丹沢の初夏を賑わすシロヤシオとトウゴクミツバツツジ 丹沢・檜洞丸

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※緊急事態宣言は解除されましたが、お住まいの地域と訪問する山域の自治体の情報を確認して行動をお願いします。

丹沢の初夏を白と紫の花で彩る、シロヤシオとトウゴクミツバツツジ。毎年5月中旬から6月初旬に見ごろを迎えます。

檜洞丸山頂への稜線で満開のシロヤシオの奥に残雪の富士山が遠景になっていた(写真=白井源三)

丹沢山系が一番賑わう季節は、初夏の名花ツツジの頃でしょう。5月中旬から6月の始めまで山中はシロヤシオの純白とトウゴクミツバツツジの紫色に彩られます。また、霧に包まれて浮かぶツツジは深山の雰囲気を醸し出します。数年に一度の周期で満花の年を迎えるようですが、不作の年でも開花の木を探しながらの登行も楽しいものです。

何と言っても、丹沢山系でツツジの名所は西丹沢の盟主、檜洞丸でしょう。山頂までは5コースありますが、人気のコースはツツジ新道を辿る登山路です。

モデルコース:西丹沢ビジターセンター~ツツジ新道~檜洞丸(往復)

 

コースタイム:約6時間

※西丹沢ビジターセンターは2020年8月31日まで閉鎖中です。駐車場も利用できません。

⇒檜洞丸周辺のコースタイム付き登山地図

ツツジのトンネルを歩く

西丹沢ビジターセンターから10分程林道を歩くと、右にツツジ新道から檜洞丸への登山口に着きます。滑りやすい岩を慎重に登り、右に東沢の沢音を聞きながら豪雨で堆積した石が詰まったゴーラ沢の出合まで樹林帯を登っていきます。

ツツジ新道のツツジのトンネル。シロヤシオの白にトウゴクミツバツツジの紫が点在(写真=白井源三)

沢を渡り、コンクリートの階段を登ると急登が始まります。最初のベンチを過ぎ、しばらく登っていくと、足元に純白のシロヤシオの花が散ってして上部の開花に期待が深まります。一度鞍部に降りて登り返し、二番目の休憩地、展望園地に着きます。晴れた日には 正面に残雪の富士山を遠望できます。背後に新設された急な登山路をさらに詰めていきます。

ブナ林も芽吹き初夏の緑に囲まれます。鉄梯子を登るとツツジコースの核心部入口のベンチに着きます。ここからは白に紫が点在したツツジのトンネルとなり、急登の辛さも吹っ飛びます。

純白のシロヤシオと紫のトウゴクミツバツツジが並び、山中を彩る(写真=白井源三)

連続する階段を詰めて登ると石棚山稜からのコースと合流。檜洞丸山頂への稜線となり、木橋を渡りながら山頂まで続くツツジの鑑賞です。

檜洞丸稜線に出て、木場を渡る頃、シロヤシオが新緑に映える(写真=白井源三)

山頂から東側へ降りると、蛭ヶ岳方面が開け、青ヶ岳山荘が建ち、トイレ(有料)が設置されています。また、山頂から犬越路側に降りると、大室山から加入道山、西に残雪を被った富士山が望まれます。

檜洞丸山頂からの展望はトウゴクミツバツツジ群から大室山へ延びる(写真=白井源三)

 

プロフィール

白井源三

神奈川県相模原市生まれ。1989年ヒンドゥークシュ登山隊に参加、ゴッラゾム5100mに登頂。2005~2007年に南米取材。アコンカグアBCとインカ道をトレッキング。著書に『戸隠逍遙』(クレオ刊)、『北丹沢讃歌』(耕出版刊)、『冬の近郊低山案内』(山と溪谷社・共著)、『分県登山ガイド 神奈川県の山』(山と溪谷社・共著)など。丹沢の写真展を多数開催。

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