東北の名峰・栗駒山。「神の絨毯」の全山紅葉だけではない、春から秋まで魅力たっぷりの山

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構成=山と溪谷オンライン カバー写真=murozo

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須川温泉~産沼コース~栗駒山

岩手・秋田県側から登山する場合の起点となるのは須川温泉だ。須川温泉は豊富な湯量を誇る乳白色で人気の温泉で、栗駒山荘と須川高原温泉の温泉宿泊施設がある。

最短で登れる須川コースは、現在、昭和湖付近の火山ガス濃度が高く危険なため通行止めとなっている。須川温泉から登る場合は、産沼(うぶぬま)コースを利用する。

名残ヶ原から眺める栗駒山(写真=usgtさん

登山口からほど近い名残ヶ原は、初夏はイワカガミやワタスゲなどの高山植物が数多く咲く湿原で、秋は草紅葉が堪能できる場所だ。苔花台(たいかだい)で須川コースと分岐して樹林帯の登山道を進み、三途の川での徒渉後は標高を上げるたびに展望も広がっていく。秋は鮮やかな紅葉を見下ろしながら登山を楽しめるコースだ。

須川コースの通行止め以降は、このコースがメインコースとなっているため、整備も進み歩きやすくなっている。

行程・コース

最適日数:日帰り 3時間15分
総歩行距離:9,008m /上り標高: 649m 下り標高: 649m
行程:須川温泉・・・名残ヶ原・・・自然観察路分岐・・・三途の川・・・産沼・・・栗駒山(須川岳)・・・産沼・・・三途の川・・・自然観察路分岐・・・名残ヶ原・・・須川温泉
高低図
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この記事に登場する山

岩手県 宮城県 / 奥羽山脈中部

栗駒山 標高 1,626m

  みちのくのくりこま山の朴の木の   まくらはあれど君がた枕  平安中期の古今和歌集六帖にも詠まれた栗駒山は、仙台の真北、宮城、岩手、秋田の県境に位置する古い火山。浸食が著しく地形も複雑だ。  全国に数ある駒のつく山は、雪形から名付けられたものが多い。この山も5月になると南東の宮城県側に飛翔する天馬の姿が見事に浮かび上がる。岩手県側では須川岳とも呼ばれているが、こちらは須川温泉(酢川、強酸性の湯)に由来すると思われる。  灌木と草原のたおやかな山稜、豊かな残雪と随所に見られる高層湿原、高山植物の多いことなどとともに、すべての登山口、下山口に温泉があるのも特徴の1つ。  1時間ほどもあれば登れるコースから、5時間以上のコースまで10本以上のコースがある。交通の比較的便利な須川温泉から登頂し、広大なブナの原生林の中を、山深いランプのいで湯、湯浜温泉へ下山するコースがお勧め。  秋のドウダンツツジやウラジロヨウラクなどの目の覚めるような紅葉は、特筆に値する。  3~4月は、山スキーに絶好の山。スロープは初心者向だが、独立峰ゆえ天候に要注意。 ※ 平成20年岩手・宮城内陸地震で、周辺道路や登山道が荒廃していて通行できなかったり、困難だったりする箇所があります。栗駒山登山を計画されている方は、現地関係機関にご確認の上、お出かけ下さい。

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