春の訪れを感じに… 駅近の春の花と新緑の名低山5選

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4月。暖かさを感じる日がだんだんと多くなり、いよいよ春になる。山肌の雪が解けると、次に山を彩るのは可憐な花たちや新緑の葉。今回は、関東近郊で、春を感じられる低山を5つ紹介しよう。

文=石丸哲也

桜にツツジにカタクリに…可憐な花たちが見られる山へ

権現山山頂は富士山と桜のコラボが絶景

春の低山の楽しさは、一斉に開く草木の花と新緑にある。春の花は、冬を耐えた後に咲き、生命の喜びにあふれるようだ。一方、春は天気が変わりやすく、雨が多い季節でもある。また、春の花はその年の天候などで花期がずれがちでもある。そこで、あまたある花の名低山から、天気や花の咲き具合に対応して計画しやすいよう、駅から登り下りできる山を厳選した。いずれも芽吹きから新緑、桜やツツジ、山野草の花など、春先から5月なかばごろまで楽しめる、花の山歩きのスタートにふさわしい山々だ。

桜やヤマツツジに彩られる充実の縦走コース
愛宕山(あたごやま)〜難台山(なんだいさん)

茨城県/553m(難台山)
JR常磐線岩間駅~愛宕山~難台山~岩間駅/日帰り 5時間10分

4月中旬〜下旬ごろの尾根道は新緑とヤマツツジが美しい
4月中旬〜下旬ごろの尾根道は新緑とヤマツツジが美しい

常磐(じょうばん)線が関東平野から山地に近づき、岩間(いわま)駅付近から西側に見える小山地は東筑波(ひがしつくば)連峰。最高峰の難台山は駅から登れる550mの低山だが、変化に富んだ縦走ができる。一方、岩間駅に近い愛宕山は往復だけの山行も可能で、手軽なハイキングも楽しめる。春は愛宕山の桜、縦走コースのヤマツツジ、貴重なスズランなどの花も楽しめる。

すずらんロードの商店街を進み、山道をひと登りで「あたご天狗の森」公園に入る。愛宕山西側の駐車場に出ると、関東平野の眺めがよい。グランピング施設「エトワ笠間(かさま)」の脇を抜けると雑木林の尾根道となる。南山展望台で難台山や筑波山を眺めて、新緑とヤマツツジの尾根道をたどる。車道が越える団子石(だんごいし)峠から、屏風(びょうぶ)岩などの露岩を見て登り返せば難台山山頂だ。

北へ30分ほど下り、尾根を右へそれるとスズラン群生地に着く。道なりに下り県道280号を歩き、羽梨山(はなしやま)神社から里道で岩間駅へ。

南山展望台から愛宕山を振り返る
南山展望台から愛宕山を振り返る
関東では珍しい自生のスズラン
関東では珍しい自生のスズラン

MAP&DATA

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おすすめのスポット

あたご天狗の森は約20種類、2000本という桜が植えられ、例年、4月上旬のソメイヨシノ、ヤマザクラから下旬の八重桜まで花を楽しめる。スズラン自生地のスズランは日本の野生種で花が葉の陰にひっそり咲く。見ごろは5月中旬ごろ。

駅周辺情報

スタート、ゴールの岩間駅西口には行動食を買えるコンビニなどはない。しかし、東口徒歩5分のところにスーパー辰巳屋があり、9時〜20時30分、営業していて利用価値が高い。

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プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

登山の達人が教える関東近郊名低山

都市圏から、日帰りで楽しめる低山は数多く存在する。登山ガイドや山岳ライターなど、山を歩き尽くしている登山の達人が、関東近郊の名低山を紹介する。

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