雲海ができる条件とは? 実は2種類ある? 山の絶景「雲海」との出会い方

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「きれいな夕焼け」「虹」「彩雲」「流星」など身近で見つけたい空から、「笠雲」「環天頂アーク」「グリーンフラッシュ」「オーロラ」など一度は見てみたい素敵な空まで。84の空の現象の仕組みや、見つけかたを空のプロが解説した本『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』(著者:武田康男)より、おすすめの空をご紹介。

第2回目は雲海の見つけかたです。

 

雲海は、山が好きな人には憧れの光景です。いつもは上にあるはずの雲が下に広がっていて、自分が空の上にいるような気分になります。

雲海には2つのタイプがあります。1つはうね雲による大きな雲海で、夏などに1500m以上の高い山から見下ろすもので、もこもことした模様が美しく、また朝日が当たって橙色に輝く姿が神々しいです。

 

山頂から見下ろした、富士山ならではのうね雲の大雲海(7月6時 富士山頂) (写真=武田康男)

 

うね雲の雲海は、晴れた風の弱い日の朝や、海から湿った風が入ってきているときに多いです。富士山から見たうね雲の大雲海は、関東平野に北東気流が入っているときに見られます。 

もう1つは霧やきり雲による規模の小さな雲海です。

 

湖の霧に見られた、小規模な雲海(11月7時 山梨県) (写真=武田康男)

 

秋などに盆地や平野にできて、低い山や丘からも見下ろすことができます。うね雲とは対照に、ほとんど模様がありません。

低い山から見る霧の雲海は、秋になって夜が長くなったとき、上空が晴れて風の弱いときに多いです。近くに湖沼や川があると、雲海ができやすいです。

どちらも高気圧に覆われているときがチャンスで、朝に高い場所から見ます。最近は雲海が観光資源になってきました。

 

※本記事は『一生に一度は見てみたい 空の見つけかた事典』(山と溪谷社)を一部掲載したものです。

 

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84の現象との出会いかたがわかる、美しく楽しい空の旅


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著:武田 康男
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【著者略歴】

武田 康男(たけだ・やすお)

1960年東京都生まれ。 東北大学理学部卒業後、千葉県の高校教諭(理科)、第50次南極地域観測越冬隊員ののち、大学の客員教授や非常勤講師として地学を教えている。 気象予報士、空の写真家でもあり、「空の探検家」として撮影、執筆、講演、出演などを行っている。 主な著書に『楽しい気象観察図鑑』『世界一空が美しい大陸 南極の図鑑』(以上、草思社)、『雲の名前、空のふしぎ』(PHP研究所)、『空の探検記』(岩崎書店)、『虹の図鑑』『楽しい雪の結晶観察図鑑』(以上、緑書房)などがある。

 

note「ヤマケイの本」

山と溪谷社の一般書編集者が、新刊・既刊の紹介と共に、著者インタビューや本に入りきらなかったコンテンツ、スピンオフ企画など、本にまつわる楽しいあれこれをお届けします。

空の見つけかた事典

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