実は山からでも見つけることができる! 一瞬の緑色の輝き「グリーンフラッシュ」

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「きれいな夕焼け」「虹」「彩雲」「流星」など身近で見つけたい空から、「笠雲」「環天頂アーク」「グリーンフラッシュ」「オーロラ」など一度は見てみたい素敵な空まで。84の空の現象の仕組みや、見つけかたを空のプロが解説した本『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』(著者:武田康男)より、おすすめの空をご紹介。

第7回目はグリーンフラッシュの見つけかたです。

 

山からの日の出時に、太陽の上部に緑色の輝き 8月5時 富士山頂(写真=武田康男)

 

グリーンフラッシュは、海に沈む夕日が消える瞬間の現象として知られていますが、最近の日本では西の空がP M2・5などで汚れていて、以前のように見ることができなくなりました。

空気の汚れを避けるには高い場所が効果的です。上の写真は富士山頂から見た、水平線から出る朝日の上に緑色の閃光が現れたものです。上位蜃気楼がちょっと起こっていて、太陽からグリーンフラッシュが離れています。

また、遠くに見える高い山に沈む太陽でも見られます。約120㎞離れた千葉県から、富士山頂や富士山の斜面に沈む太陽で、緑色や青色を確認できました。

日本列島の東の海上は、西側よりも空がきれいなので、太平洋から昇る朝日に見ることはありますが、朝日が出る瞬間をとらえるのは難しく、雨上がりなど、空気の澄んだ日がよいです。

私がグリーンフラッシュを最もたくさん見たのは、南極の昭和基地です。空気がとても澄んでいて、太陽が横に動くため、長い時間、美しいグリーンフラッシュが見られました。

※本記事は『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』(山と溪谷社)を一部掲載したものです。

 

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84の現象との出会いかたがわかる、美しく楽しい空の旅


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著:武田 康男
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【著者略歴】

武田 康男(たけだ・やすお)

1960年東京都生まれ。 東北大学理学部卒業後、千葉県の高校教諭(理科)、第50次南極地域観測越冬隊員ののち、大学の客員教授や非常勤講師として地学を教えている。 気象予報士、空の写真家でもあり、「空の探検家」として撮影、執筆、講演、出演などを行っている。 主な著書に『楽しい気象観察図鑑』『世界一空が美しい大陸 南極の図鑑』(以上、草思社)、『雲の名前、空のふしぎ』(PHP研究所)、『空の探検記』(岩崎書店)、『虹の図鑑』『楽しい雪の結晶観察図鑑』(以上、緑書房)などがある。

 

note「ヤマケイの本」

山と溪谷社の一般書編集者が、新刊・既刊の紹介と共に、著者インタビューや本に入りきらなかったコンテンツ、スピンオフ企画など、本にまつわる楽しいあれこれをお届けします。

空の見つけかた事典

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