黄金色に輝く月山【紅葉レポート】

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ビストロきっちょむ登山隊・興津剛さんによる登山レポート。今回は山形県の月山(がっさん、1984m)へ。

文・写真=興津 剛


東北紅葉遠征の第2弾として、山形県の月山に行ってきました!

前回レポートした栗駒山(くりこまやま)が「赤」だとしたら、今回の月山は「黄色」に紅葉する草もみじがメインです。一口に「紅葉」と言っても、いろんな種類があっておもしろいですよね。それ以外にも、いろんな色が混ざり合う「錦」バージョンもあれば、カラマツが黄葉するバージョンもあれば、いろんな紅葉があります。本当に奥が深いなぁ〜。

って、前置きはこのくらいにして、山形県の月山にGO!

結論を先に明記しておくと、月山の紅葉は「ピークに入りました!」って言っていいレベルに仕上がっておりました。今週中〜3連休までがピークだと思います!

現状で紅葉がどんな感じか、カメラで撮ったまんまの無加工写真でチェック↓↓

姥沢登山口
王道の登山口は姥沢

月山登山のエントリーの王道は姥沢(うばさわ)登山口です。横浜の我が家からだと、片道460kmと、まぁまぁの距離があります。登山口周辺に何軒か宿がありますので、よかったらそちらもご利用ください。我々はすぐ近くのコテージにお泊まりしました。

月山のリフト
リフトの営業は8時から

月山にはリフトがあるので、簡単に中腹まで行くことができます。我々は時間が早かったので、帰りだけ利用しました。文明の力は積極的に使っちゃうのが、我々のスタイルです!(笑)

木道で登る
登りはリフトを使わずに木道で登る

リフトを使わないルートは木道の道です。最初は樹林帯の中を黙々と登ります。濡れた木道は滑りやすいので、気をつけて登ってください。

紅葉の山肌
視界の先には紅葉の山肌

歩きだして40分。ちょっとずつ視界が開けてきます。視界の先には赤く染まった月山。来たーー! あの山の上のボコボコした先、が月山の山頂です。

真っ黄色の世界
視界が開けると真っ黄色の世界!

歩きだして1時間。視界が開けると一気にこの黄色い世界に! この10月4日の段階では、まだ少し緑の部分があったので、仕上がり具合は90%くらいかな。でもめちゃくちゃきれいでみんな大興奮!

草もみじの中を登る
草もみじの中を登っていきます

草もみじの中をゆっくり登っていきます。こんなきれいな紅葉なので、急いで真面目に登ったらもったいない! 写真を撮ったり景色を眺めたりしながら、のんび〜りと登ってください。

整備された登山道
整備された登山道

月山は東北を代表するような人気の山。登山道もよく整備してあります。初心者の方でも安心して紅葉登山を楽しむことができます。

山の上
山の上はもうすっかり秋でやや寒い

都心や空調の効いた職場にいるとそこまで感じないけど、山の上はもうすっかり秋。この日も風が強かったのもあって、かなり寒かったです。油断せずに温かい上着と手袋を持ってお出かけください。

草もみじ
草もみじを見下ろす

稜線から見下ろすとこの景色。黄色い世界が本当に美しい!

赤く紅葉したゾーン
赤ゾーンもまずまず!

稜線まで上がってくると、赤く紅葉したゾーンがあります。ここもまずまず紅葉しておりました!

絶景
見下ろすとこの絶景

見てください、この景色を。ピークになると、もう少し黄色が強くなると思います。

最後の登り
最後の登りは岩岩!

山頂への最後の登りは岩岩です。危ない箇所はないので、慎重に登れば問題ありません。もし疲れても大丈夫です。振り返ると絶景なので、絶景を眺めながら、ゆっくりと登ってください。

月山神社
最後の坂を登り切ると神社!

最後の岩岩ゾーンを登り切ると、月山神社が見えてきます。奥に見えるのは鳥海山(ちょうかいさん)です。

月山山頂にあるお手洗い
月山山頂にはお手洗いあり

神社の手前にはお手洗いもあります。山頂にお手洗いがあると助かりますね。

月山山頂
山頂は神社の奥!

最初に来た時は知らずにスルーしちゃったんですが、月山の山頂は神社の奥に5分ほど進んだところにあります。ここまで来たんだから、忘れずに山頂をゲットしてくださいね!

紅葉登山
紅葉登山は下山もまた楽しい!

普段の登山だったら下山は消化試合になりがちで、カメラをしまっちゃうことも多いけど、紅葉登山は下山の時は紅葉が見下ろせて、本当に楽しい!

撮影しながらのんびりと下ろう
撮影しながらのんびりと下ろう

眺望がいいスポットにきたら、のんびりと撮影したり、景色を眺めたりしてください。急いで下ったらマジでもったいないです!

