美味しい焚き火料理が作りたい…!達人が教える上達のコツとは?
数々のアウトドアシーンで焚き火を使って料理を提供してきた「アウトドア料理の達人」が、楽しくて美味しい焚き火料理の作り方を、そのコツとともに伝授。『焚き火料理の本』より、一部抜粋して紹介します。今回は、上達のコツについて。
台所と違い、状況が一定ではない野外では、ちょうどいい火加減や調理時間は刻々と変わる。とにかく経験を重ねて対応するしか、上達の道はない。しかし、思い通りに火が操れるまでの過程を楽しめれば、焚き火と料理の技術は自然と身につくだろう。
焚き火の経験を重ねる
なんとなく燃やすのではなく、毎回明確なテーマを持って火を焚こう。肉の塊を美味しく焼く回、ご飯を上手に炊く回など、テーマは1つに絞る。その経験を重ねるうちに、食材や環境に合った火の操り方が身についてくる。
薪は広葉樹を選ぶ
杉やヒノキなど針葉樹の薪は手に入りやすいが、柔らかく燃焼時間が短いので、焚き火料理には不向き。料理に使うなら、硬く、ゆっくり燃えるナラやブナなどの広葉樹が使いやすい。ナラは薪も炭も香りが良くお気に入り。
適度な焦げ味は旨味と考える
スモーキーな香りと焦げ味を堪能してこその焚き火料理。本書では焦げも一種のスパイスとしてレシピに生かしている。多少の焦げは気にする必要はないので、焦げを怖がらずに焼こう。
小さめの肉が最適な練習相手
肉を美味しく焼くコツはじっくり取り組むこと。まずは小さめの肉を上手に焼くことを目標とし、少しずつ大きくして火加減に慣れていくといい。薄切り肉には塊肉とはまた違う難しさがある。上達するまで練習あるのみ。
風や気温も計算に入れる
焚き火料理は気象条件に大きく左右され、毎回正解が変わる。無風で暖かい日と強風で寒い日では当然、火加減や調理時間が異なる。特に道具や材料が冷えてしまう冬はハードルが高い。始めるなら春秋からがベストだ。
野菜や魚には油をまとわせる
パサつきやすい野菜や焦げつきやすい魚介類は、調理前に油でコーティングしてやるとしっとり焼ける。油の量や火加減によって仕上がりは異なるので、トライ&エラーを繰り返して好みの焼き具合をマスターしよう。
※本記事は『焚き火料理の本』を一部掲載したものです。
『焚き火料理の本』
アウトドア料理の達人が教えます! 56の絶品焚き火料理の作り方。
『焚き火料理の本』
著: 小雀 陣二
発売日:2021年3月18日
価格:1650円(税込)
【著者略歴】
小雀陣二(こすずめ・じゅんじ)
アウトドアでの経験と料理のスキルを活かし、手軽な野外料理を紹介しているアウトドアコーディネーター。アウトドアツアーの運営や道具の企画開発を手掛け、各メディアでアウトドア関連の撮影に長年携わる。神奈川県三浦半島の突端、三崎港のカフェ「雀家」のオーナーとしての顔ももつ。『山料理』『焚火料理の本』(山と溪谷社)など、著書多数。
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