テント泊登山のプランニングとマナー 〜テント泊登山の始め方②〜

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前回はテント泊の魅力と、装備の基本を紹介した。今回は、テント泊登山の計画の立て方とマナーをお教えしよう。

文=吉澤英晃、写真=編集部、PIXTA

テント泊登山のプランニング

1、キャンプ指定地があるルートを選ぶ

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初心者の人はキャンプ指定地がある山を選ぼう

テントで山に泊まるには、まずはテントを設営できる場所を見つけないといけない。山域によってはキャンプ指定地が定められている場合があるので、初めはそこを利用する計画を考えよう。山小屋が近くにあればトイレと水場が整備されているので、比較的安心してテント泊に挑戦できるはずだ。売店があれば、軽食や飲み物、スナックなども購入できる。ロケーションなどにも注目して好みのキャンプ指定地を探してみよう。

2、コースタイムは余裕をもって

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テント泊登山は荷物が重くなることを考慮して計画を立てよう

同じ泊まりがけの計画でも、テント泊は山小屋に泊まるよりも担ぐ荷物が重くなってしまう。当然体への負担も増えるので、歩くスピードが落ちてしまい、同じ距離を歩くにしても普段より体力を消耗する。そのため、仮に体力に自信があっても、初めは短いと感じるくらいの距離で計画を立てるのがおすすめだ。どうしても長い距離を歩く場合は、参考コースタイムより時間がかかることを想定して、余裕のある行動を心がけよう。

テント泊登山のマナー

1、キャンプ指定地以外でテントを張らない

山でそれぞれが好き勝手にテントを張ると、大切な環境が荒れてしまう。そういった環境への負担を最小限に留めるために、特に人気の山域ではキャンプ指定地が定められている。登る予定の山の近くにキャンプ指定地がある場合は、そこを利用する計画を立てること。環境に配慮しながら山登りを楽しもう。ちなみに、キャンプ指定地は予約が必要な場合があるので、しっかり下調べをして利用しよう。

2、夜遅くまで騒がない

人気があるキャンプ指定地では、週末や連休になると混雑して隣同士が近距離でテントを張らざるを得ない場合がある。仲間同士で山に登ったとき、食事を囲んでの会話は楽しみのひとつだが、喋り声やラジオの音などは結構気になるもので、それが原因で眠れないというトラブルはよく聞く話。近くに他人のテントがある場合、目安として20時を過ぎたら会話を控えて、物音を立てずに静かに過ごすように気を配ろう。

3、ゴミは持ち帰る

山登りは自己完結が基本。出たゴミはすべて持ち帰り、近くに小屋があっても処分してもらおうなどと考えないようにしてもらいたい。たまにひとまとめにしたゴミをバックパックの外にぶら下げている人を見かけるが、袋が破けてゴミを落とす可能性があるので、必ずバックパックの中に入れて管理すること。残飯なども環境汚染の原因になるので、山の中に捨ててはいけない。同じ理由で、水場で食器を洗うのもマナー違反だ。

プロフィール

吉澤 英晃

1986年生まれ。群馬県出身。大学の探検サークルで登山と出会い、卒業後、山道具を扱う企業の営業マンを約7年勤めた後、ライターとして独立。道具にまつわる記事を中心に登山系メディアで活動する。

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