膝が痛いけど山には行きたい! 「下らない山」関東編5選

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登山は大好きだけど、膝が痛くて下山が不安……。そんなシニア・高齢者に向けて、下山時に膝にやさしいコースを紹介します。乗り物を利用できたり、そもそも下りが少ないコースを関東近郊で5つセレクト。観光要素のある山がそろいました。コースガイド最後にある標高グラフも参考にしてください!

文・写真=石丸哲也

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展望の山頂と渓谷、グルメも楽しめる低山宝登山(ほどさん)

埼玉県/497m
下りの累積標高差:約180m
山行適期:通年

秩父三社(ちちぶさんしゃ)の宝登山神社が鎮座する宝登山は標高500m足らずで手軽に登れて、山頂の展望や季節折々の花を楽しめる。低山なので、ロープウェイの標高差も約150mに過ぎないが、山頂直下から下山口までの下りをほぼ歩かずに済むのでありがたい。登山コースは野上駅からの長瀞(ながとろ)アルプスが人気。アルプスの名に反して、なだらかな尾根歩きで下りは少ないが、宝登山山頂直下は急な階段の登りが続く。

野上駅付近から見る長瀞アルプスの尾根
野上駅付近から見る長瀞アルプスの尾根

野上駅から指導標に従って里道を進み、萬福寺を過ぎると山道に入る。ひと登りで尾根に出た後は好ましい雰囲気の雑木林を登る。途中、私有地につき環境整備の協力お願いの旨が記された板と協力金100円の料金箱がある。ゆるやかに登り下りして林道に出たら右へ15~20分も歩くと登山道入口に着く。宝登山山頂まで標高差150m、30分ほど続く急な階段混じりの道を登りきると、林が開けて宝登山山頂に着く。広場状の斜面は武甲山(ぶこうさん)や秩父盆地、両神山(りょうかみさん)などの眺めがよい休憩適地で臘梅(ろうばい)園が広がる。

宝登山山頂
宝登山山頂は西~南側が開けて武甲山や秩父盆地の眺めがよい
宝登山山頂の臘梅園から両神山
山頂の臘梅園から両神山

下山は臘梅園を抜けてすぐの山頂駅でロープウェイに乗車。

宝登山ロープウェイ
宝登山ロープウェイ

山麓駅から長瀞駅までは車道を20分ほど。シャトルバスも利用できるが、なだらかだし、途中で食事処にも寄れるので、歩くのもおすすめ。「喫茶山草」は地産の野菜や山菜などの素材を活かしたスープパスタ、やはり地産の果実がゴロゴロ入った大盛りのかき氷が人気。「阿佐見冷蔵」は宝登山氷池の天然氷を使ったかき氷の老舗だ。時間があれば長瀞駅から荒川を往復して、天然記念物の岩畳を散策したい。

喫茶山草のスープパスタ
喫茶山草のスープパスタ
喫茶山草のかき氷
喫茶山草のかき氷
長瀞駅
長瀞駅
長瀞の岩畳
長瀞の岩畳

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 2時間15分
行程:野上駅・・・萬福寺・・・氷池分岐・・・奈良沢峠・・・登山道入口・・・宝登山・・・山頂駅
総歩行距離:約5,300m
累積標高差:上り 約495m 下り 約182m
コース定数:11
アドバイス:宝登山山頂直下の急な階段を避けたいときは、長瀞駅からなだらかな林道の表参道(奥宮参道)を登りにとるとよい。冬のロウバイが人気だが、早春の梅、春の桜、陽春のツツジ、初夏のアジサイ、花の里のハナビシソウ、晩秋の紅葉など季節折々に楽しめる。夏はやや暑いが、その分、下山後のかき氷やビールが楽しみとなる。
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プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

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