行程・コース
天候
晴れのち曇り
登山口へのアクセス
バス
その他:
奥多摩駅 7:27発 奥21バス 東日原行き 川乗橋バス停
増発が出て2台で運行
この登山記録の行程
川乗橋(07:45) ・・・ 笙ノ岩山(9:23 9:27)・・・巻道との交差点1414m地点(10:36) ・・・ 蕎麦粒山(10:45 10:50) ・・・ 仙元峠(11:04 11:27) ・・・ 三ツドッケ(13:14 13:25) ・・・ 一杯水避難小屋(13:47 14:33 この間小屋裏散策) ・・・ ヨコスズ山(14:53)・・・東日原(15:45)
なお鳥屋戸尾根のコースタイムは、登山詳細図「奥多摩東編」の3時間50分を、残りは「山と高原地図」のものを採用しています。また、蕎麦粒山ー三ツドッケ間は正規登山ルートから外れて、尾根伝いの踏み跡を辿っています。
コースタイム比0.80 (花に夢中であまり当てになりません)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
シロヤシオの花との静かな出会いを求めて鳥屋戸尾根から蕎麦粒山に登り、三ツドッケまで歩いてきました。今週に入っての気温低下や雷雨に気を揉みましたが、たくさんの花に出会えました。標高1450mを超えるあたりでは蕾も目立ちましたから、見頃は今しばらく続きそうです。
今シーズンのシロヤシオは花付きはいいものの、小ぶりな印象です。これもお姉さん(アカヤシオ)に興味を示したりしたせいでしょうか・・・(笑)。そういえば、2016年にこのコースを歩いた時には、満開のシロヤシオの周りでハルゼミの鳴き声が聞こえていたように思いますが、今回は鳥のさえずりばかり。虫と花のタイミングもずれているようです。
先般、私なりのシロヤシオの開花予想をご紹介しましたが、今回もこの考え方に沿って、シロヤシオと出会えそうな山として長沢背稜の三ツドッケや蕎麦粒山を選びました。
ツツジの花を楽しむ上でこのコースの一番のポイントは、一杯水避難小屋裏手(ヨコスズ尾根最上部)の群生地なのでしょう。しかし、それに勝るとも劣らないのが、蕎麦粒山から仙元峠、三ツドッケへ平坦な巻道としてつけられている正規の登山道を外れて尾根伝いに直登し、埼玉県側に広がる群生を眺められるルートです。踏み跡はついていますが、アップダウンがきつい上に痩せた露岩も歩きますので、花に見蕩れて足元がおろそかにならないように注意しなければなりません。また、足元にはツツジの若芽も広がっていますから、ズカズカと踏み込むのも避けたいところですが、ファンからすれば桃源郷にいるような気分になります。もう一つ注意点。桃源郷に迷い込むと足が前に進まず、いつの間にか外界の時間だけが過ぎています。くれぐれも帰りのバスに乗り遅れるなんていうことのないように!
コース定数36.4。主観的なグレーディングB
<鳥屋戸尾根の様子>
今回は、バリエーションルート扱いの鳥屋戸尾根を登りました。笙ノ岩山あたりまでは急登ですが、静かで気持ちよく登れました。踏み跡も明瞭で、旧東京市の境界標柱や手製の小さな看板などもあります。時折、尾根の広やかなところ、落ち葉が厚く積っているところで踏み跡が曖昧になりますが、地図と方向をしっかり確認して、基本尾根伝いを歩くのだということを意識して見定めれば問題はないでしょう。わたしは、川乗橋バス停から3時間で蕎麦粒山に達することができましたが、「登山詳細図 奥多摩東編」ではコースタイムは登り3時間50分となっています。
<開花予想モデルを振り返る>
私なりの開花予想に必要なのは、計算の起点となる開花実績データ(開花日と標高)と、開花標高の上昇ペース(「峰走り」)のパラメータです。現時点では、開花実績は自分自身や皆さんのレコを使い、「峰走り」も同シーズン中の開花実績から推計しています。将来的には「季節の進み」という一つの要因から、シーズン最初の開花日と標高、「峰走り」も推計できるようになればいいのですが、これには長期間のデータ蓄積が必要で今後の課題です。
ともあれ、先週末時点(5月5日)西丹沢でシロヤシオが盛りだった標高1200~1300mを起点として、今シーズンの「峰走り」1週間当たり200~300mを加えれば、今週末(5月12-13日)の見ごろは標高1400~1600mという計算になります。ただし、今週に入ってからの雨と気温低下で「峰走り」が鈍っているかもしれないことを加味すると、これを下回る可能性も含んでおくべきでしょう。見ごろ予想標高レンジは、長沢背稜の三ツドッケ(天目山1576m)や蕎麦粒山(1473m)を含み、それを下回る場合でも稜線に至る鳥屋戸尾根も上部はシロヤシオの分布域ですから、今週末にこのコースの大半で見ごろのシロヤシオに出会えるだろうというのが目論見でした。これはほぼ狙い通りでした。
登山とシロヤシオの花を愛する同好の方々の何らかの参考になればと思い、何回かつづってきましたが、この話題については今回をもっていったん筆を擱くこととします。
フォトギャラリー:66枚
午前5時前の東京駅は流石に人がまばら
一方、朝の奥多摩駅はバス待ちの登山者でいっぱい。東日原行きのバスは、2台で運行された。
朝の川苔谷は清々しい空気
マルバウツギ?
