日帰りで百名山2座を縦走!金峰山&瑞牆山

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読者レポーターより登山レポをお届けします。なおさんは日本百名山の金峰山(きんぷさん)、瑞牆山(みずがきやま)へ。

文・写真=なお


6月下旬、金峰山と瑞牆山の日本百名山2座に、日帰りでチャレンジしました。

瑞牆山県営駐車場に車を停め、朝5時30分ころに出発しました。20分ほど歩くと、さっそく瑞牆山が登場しました。ギザギザとした岩の独特な風貌がかっこよく、思わず「おぉ〜!」という声が漏れます。

駐車場から瑞牆山を眺める
駐車場から瑞牆山を眺める

6時15分には、富士見平小屋に到着しました。テントもいくつか張られていました。

富士見平小屋
富士見平小屋
富士見平小屋の前のメニューボードが
小屋の前にはメニューボードが。おしゃれなメニューがそろっています。

この小屋が金峰山と瑞牆山の分岐になります。

今日はコースタイム11時間超の山行のため、万が一コースタイムより遅れた場合に調整が効きやすいよう、時間のかかる金峰山に最初に向かいました。

金峰山・最初は森の中を歩きます
最初は森の中を歩きます

2時間ほど、森のなかを歩き続けます。砂払ノ頭(すなはらいのあたま)のあたりから景色がひらけました。ここから金峰山山頂までの間は、富士山を眺めながら歩くことができます。

金峰山・富士山を眺めながら岩場を歩く
富士山を眺めながら岩場を歩く
金峰山・鎖場もありました
鎖場もありました

山頂に近づくと、五丈岩(ごじょういわ)がまず目に入りました。こんなに大きな岩がぴったり積み重なるなんて、どうやってできたのだろう?と不思議に思います。

金峰山・山頂には五丈岩が奉られている。奥には富士山
山頂には五丈岩が奉られている。奥には富士山

山頂付近は、別ルートから登って来た方たちと合流するので、とてもにぎわっていました。ただ広々としているので、混雑することはなく、ゆったり過ごすことができます。富士山もバッチリ見られ、時間があるならもっとのんびりしたい場所でした。

9時15分ころ、山頂に到着。記念写真を撮り、行動食を食べ、瑞牆山に向かいます。

11時50分に富士見平小屋に到着。小屋のごはんがおいしそうだったので、できればそこでゆっくり昼食をとりたい!という一心で下りをがんばり、ピザやカレー、かき氷、コーヒーをいただきました。どれもおいしく、山小屋でこれがいただけるのかと驚きました。特にカレーがオススメです。

富士見平小屋のカレーとピザ
富士見平の小屋のカレーとピザ
富士見平小屋のかき氷
小屋でかき氷をほおばり、一旦疲れを癒す

12時30分ころ、瑞牆山へいざ出発。富士見平小屋から少し登ったあと下りとなり、沢を渡ってから再度登ることになります。

登り始めてすぐ桃太郎岩が登場しました。ぱっくり割れた巨大な岩、これまた不思議な光景です。

瑞牆山・巨大な桃太郎岩
巨大な桃太郎岩

私たちの登り始めの時間が遅かったのもあり、たくさんの方とすれ違い、瑞牆山の人気の高さを実感しました。岩場ということもあり若干渋滞する箇所もいくつかありました。1時間15分ほどで瑞牆山の山頂に到着しました。独特な岩の風景に瑞牆山らしさを感じます。

 瑞牆山山頂(2230m)から見た景色
瑞牆山山頂(2230m)から見た景色

下りは段差が大きく急なところや、足場が見えづらい箇所もあり、慎重に下りました。15時40分ころには富士見平小屋を通過し、16時30分ころには駐車場に戻ってきました。

日帰りで日本百名山2座に登れるというだけでなく、景色もきれいで、小屋ではおいしい食事がいただけるという、とても満足度の高いコースでした。

MAP&DATA

ヤマタイムで周辺の地図を見る

コース

芝生広場~富士見平小屋~砂払ノ頭~金峰山~砂払ノ頭~富士見平小屋~瑞牆山~富士見平小屋~芝生広場(参考コースタイム:12時間20分)

なお(読者レポーター)

なお(読者レポーター)

