春、花の低山へ。春を告げるカタクリに出合える山ガイド【山と溪谷2025年3月号】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

雑誌『山と溪谷』2025年3月号の特集は「春、花の低山へ」。春の訪れを告げるカタクリ、ニリンソウなどのスプリング・エフェメラル。山を華やかに彩るサクラ、ツツジ……。自然の息吹を感じるこんな季節には、のんびり花を楽しめる低山がおすすめ。春の花を愛でる、あの花に会える、ぽかぽかハイキングコースを多数紹介している。特集の中から、カタクリを愛でる低山のコースガイドを見てみよう。

構成=山と溪谷編集部

目次

花の群生地を巡り、優美な里山をミニ縦走三毳山(みかもやま)とカタクリ

栃木県/見頃:3月下旬〜4月上旬

万葉自然公園かたくりの里のカタクリ
斜面を埋めるように群生する万葉自然公園かたくりの里のカタクリ。3月下旬

三毳山は標高200mあまりの里山だが、ほぼ全山がコナラなどの落葉広葉樹林で、栃木県と佐野市の自然公園として保全されている。山野草の宝庫で万葉自然公園のカタクリ群生は150万株、栃木県最大級というみごとなもの。東口かたくりの園にもカタクリ群生地がある。カタクリと同じころ、アズマイチゲやイチリンソウ、わずかに遅れてニリンソウ、桜、その後5月上旬にかけてチゴユリやヤマツツジ、夏にはヤマユリやキツネノカミソリなどの花が次々に咲く。花の名山と呼ばれるのも納得だ。とちぎ花センター(有料)にはパンジーなどの花壇、熱帯植物が咲く温室もある。低山だが、周囲を平野に囲まれた独立峰で、優美な山容が目を引き、万葉集にもうたわれた。かつては公共交通機関でのアクセスが不便だったが、路線バスが通年運行され訪れやすくなった。とちぎ花センターから、慈覚大師生誕地碑がある里道を歩いて万葉自然公園へ。山道に入って尾根を縦走し、とちぎ花センター前へ戻れば、手軽な周回コースで見どころを網羅できる。

(文・写真=石丸哲也)

カタクリとアズマイチゲなどの共演も
カタクリとアズマイチゲなどの共演も見られる。3月下旬

花より団子メモ

道の駅みかものイチゴ

道の駅みかものイチゴ

みかも山公園南口から徒歩3分。イチゴの季節には栃木県産「とちおとめ」「スカイベリー」「とちあいか」などが並び、旬を味わえる。

営業時間 8〜19時(無休)
TEL 0282-62-0990

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
標高:229m
歩行時間: 計3時間5分
アクセス:[公共交通機関]往復 JR両毛線・東武日光線栃木駅(栃木市ふれあいバス TEL:0282-61-2301)とちぎ花センター前バス停 ※JR両毛線岩舟駅から乗車もできる。道の駅みかもを通る路線でもある
[マイカー]みかも山公園の東口と南口、万葉自然公園かたくりの里などに無料駐車場あり
NEXT八森山とカタクリ
1 2 3 4 5

目次

プロフィール

山と溪谷編集部

『山と溪谷』2026年1月号の特集は「美しき日本百名山」。百名山が最も輝く季節の写真とともに、名山たる所以を一挙紹介する。別冊付録は「日本百名山地図帳2026」と「山の便利帳2026」。

Amazonで見る
楽天で見る

雑誌『山と溪谷』特集より

1930年創刊の登山雑誌『山と溪谷』の最新号から、秀逸な特集記事を抜粋してお届けします。

編集部おすすめ記事