッセイを入れたページを設けたくなり、全9ページにしました。

 

使った紙は3種類。上から、写真用、写真説明・エッセイ用、表紙・裏表紙用

 

4 レイアウトする

私は本格的なレイアウトソフトは使いこなせないので、普段からなじみのある文書作成ソフト(Word)を活用しています。パソコンを使わず、台紙に手書きしたり、写真を貼りつけたりして、手作り感を全面にだすこともあります。

文章が多いときは、あらかじめ原稿を作っていますが、今回のように少ないときはレイアウトしながら文章も入力しています。

Wordで写真も文章もレイアウト。「挿入→図形→吹き出し」機能をフル活用

 

5 印刷する

そもそも家庭用のプリンターはA4サイズまでなので、これより大きいサイズになるときはコンビニなどを利用して出力します。

今回、表紙用と裏表紙用のやや厚みのある紙は近所の画材店で四切で購入し、A4に裁断して使っています。

メインとなる7ページはA4の白い紙にカラーで、補足の2ページはA4の茶系の紙にモノクロで印刷し、変化をつけています。これら9ページは、表紙と裏表紙ではさんだときに収まりがよくなるよう、紙の上下と右を印刷後に少しカットしました。

中面の9ページは上、下、右をそれぞれ5mmほどカット

 

6 製本する

平綴じの場合、ホッチキスを使ったり、糸でかがったり、クリップでとめたりとアレンジが楽しめます。今回は割り鋲を使ってみました。千枚通しで穴を開け、差し込めばOK。やや厚みがある表紙がめくりやすいよう、鋲で留めた右側にカッターを軽くあて、折り目を入れています。

今回、表紙にちょっと工夫を。小さな丸窓をつくり、1ページ目の山頂をのぞかせてみました。これは丸く切り抜けるコンパスカッターを使っています。

割り鋲は文具店で購入。1箱に100本入りなので、気兼ねなく(!?)使える。今回、使ったのは5本

コンパスの要領で使うカッター。好みの大きさの円に切り抜ける、あると便利な道具

 

最後に

いかがでしたか? まずは身近にある素材や道具で、気軽に山旅の思い出を形にしてみてください。もし、最初のテーマ決めでつまづいたら、例えば撮った写真のなかから好きなカットを10枚選び、「お気に入りショット ベスト10」でまとめるのも手です。なにかしら、自分の手で形にする喜びを味わってもらえるとうれしいです。

教えてくれた人

小野泰子(フリーランス編集者)

登山、トレッキング、散歩といった歩くこと全般をテーマに、山岳系の雑誌、書籍、ウェブに携わる。プライベートでも四季を通じて山に入り、縦走、アルパインクライミング、雪山登山にいそしんでいる。アイルランドでの3週間のトレッキングなど、旅の記憶を手製本に落とし込むこともライフワーク。山のみならず、街で出合った“山の片りん”をインスタグラム(@ono_b_yasuko)に投稿中。

同じテーマの記事
山旅をZINEにしよう![2]白馬岳編
山旅がより思い出深いものになるZINE作り。毎回、私が出かけた山を題材に、自由自在なZINEの世界をご紹介します。第2回目は北アルプス・白馬岳(しろうまだけ)編。
記事一覧 ≫
最新の記事
記事一覧 ≫
こんにちは、ゲストさん
◆東京の天気予報[山域を変更]
明日

晴のち曇
明後日

晴時々曇
(日本気象協会提供:2020年5月26日 17時00分発表)
[ログイン]
ユーザ登録・ログインすることで、山頂天気予報を見たり、登山履歴を登録・整理・分析して、確認できます。
NEW サーモスで山ごはん! レシピコンテスト開催
サーモスで山ごはん! レシピコンテスト開催 真空断熱の保温・保冷力を活かした「山ごはんレシピ」を募集。ベランダで撮ってもOK。優秀作品にはプレゼントも!
NEW MSRの新作ガスバーナーをテスト! 連載「山MONO語り」
MSRの新作ガスバーナーをテスト! 連載「山MONO語り」 山岳ライター高橋庄太郎さんの連載。今月は、MSR「ウインドバーナー」。気になる燃焼効率や使用感をチェック!
グレゴリーの中・大型ザック「スタウト&アンバー」をチェック!
グレゴリーの中・大型ザック「スタウト&アンバー」をチェック! オールラウンドに使えるグレゴリーの人気モデル「スタウト&アンバー」がアップデートにより快適性が向上!
NEW 山と溪谷社「STAY HOME」キャンペーン
山と溪谷社「STAY HOME」キャンペーン 自宅で山を想う時間を過ごすためのスペシャルコンテンツです
NEW みんなのとっておきの山写真フォトコンテスト
みんなのとっておきの山写真フォトコンテスト 思う存分、山を楽しめることができる日に向けて気持ちを盛り上げましょう! あなたの“とっておきの山写真”を募集中
NEW 関東近郊で楽しむ高原ハイキング
関東近郊で楽しむ高原ハイキング 初心者やファミリーでも山歩きを気軽に楽しめる長野・群馬・栃木の高原6選
登山は「下山」してからが楽しい!?
登山は「下山」してからが楽しい!? 登山後、すなわち下山後の楽しみの1つが山麓グルメ。ご当地名物料理から、鄙びた食堂の普通の料理まで、その楽しみ方を指南!
身近な花の物語、知恵と工夫で生き抜く姿
身近な花の物語、知恵と工夫で生き抜く姿 『花は自分を誰ともくらべない』の著者であり、植物学者の稲垣栄洋さんが、身近な花の生きざまを紹介する連載。
理論がわかれば山の歩き方が変わる!
理論がわかれば山の歩き方が変わる! 山での身体のトラブルや疲労の多くは、歩き方の密接に結びついている。あるき方を頭で理解して、疲れにくい・トラブルを防ぐ歩行...
山岳防災気象予報士が教える山の天気
山岳防災気象予報士が教える山の天気 気象遭難を避けるためには、天気についてある程度の知識と理解は持ちたいもの。登山が知っておくべき、山と天気の関係を解説。
登山ボディをしっかり作って山へ!
登山ボディをしっかり作って山へ! 身体のリセット・メンテナンスの面から登山のトレーニングを指南。登山のための身体づくりを目指そう!
知らないと損する山岳保険の知識
知らないと損する山岳保険の知識 自立した登山者なら必ず加入しておきたい「山岳保険」、その内容や詳細について、どれだけの人が知っているでしょうか?