新緑と花を同時に楽しむ! 初夏に登りたい関東の低山ハイキングコース6選

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大型連休のころ、関東の低山は新緑の季節を迎える。鮮やかな緑に彩りを添える初夏の花を楽しめる季節でもある。ファミリーでも歩きやすいミニハイクから日帰り登山まで、おすすめのハイキングコースを紹介しよう。

目次

花を訪ねる静寂の尾根歩き御岳山 奥の院峰(みたけさん おくのいんみね)

東京都青梅市/1077m

御岳山 サルギ尾根登山口を覆うように咲くシャガの花
サルギ尾根登山口を覆うように咲くシャガの花

ゴールデンウィークは多くの登山者でにぎわう奥多摩の中でも、穴場コースといえるサルギ尾根では静かな山歩きが楽しめる。コースは全般に急峻で、歩きにくい露岩帯を通過する箇所が点在するが、登りきったときの達成感は大きい。

御岳山 サルギ尾根中間部を過ぎると頭上にベニドウダンが咲く箇所が点在する
サルギ尾根中間部を過ぎると頭上にベニドウダンが咲く箇所が点在する

登山口は、大岳(おおたけ)鍾乳洞入口バス停の隣にある養沢(ようざわ)神社の境内の奥。この一角にはシャガが群生し、たくさんの白い花に覆われてみごとだ。サルギ尾根下部の植林帯を抜けて周囲が自然林に変わると、ところどころでベニドウダンが赤い花を咲かせている。この花はやや高い位置にあり、見落としがちなので頭上を注意しつつ歩こう。

都心部を見渡せる上高岩山(かみたかいわやま)展望台まで行くと、真っ白な花をつけた木立が周囲を取り囲む。ちょうどこの時期に咲くシロヤシオで、その先、芥場(あくば)峠から鍋割山(なべわりやま)経由で御岳山奥の院峰へ向かう道では、植林の区間を除けば山頂直下までこのシロヤシオが咲いている。

御岳山 上高岩山展望台から見た都心方面
上高岩山展望台から見た都心方面。手前に咲くのがシロヤシオ

ミツバツツジの咲く頂上からは、一段下の社の前を経由して鎖場のトラバース区間を慎重に通過。さらに下って天狗の腰掛け杉まで行くと、茶屋のある長尾平(ながおだいら)は近い。その先で武蔵御嶽(むさしみたけ)神社の参道に合流したら、御岳集落の中をのんびり歩いて御岳山ケーブルカーをめざそう。

(文・写真=木元康晴)

御岳山 奥の院峰の手前の稜線上で清々しい真っ白な花を咲かせるシロヤシオ
奥の院峰の手前の稜線上で清々しい真っ白な花を咲かせるシロヤシオ
御岳山 奥の院峰頂上でひと際鮮やかな花を咲かせるミツバツツジ
奥の院峰頂上でひと際鮮やかな花を咲かせるミツバツツジ

MAP&DATA

高低図
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最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間30分
行程:大岳鍾乳洞入口・・・高岩山・・・上高岩山・・・鍋割山分岐・・・鍋割山・・・長尾平・・・随身門・・・神代ケヤキ・・・裏参道分岐・・・御嶽山駅
総歩行距離:約7,300m
累積標高差:上り 約1,216m 下り 約727m
コース定数:23
アドバイス:サルギ尾根は急な登りが続く、要体力のコース。また奥の院峰の手前には短いが岩稜があるほか、下山時は鎖場を下るため難易度は高めだ。もっと手軽にめざすなら、JR青梅線武蔵御嶽駅からバスとケーブルカーを利用して天狗の腰掛け杉から奥の院峰に登り、上高岩山展望台まで行って引き返せば体力度、難易度ともに下がる。ただしゴールデンウィークのケーブルカーは非常に混雑するので、時間に余裕をもつように。
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