東北の名峰・栗駒山。「神の絨毯」の全山紅葉だけではない、春から秋まで魅力たっぷりの山

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構成=山と溪谷オンライン カバー写真=murozo

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天馬尾根コース

紅葉期は大混雑となる栗駒山だが、その喧騒から少し避けることができるのが天馬尾根コースだ。須川温泉から栗駒山へ登った場合、時間と体力のある人は、進路を西側に取って秣岳(まぐさだけ)を通って周回したい。展望の稜線歩きを楽しめる。

山頂から稜線沿いに西み、展望岩頭ですばらしい展望を堪能したら、そのまま天馬尾根を進んでいく。やがて現われるしろがね草原は高山植物も紅葉も魅力的な場所だ。展望も開けていて、登ってきた栗駒山の姿、めざす秣岳の独特の姿が美しく広がる。

しろがね草原の向こうに見えるのが秣岳、独特の景色だ(写真=ブナ太郎さん

秣岳からは須川湖を眼下に眺めながら下山。車道に出たら須川温泉まで歩けば周回となる。もちろん、逆周りで楽しむのもおすすめだ。

行程・コース

最適日数:日帰り 5時間20分
総歩行距離:12,906m /上り標高: 888m 下り標高: 888m
行程:須川温泉・・・名残ヶ原・・・自然観察路分岐・・・三途の川・・・産沼・・・栗駒山(須川岳)・・・須川分岐・・・展望岩頭・・・秣岳・・・須川温泉
高低図
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この記事に登場する山

岩手県 宮城県 / 奥羽山脈中部

栗駒山 標高 1,626m

  みちのくのくりこま山の朴の木の   まくらはあれど君がた枕  平安中期の古今和歌集六帖にも詠まれた栗駒山は、仙台の真北、宮城、岩手、秋田の県境に位置する古い火山。浸食が著しく地形も複雑だ。  全国に数ある駒のつく山は、雪形から名付けられたものが多い。この山も5月になると南東の宮城県側に飛翔する天馬の姿が見事に浮かび上がる。岩手県側では須川岳とも呼ばれているが、こちらは須川温泉(酢川、強酸性の湯)に由来すると思われる。  灌木と草原のたおやかな山稜、豊かな残雪と随所に見られる高層湿原、高山植物の多いことなどとともに、すべての登山口、下山口に温泉があるのも特徴の1つ。  1時間ほどもあれば登れるコースから、5時間以上のコースまで10本以上のコースがある。交通の比較的便利な須川温泉から登頂し、広大なブナの原生林の中を、山深いランプのいで湯、湯浜温泉へ下山するコースがお勧め。  秋のドウダンツツジやウラジロヨウラクなどの目の覚めるような紅葉は、特筆に値する。  3~4月は、山スキーに絶好の山。スロープは初心者向だが、独立峰ゆえ天候に要注意。 ※ 平成20年岩手・宮城内陸地震で、周辺道路や登山道が荒廃していて通行できなかったり、困難だったりする箇所があります。栗駒山登山を計画されている方は、現地関係機関にご確認の上、お出かけ下さい。

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