神奈川県藤沢市を拠点に、夏はアルプス、秋〜春は関東近郊や九州の山に夫婦で登っています。特に北アルプスと伊豆が好きです。

この記事に登場する山

山梨県 長野県 / 関東山地

金峰山 標高 2,599m

金峰山は奥秩父連峰の盟主である。これを「百貫の貫禄を具へた山」と絶賛したのは、“奥秩父の父”といわれた木暮理太郎であった。古くは日本武尊が東征の折、この地に鎧をおさめたとか、雄略天皇10年(467)に開山されたなどの伝説が残っている。  その後、室町時代に修験の総本山、和州・金峰山から蔵王権現を分祠し、大いに栄えた。  参詣道は9つも通じ、里宮の金桜神社の門前に、神職の家が70軒、参拝者の宿舎200軒を数えたという。  この山がいかに有名であったかは『甲斐国志』をひもとくとよく分かる。金桜神社とともに、7500字も費やして詳述している。表登拝口の金桜神社、猫坂、黒平(くろべら)を経て登るコースは、道中が長いので現在はあまり利用されていない。ルート上に、仏坂、御小屋沢、巫子ノ沢、賽ノ磧、御室小屋、勝手明神などの名が残る。  山頂は大きな積み木を重ねたような、花崗岩の御像石(五丈石)がそびえている。これは南アルプスの前衛、鳳凰山の地蔵仏岩と、甲府盆地を隔てて好対称をなしている。  この五丈石の下には、古い石灯籠や石囲いらしいものが残っている。かつては桧造りのお籠り堂があり、30人くらいが泊まれたという。記録によると、明治42年(1909)に焼失した。  さて、参籠者はいったいどこから水を得ていたのだろうか。原全教の『奥秩父』によると、「御影石うらの4人くらいはいれる岩陰の上約6m、3坪の岩間にたまる水で、量は40lに達する」とある。これが『甲斐国志』でいうところの「甲斐派美(かいはみ)」と呼ぶ小池ではないだろうか。  山容は準独立峰なので、眺望雄大、上信越の山々から八ヶ岳、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、富士山や御坂、毛無の山塊、近くに国師ヶ岳から大菩薩嶺など、なかなかの眺めである。  山頂直下に、千代ノ吹上げの絶壁があるが、この岩にまつわる伝説が残っている。それはこんな話。山麓の大豆生田(まみようだ)に信心深い大工夫婦がいた。2人が金峰山登拝の途次、女人禁制のたたりか妻の千代は足を滑らせ、谷底へ落ちてしまった。夫は妻の許しを神に乞うべく、山頂で7日間断食をした。そして満願の日、一陣の風とともに妻は無傷で再び姿を現したという。それから、この絶壁を村人は「千代ノ吹上げ」と呼ぶようになった。  登山コースは、増富温泉から富士見平小屋を経由して7時間、梓山から西股沢に沿って5時間30分、金桜神社から猫坂を経て11時間弱、縦走コースは国師ヶ岳から3時間30分など。

山梨県 / 関東山地

瑞牆山 標高 2,230m

 瑞牆山とはなんとも難しい漢字である。明治38年、山梨県知事となった武田千代三郎がこの字に替えたという。『甲斐国志』には「子産(こうぶ)岩」、または「瑞壘」と記録されている。  遠くから眺めるとそんなに目立たないが、間近な西側の黒森集落や富士見平の手前辺りで見ると、峨々とした岩峰の林立は鬼気迫るものがある。全山花崗岩で、初夏のころ、アズマシャクナゲの花の群落は見事である。  一般的に、富士見平から天鳥川に下りる。岩塊の間を縫い、たくみにつけられた道を上がり、樹間を北側から抜けて山頂に立つ。  眺望絶佳。はすに見上げる金峰山、御坂の山の上に富士山、さらに右、大無間山から延々と南アルプスの連嶺が続く。そして中央アルプス、八ヶ岳、右に北アルプスは白馬岳まで。登山口からわずか3時間ばかりの登高で、これだけの絶景である。  下にぽつんと金山の集落が見える。ここには、奥秩父の先駆者、木暮理太郎翁のレリーフが金峰山に向かって建てられている。昭和26年の建立。  毎年5月には日本山岳会山梨支部により、「木暮碑前懇親会」が、10月には増富観光協会などの共催で「木暮祭」が開かれている。

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