軽くて歩きやすいアプローチシューズの特長を解説! 登山で使う場合は選ぶポイントがあるんです

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登山靴を調べていると「アプローチシューズ」というカテゴリーを目にします。トレッキングシューズやアルパインブーツと同じ登山靴のようですが、違いはどこにあるのでしょう? 特長や登山に適したアプローチシューズの選び方を解説します。

 

 

Contents
■アプローチシューズとは?
■アプローチシューズの特長
  • 立ち込みをサポートする硬めのソール
  • フリクション性を活かすクライミングゾーン
■アプローチシューズの選び方
  • 背負う荷物や筋力に応じてミッドカットも検討してみる
  • 防水機能が備わるモデルを選ぶ

 

アプローチシューズとは?

アプローチシューズは本来、登山やクライミングを行う現場へ向かう(アプローチする)間に履く目的で作られた靴であり、登山靴とは異なるものでした。しかし、軽さ、履きやすさ、岩場での登攀性やフリクション性の高さなどから、山に登るシーンでも使われることが徐々に増え、いまでは登山靴のひとつとして知られています。

 

アプローチシューズの特長

  • 比較的軽量で歩きやすい
  • アウトソールに凹凸がある
  • ソールは硬め
  • クライミングゾーンがデザインされている

 

トレッキングシューズのようにつま先を反り上げることで、歩きやすさも備えている

 

現在のアプローチシューズは、アルパインブーツのように岩場を得意とするモデルが一般的で、クライミングシーンを意識した機能を備えるものが多くなります

しかし、本来は目的地へ向かうアプローチ中に履く靴なので、トレッキングシューズのように歩きやすく、軽量なローカットかミッドカットが主流になります。

そのため、 アプローチシューズは水平方向の移動も垂直方向の登攀もこなす、バランスのいい登山靴といえるでしょう。足元のサポート力から、特に日帰りや山小屋泊といった荷物が軽くなる山行におすすめです。

 

アプローチシューズの特長

アプローチシューズは岩場での行動に適した機能を備えるものが多くなります。ソールに目を向けて、その特長を確認しましょう。

 

グリップ力を高めるブロックパターン

 

写真は比較的凹凸がしっかりしている。登山で使う場合はブロックパターンの形状もチェックしよう

 

アプローチシューズにもほかの登山靴と同様にアウトソールには凹凸があります。しかし土の上でのグリップ力はまちまち。エッジの鋭いブロックパターンがあり、深い溝があるほう滑りにくくなります。

 

立ち込みをサポートする硬めのソール

ソールの硬さは登攀性につながる。計画するルートの地形を調べて検討しよう

 

アプローチシューズは岩場での立ち込みをサポートするために、比較的硬めのソールを備えています。ただし、これはモデルによって差があるので、店頭で確認したほうがいいでしょう。硬さが増すほど登攀性に優れ、柔らかくなるほど歩行性が向上します。

 

トレッキングシューズと違い、ローカットの中にも硬いソールを持つモデルがある

 

フリクション性を活かすクライミングゾーン

つま先にある溝がないフラットなパターンがクライミングゾーン。高い摩擦力を得られる

 

岩場でソールの摩擦力を得るために、クライミングゾーンと呼ばれるフラットなブロックパターンがアウトソールのつま先にデザインされています。クライミングゾーンがあることで接地面積が広がり、フリクション性を最大限に活かすことができます。

 

アプローチシューズの選び方

アプローチシューズには、履き口の高さや防水機能の有無で、さまざまなモデルが存在します。アプローチシューズを登山で使用するときは2つのポイントを確認しましょう。

 

背負う荷物や筋力に応じてミッドカットも検討してみる

荷物が重たくなる場合はミッドカット(右)を選んだほうが足元のサポートを得られる

 

従来はローカットが多かったアプローチシューズですが、近年は登山での使用を意識したミッドカットも増えてきました。

凹凸がある登山道での歩行に慣れていない場合や荷物が重たくなる計画などでは、サポート力の高いミッドカットを検討してみるといいでしょう。

 

防水機能を備えるモデルを選ぶ

スポルティバ/ボルダー エックス ミッド GTX 防水仕様のアプローチシューズには足元が濡れない安心感がある

 

以前、登山靴について解説した記事で、登山靴には防水機能が欠かせないと説明しました。しかし、アプローチシューズにはその基本機能が備わっていないモデルもあります。

たとえば、天気が良い日に楽しむ日帰りのハイキング程度なら非防水のアプローチシューズを選んでも問題はないでしょう。ただし、山行日数が長くなる計画では思いがけず雨に降られることもありえるので、防水機能が備わっているモデルを選んだほうがいいと言えます。

 

写真=福田 諭

プロフィール

吉澤 英晃

1986年生まれ。群馬県出身。大学の探検サークルで登山と出会い、卒業後、山道具を扱う企業の営業マンを約7年勤めた後、ライターとして独立。道具にまつわる記事を中心に登山系メディアで活動する。

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