人食い化け猫が出た山、死体を操る猫が棲む山、猫が修行する山・・・猫伝説の山を紹介

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2月22日は猫の日。「猫」が入る地名、山名、猫にゆかりがある山は多い。長生きした家猫が猫又になるといわれるが、山に棲んでいる巨大な化け猫・猫又伝説も全国各地に存在する。そんな猫伝説が残る山を紹介する。

構成=山と溪谷オンライン

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猫魔ヶ岳 化け猫伝説が名前になった山(福島)

猫魔ヶ岳の化け猫伝説にはさまざまなものがある。一つは、魚を食べようと人に化けて出た雌猫が郷士に斬り殺され、怒った猫の王様が郷士の妻を食い殺して遺体を山中へ運び去るが、最後には郷士に斬り倒される、という話だ。憎しみは憎しみを生むというか、まったく救いがない。

山頂近くにある猫石には、猫又が棲んでいた場所だとか、弘法大師に調伏された化け猫が石になったのだとか、いろいろと言い伝えがある。

ニッコウキスゲが咲き乱れる、猫魔ヶ岳の麓に広がる雄国沼湿原(写真=Yamakaeruさんの登山記録より)

猫魔ヶ岳の西側には、噴火でできたカルデラ湖の雄国沼があり、一緒に歩かれることが多い。沼の周囲は湿原になっていて、7月になると日本一ともいわれるニッコウキスゲの大群落で黄色く染め上げられる。

 

行程・コース

最適日数:日帰り 3時間50分
総歩行距離:10,739m /上り標高: 568m 下り標高: 568m
行程:金沢峠(08:00)・・・雄国湿原(08:15)・・・金沢峠(08:30)・・・厩岳山分岐(09:30)・・・猫石(09:55)・・・猫魔ヶ岳(10:15)・・・猫石(10:30)・・・雄国沼休憩所(11:20)・・・金沢峠(11:50)
高低図
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この記事に登場する山

福島県 /

猫魔ヶ岳 標高 1,404m

 福島県耶麻郡北塩原村と磐梯町の境に位置する。『新編会津風土記』には「人食い猫が出没することに、この名前の由来がある。猫石付近はいつも草木を生せす、塵埃なく掃除せしか如し」とある。また山麓にはこんな伝説も伝わっている。 「猫魔ヶ岳に化け猫が出て、人々に危害を加えるので、殿様は家来に退治することを命じた。しかし、その計画が化け猫に聞こえ、殿様の奥方が人質に取られてしまった。そこで鉄砲名人の百姓六三に化け猫退治を命じた。六三は危機一髪、化け猫を退治して無事奥方を救い出した。六三はたくさんのほうびをもらった」 という。  この山は、その西側にある雄国沼と組合せて登られる。ベストシーズンは、ニッコウキスゲの咲く6月下旬から7月上旬にかけて。猫魔八方台コースは、所要1時間。雄子沢コースは雄国沼経由で所要3時間。

福島県 /

志津倉山 標高 1,234m

 福島県大沼郡三島町、昭和村と河沼郡柳津町の境に位置する。この山は全山ブナの山であるが、多くの伝説に彩られた山でもある。  昔は雨乞山として存在していた。日照りが続くと村人が集まり、注連縄(しめなわ)を張って雨乞岩まで出かけ、「アンメータンメー、タンサクヤーイ、水たんもれ龍宮やい」と祈ると、たちどころに雨が降ったと伝えられている。また、この志津倉山には、狗ヒン様がいるともいう。その証拠に、ときどき「空木がえし」と呼ばれる大木の倒れる音や、大石の転がるような響きがするという。後刻入ってみてもなんの跡形もない。この音がするときは、村人は決して山には入らなかったという。さらにカシャ猫伝説もあって、興味は尽きない。  登山道は2コース整備され、雨乞岩コースは登山口より所要2時間。細ヒドコースは2時間だが、通常は両コースを周回する。

富山県 / 飛騨山脈北部

猫又山 標高 2,378m

飛騨山脈北部周辺の山です。

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