「リード」を安全に楽しむために心がけてほしい3つのポイント

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「クライミング競技」の中で最も馴染みのあるのはボルダリングだが、登山者であればぜひ「リード」にトライして欲しい。今回はリードにトライする際の基礎的な注意点について説明する。

ますます人気高まる「スポーツクライミング」

2020年の東京オリンピックの正式種目に決まった「スポーツクライミング」。最近マスコミなどでスポーツクライミングが取り上げられる機会が急に増えてきました。クライミング施設も次々に増えて、今では全国のボルダリングジムの数も500を超えたとか・・・。

オリンピックのスポーツクライミング競技には、「ボルダリング」「リード」そして「スピード」の3種目があることは、皆さんご存じかと思います。

その中で皆さんにとって一番なじみがあって人気が高いのは、ボルダリングではないでしょうか。クライミングシューズとチョークバックさえあれば、一人でも楽しめるという手軽さが人気の理由かと思います。
一方、なじみの薄いのがスピードです。ただ、スピードは競技性が高いだけに、これから施設が増えてくると人気が高まることが予想されます。

そんな中で、ロープを使って2人で登るのが基本のリードは、これからスポーツクライミングを始めるという方にとっては、ボルダリングに比べると道具や技術の面で、ややハードルが高い種目です。

しかし、ボルダリングにはない「高さ」という魅力、そしてその高さを克服してこそ味わえる達成感があります。

登山の技術にも精通するものなので、正しい知識と技術を身につけて、ぜひリードを楽しんでほしいものです。

 

「リード」を安全に楽しむために心がけてほしい3つのポイント

そこで今回は、リードを安全に楽しむための3つのポイントを説明します。以下の3項目をしっかり行うことで、安全性は一挙に高まります。簡単なことですが、意外と忘れられがちなことなので、ぜひもう一度チェックしてみてください。

 

①登り始める前はお互いチェックをしましょう

登る人をクライマー、ロープをもって確保する人をビレイヤーと呼びます。登り始める前には、この二人でチェックをしあいましょう。
ロープが正しく結ばれているのか、装備の装着ミスがないか、ということを確認することを習慣にしましょう。

 

②ロープの末端には結び目を作りましょう

スポーツクライミングの場合、クライマーとビレイヤーが両端のロープをお互いに結びあうことはほとんどありません。
そこでビレイヤー側のロープの末端には、必ず結び目を作ります。何かの拍子に、確保器からロープがすっぽ抜けることがないようにしましょう。

 

③ビレイヤーは必ずグローブを着けましょう

グローブを着けることで、不意にロープが流れた際に、手の火傷を防ぐことができます。また、ロープ操作のミスが起きるリスクを軽減します。革製のしっかりしたグローブをお勧めします。

 

ちょっとしたミスが思いがけない怪我に結ぶつくことがあるスポーツクライミング。ぜひ、基礎・基本を身につけ、生涯スポーツとして、スポーツクライミングを楽んでみてはいかがでしょうか。

 

プロフィール

長野県山岳総合センター

長野県大町市にある長野県立の施設。「安全で楽しい登山」の普及啓発を主目的に、「安全登山講座」と動植物・地形地質をはじめ山の自然を総合的に学べる「野外活動講座」を、年間約60講習開催。講習参加者のうち、長野県外の方が約6割を占める。

⇒長野県山岳総合センター
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