新緑と花を同時に楽しむ! 初夏に登りたい関東の低山ハイキングコース6選

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大型連休のころ、関東の低山は新緑の季節を迎える。鮮やかな緑に彩りを添える初夏の花を楽しめる季節でもある。ファミリーでも歩きやすいミニハイクから日帰り登山まで、おすすめのハイキングコースを紹介しよう。

目次

ムサシノキスゲを訪ねて住宅地の裏山へ府中浅間山(ふちゅうせんげんやま)

東京都府中市/80m

多磨霊園へと通じるキスゲの脇に咲いていたムサシノキスゲ
多磨霊園へと通じるキスゲ橋の脇に咲いていたムサシノキスゲ

標高80mの府中浅間山は住宅地に囲まれた公園であり、本格的な登山の対象ではない。それでも堂山、前山、中山の3つの頂上があって短いながらも縦走気分を味わえるし、三角点が設置された堂山には立派な標識が立っていて、頂上らしさを充分に感じる。さらに関東の富士見百景に選ばれた一角もあり、富士山の眺望も楽しめる。

府中浅間山の最高地点となる堂山の頂上
府中浅間山の最高地点となる堂山の頂上。背後には浅間神社が祀られている

四季を通じて散策に訪れる人が多い公園だが、特に人気が高まるのはゴールデンウィークのころ。それは国内で唯一、この山に自生するムサシノキスゲが一斉に花を咲かせるからだ。ニッコウキスゲにも似た黄色の大ぶりの花が、山中のあちこちで咲き誇る様子はとても見応えがある。またそのころには、散策路の左右でキンラン、ギンランも花を咲かせ始める。自然の山では数を減らしているこれらの花も、ここではたくさん咲いていてじっくりと観察できるのでうれしい。さらにキスゲ橋を渡った先の多磨霊園に近い森の中では、野鳥の姿も目立ち、バードウォッチングにも最適だ。

府中浅間山 ゴールデンウィークの頃はギンラン(左)やキンラン(右)も咲く
ゴールデンウィークの頃はギンラン(左)やキンラン(右)も咲く

登山装備は不要で、足回りもウォーキングシューズで充分。所要時間も半日足らずなので、天気のよい休日にふらりと訪れて、野に咲く花々を愛でてみてはいかがだろうか。

(文・写真=木元康晴)

MAP&DATA

府中浅間山
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最適日数:日帰り
コースタイム: 1時間40分
行程:東府中駅北口・・・浅間山公園入口・・・浅間山・・・浅間山公園入口・・・東府中駅北口
総歩行距離:約4,800m
累積標高差:上り 約60m 下り 約60m
コース定数:4.6
アドバイス:京王線東府中駅からJR中央線武蔵小金井駅行きバス、または武蔵小金井駅から東府中駅行きバスに乗り、浅間山公園バス停で下車すれば車道を歩かずに登れる。西武多摩川線多磨駅から多磨霊園を通り抜けて向かうこともできるが、登り口に標識がないためわかりにくい。浅間山公園内は複数の道があり、自由に歩けるが意外と迷いやすいので要注意。トイレは浅間山公園入口と、中山と堂山の鞍部にある。駐車場の利用は身障者に限られる。
関東の富士見百景展望地から見た富士山
関東の富士見百景展望地から見た富士山
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