川乗橋バス停から林道を200mほど進んだ左手に鳥屋戸尾根の取付き
同じ杉でも枝打ちされた杉と自然木は全く異なる
「東京市」の境界石柱。ということは以西は、市外だったということですよね。
オトシブミほど芸は細かくないけれども・・・
時折、露岩も出てくる
ブナの大木。この立派な枝ぶりを見ると、西丹沢のぶなは樹勢が衰えているのだなと思わざるを得ない。
笙ノ岩山(標高1254.8m)展望はない 笙を思わせるような岩でもあるのだろうか。カッコ良さそう
塩地ノ頭あたりで展望が開ける。遠景は大岳山。
川苔山。鳥屋戸尾根の急登にあえいでいたのだけど、展望がひらけたり、ツツジの花に出会うと俄然力が漲る。学生時代の長距離走で、気になる女の子の前を走る時だけは、驚くほどスピードが出せたことを思い出します(笑)
標高1290m付近でミツバツツジが満開だが、盛りは過ぎている
標高1300mでシロヤシオだが、実はかなり散っている花も
今週の低温や雷雨でひどい目にあったんですかね・・・
かなり散っている
新緑も随分濃くなってきました
鳥屋戸尾根はいわゆる破線のバリエーションルートで道標もないが、尾根の広やかなところで時折踏み跡が薄くなる以外は、概ねしっかりした道だと思われた。静かできれい。
標高1250mのミツバツツジはほとんど散っている
ギンリョウソウが顔を出し始めている
標高1455m、蕎麦粒山山頂直下での鮮やかなミツバツツジ
静かな鳥屋戸尾根とは違い、蕎麦粒山は登山者で賑わっている。ランチはここで、と考えていたのだけどもう少し先まで行った方が良さそうだ。
蕾の株もあるのだが、どうやらこちらは開花時期が遅いトウゴクミツバツツジらしい。トウゴクミツバツツジとミツバツツジの区別はわたしにはつかない。
満開のミツバツツジ
仙元峠(標高1444m)。ちなみに峠とは鞍部になっていると思うんですが、ここはピークです。
付近のシロヤシオはまだ蕾のものが多い
仙元尾根を少し降りてみると満開のシロヤシオ。仙元尾根もいつか歩いて見たい。
仙元峠から三ツドッケに向かう際、東京都側に巻くようにつけられている平坦で歩きやすい正規の登山道からわざと離れて、尾根伝いに進むと埼玉県側にはたわわな花をつけたシロヤシオが続いている。
これは、このルートの隠れた白眉だと思う。
三ツドッケが見えている。コースタイムはわずか25分なのだけど、シロヤシオに引き止められて一向に前に進めない。桃源郷とは、もはやそれ以上良い場所はない、そこから動く必要のない場所、時間が進まない場所、オメガポイントなのだと納得。
尾根伝いの道はアップダウンがきつく、露岩もあるので、ツツジに見惚れて足元がおろそかにならないように注意。
足元にはシロヤシオ(ゴヨウツツジ)の若木が。どんどん増えてくれることを希望
私のようなファンからすると、これは桃源郷なわけですよ
ただね、今年は花の数は多いけれども、大当たりだった2016年と比べると、花が小粒な印象。強い雨が降ったせいか、花も傷んでしまっている。
高曇りになってしまったが、時折日が差すと、美しさがひときわ輝く。
今日はこういう日差しがもっと欲しかったですねえ
ようやく三ツドッケ(天目山 標高1576m)に到着
山頂から富士山がくっきりと見えました
三ツドッケからしばらく西に稜線を進み、折り返すように一杯水避難小屋に至る。一昨年はツツジの素晴らしいトンネルだったのだが、今回は期待はずれ。改めて小屋裏のツツジ群生地に登り返す。
避難小屋裏手のシロヤシオは標高1500〜1550m辺りで盛り。
いやあ、小屋裏(ヨコスズ尾根の上端)は、ツツジの密度の高さと、間近に見られる点で出色の場所ですね。
艶やかなミツバツツジと清楚なシロヤシオの対比
あちこちうろつきながら、魅力的なアングルを探すのだけど、これがなかなか・・・
惜しむらくは曇天と、花のピークをやや外しているためにシロヤシオの透明感が表現できない
一杯水避難小屋に戻って、コーヒーブレイクをした後、ヨコスズ尾根から下山します
ヨコスズ尾根の上部は広葉樹に覆われとても気分良く歩ける
なんかね、古代遺跡でこういうのあったと思うんですよ。まるで井戸端会議をしているみたい
日原集落が見えてきました




