東北の名峰・栗駒山。「神の絨毯」の全山紅葉だけではない、春から秋まで魅力たっぷりの山

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構成=山と溪谷オンライン カバー写真=murozo

目次

その他のコース

上記に紹介したコース以外にも、栗駒山にはさまざまな登山&トレッキングコースがあるので紹介しておきたい。

裏掛コース

裏掛コースは宮城県側から東側の斜面を登るコースだ。2008年の地震以降は通行止めが続いていたが、現在は整備が進んでいる。当時の土石流跡がまだ残るが、残雪が遅くまで見られ、高山植物や原生林の多い自然豊かなコースとなっている。

御沢(表掛)コース

御沢(表掛)コースは、沢沿いを歩く技術度の高いコースで、徒渉やハシゴ、ロープなどもある難コースとなっている。やはり遅くまで雪渓が残るので、充分な装備と経験が必要だ。

大地森コース

大地森コースは、世界谷地と呼ばれる湿原が起点となるコース。ミズバショウやニッコウキスゲなどが咲く湿原は観光客の姿でにぎわうが、その先の登山コースはロングコースで入山者は少ない。

世界谷地第2湿原から栗駒山を望む(写真=aotoさん

湯浜コース

湯浜コースはランプの宿として知られる湯浜温泉三浦旅館が登山口で、深い森と豊かな自然に抱かれた魅力的なロングコースだ。

栗駒古道

栗駒古道は、世界谷地と湯浜温泉を結ぶ、かつては「栗駒越え仙北道」として人々が往来した古道だ。古道中のハイライトは樹齢1000年を越えると言われる「花山の千年クロベ」で、深い森に巨木が静かにたたずむ。

樹齢1000年を越えると言われる花山の千年クロベ(写真=山人さん

いずれも先に紹介したコースと比較すると入山者は少ないので、充分な計画と情報収集のうえ入山したい。

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この記事に登場する山

岩手県 宮城県 / 奥羽山脈中部

栗駒山 標高 1,626m

  みちのくのくりこま山の朴の木の   まくらはあれど君がた枕  平安中期の古今和歌集六帖にも詠まれた栗駒山は、仙台の真北、宮城、岩手、秋田の県境に位置する古い火山。浸食が著しく地形も複雑だ。  全国に数ある駒のつく山は、雪形から名付けられたものが多い。この山も5月になると南東の宮城県側に飛翔する天馬の姿が見事に浮かび上がる。岩手県側では須川岳とも呼ばれているが、こちらは須川温泉(酢川、強酸性の湯)に由来すると思われる。  灌木と草原のたおやかな山稜、豊かな残雪と随所に見られる高層湿原、高山植物の多いことなどとともに、すべての登山口、下山口に温泉があるのも特徴の1つ。  1時間ほどもあれば登れるコースから、5時間以上のコースまで10本以上のコースがある。交通の比較的便利な須川温泉から登頂し、広大なブナの原生林の中を、山深いランプのいで湯、湯浜温泉へ下山するコースがお勧め。  秋のドウダンツツジやウラジロヨウラクなどの目の覚めるような紅葉は、特筆に値する。  3~4月は、山スキーに絶好の山。スロープは初心者向だが、独立峰ゆえ天候に要注意。 ※ 平成20年岩手・宮城内陸地震で、周辺道路や登山道が荒廃していて通行できなかったり、困難だったりする箇所があります。栗駒山登山を計画されている方は、現地関係機関にご確認の上、お出かけ下さい。

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