現れたら強い雨や風の前兆? つるし雲が見られやすい条件とは
「きれいな夕焼け」「虹」「彩雲」「流星」など身近で見つけたい空から、「笠雲」「環天頂アーク」「グリーンフラッシュ」「オーロラ」など一度は見てみたい素敵な空まで。84の空の現象の仕組みや、見つけかたを空のプロが解説した本『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』(著者:武田康男)より、おすすめの空をご紹介。
第5回目はつるし雲の見つけかたです。
山からちょっと離れた場所に、流れずにぽっかり浮かんだ雲を、つるし雲(吊し雲)といいます。翼の形、円形、渦動形などのいろいろな形があって、見るたびに楽しませてくれます。山を越えた風と、山腹を回ってきた風がぶつかったところにでき、風が強くても雲は動きません。
笠雲のときよりも湿った風が入ったときにできやすく、笠雲と一緒に見られることもあります。低気圧や台風の接近時に大きくなると、強い雨や風の前兆となります。
笠雲と同様、出やすい時刻はありません。夜間に月明かりで見られることもあります。朝日や夕日に染まる姿が美しく、太陽の近くで彩雲になることもあります。
山頂付近からつるし雲を見ると、横に浮かんで見えます。目の前で変化していき、下から見たときとは違う印象です。
巨大なつるし雲は、梅雨明けの頃によく見ます。また、台風の通過直後にも大きなつるし雲が現れ、嵐が収まるタイミングで富士山の近くへ行くと、つるし雲マニアが結構います。
※本記事は『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』(山と溪谷社)を一部掲載したものです。
『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』
84の現象との出会いかたがわかる、美しく楽しい空の旅
『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』
著:武田 康男
価格:1760円(税込)
【著者略歴】
武田 康男(たけだ・やすお)
1960年東京都生まれ。 東北大学理学部卒業後、千葉県の高校教諭(理科)、第50次南極地域観測越冬隊員ののち、大学の客員教授や非常勤講師として地学を教えている。 気象予報士、空の写真家でもあり、「空の探検家」として撮影、執筆、講演、出演などを行っている。 主な著書に『楽しい気象観察図鑑』『世界一空が美しい大陸 南極の図鑑』(以上、草思社)、『雲の名前、空のふしぎ』(PHP研究所)、『空の探検記』(岩崎書店)、『虹の図鑑』『楽しい雪の結晶観察図鑑』(以上、緑書房)などがある。
空の見つけかた事典
「きれいな夕焼け」「虹」「彩雲」「流星」など身近で見つけたい空から、「笠雲」「環天頂アーク」「グリーンフラッシュ」「オーロラ」など一度は見てみたい素敵な空まで。84の空の現象の仕組みや、見つけかたを空のプロが解説した本『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』(著者:武田康男)より、おすすめの空をご紹介。