バックカントリーに出る場合はスキー場のルールを守り事前準備・確認を 島崎三歩の「山岳通信」 第178号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年2月14日に配信された第178号では、期間中に起きた遭難事故3件すべてがバックカントリーでの事故だったことに触れ、改めて事前準備の大切さを訴えている。

 

2月14日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第178号では、2月4日~2月8日に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 2月4日、北アルプス栂池高原で、ガイドと共にバックカントリーを滑走していた35歳の男性が、滑走中に雪崩に巻き込まれ負傷する山岳遭難が発生。男性は県警ヘリで救助された。

  • 2月7日、北アルプス栂池高原で、家族2人で栂池高原スキー場に訪れていた22歳および20歳の男性が、スノーボードでコース外を滑走中に道に迷い、疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。2人は大町警察署山岳遭難救助隊と栂池高原スキー場スキーパトロール隊により救助された。

  • 2月8日、志賀高原寺子屋スキー場で、単独で訪れていた55歳の男性が、コース外に出てバックカントリー滑走中に道に迷い、コースに戻れなくなり行動不能となる山岳遭難が発生。男性は中野警察署員と志賀高原地区山岳遭難防止対策協会救助隊員により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

2月第2週は3件の遭難が発生し、全てバックカントリー中の遭難でした。長野県内はこの週、強い冬型の気圧配置の影響を受け、白馬方面や、飯山中野方面ではまとまった降雪が観測されました。降雪直後の積雪は非常に不安定ですので滑走には十分注意が必要です。
個別の遭難を見ると、予想外の新雪によって、思うように行動ができなくなり、結果として道に迷ったり、疲労によって行動不能に陥ったりするケースが見受けられます。
スキー場からバックカントリーエリアへ出る場合は、事前の届出等、スキー場のルールを守り、地図や装備、食糧等を携行の上、積雪状況などを確認しましょう。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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