色とりどりの紅葉の中を歩く
色とりどりの紅葉の中を歩く

姥ヶ岳(うばがたけ)の方から下山する予定だったんですが、牛首(うしくび)下の分岐へと続くルートの方が、紅葉がすばらしかったので、そっちから下山しました。

月山を背に
月山を背に

やばい! 載せたい写真が多すぎて、レポートが終われません(汗)。

黄色が見頃
黄色が見頃

登りで「仕上がり具合は90%くらいかな」と書いたロープウェイを使わないルートは、上から見ると100%に見えますね。真っ黄色が本当に美しいなぁ。

月山と草もみじ
月山と草もみじ

しまった! 1レポート20枚くらい!って依頼だけど、21枚目に突入しちゃったので、ここからはアディショナルタイムです!(笑)

リフト乗り場手前から
リフト乗り場手前から

この写真はリフトのすぐ近くから。歩いてきた木道もぐるっとわかりますね! リフトで上がってきた人たちは、リフトを降りてすぐにこの景色なので、「わーー!すごい!!」「ポスターの景色みたい!」って、みなさん大喜びしていました。

リフトに乗ってのんびり下山
リフトに乗ってのんびり下山

リフト乗り場のところは赤ゾーンで、ここもかなり紅葉していました。リフトで上り下りしたら非常にイージーです。でも歩きに自信がある方は、片方だけリフトを使わず、木道を歩くと、真っ黄色の中を歩くことができます。

もう23枚目なので、そろそろ試合終了です。メンバーのかっこいい写真とか、お風呂で全員全裸の写真とか、載せたい写真はまだ5000枚くらいあったけど、今回はこれで終了(笑)。

冒頭にも書いたけど、月山の紅葉はピークが始まったばっかりって感じでした。なので3連休中は、しっかりと黄色の紅葉の世界を楽しめると思います!

(山行日程=2025年10月4日)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム:5時間35分
行程:姥沢口・・・雄宝清水・・・リフト分岐・・・牛首・・・月山・・・牛首・・・リフト分岐・・・リフト上駅
総歩行距離:約8,100m
累積標高差:上り 約927m 下り 約575m
コース定数:22

この記事に登場する山

山形県 / 朝日山地

月山 標高 1,984m

 山形県のほぼ中央に位置し、羽黒町、立川町、西川町とに境を接している。  地質的には花崗岩、第三紀層を基盤にして、月山中央火山、姥ヶ岳火山、御浜火山、湯殿山火山等々からなる複式火山である。なかでも、月山火山は規模も大きく、1500m以上の東側に火山の原形を残し、緩やかな半月型の優美な姿を形成している。この山姿から臥牛(がぎゆう)山とか犂牛(くろうし)山ともいわれる。  一方、西側は古い爆裂火口壁で、溶岩流と噴出物の重なり合った荒々しい縞模様を望むことができる。  弥陀ヶ原から山頂へと続く表参道の途中に小さな崖が何カ所か見られる。これは、月山火山が間欠的に噴出した溶岩流の末端にあたる所といわれている。8合目の弥陀ヶ原は溶岩台地上の広い湿地帯で、肘折コースの念仏ヶ原とともに高山植物の豊富な所として知られている。  日本海から近いため、冬の季節風は多量の積雪をもたらし、東側に大雪城(おおゆきしろ)をはじめとする雪田や越年雪を残す。月見ヶ原の雪田は、小型のカールのような凹地で、典型的な雪窪地形をなしている。さらに、その内部には、半月形の月食堤や階段状砂礫といった氷河周辺に発達する地形が見られる。そして、この雪が亜高山針葉樹林を極度に貧弱にしてきた。東北という位置もさることながら、月山の多雪さを物語っている。  山頂の月山神社には、農業の神「月読之命」を祭り、開山は崇峻天皇第一皇子の蜂子皇子とされている。山頂とはいっても目立った頂はなく、ヒナウスユキソウ、クロユリ、ハクサンイチゲ、チングルマなどが咲き誇り、神泉池をのせる広大な高原である。鍛冶小屋跡への下り口の所に松尾芭蕉「雲の峰いくつ崩れて月の山」の句碑が立っている。  7月から8月にかけては、五穀豊穣、家内安全、海上安全を願う白衣に金剛杖の道者で今でも大いに賑わう。登拝路は、八方七口といわれていたが、月山高原ラインの羽黒口、国道112号の六十里越街道からの姥沢口と仙人沢有料道路経由の湯殿山口が整備されている。いずれの登山口からも2~3時間の登高で容易に山頂に立てる。  また、近年のレジャーブームを反映して、4月になると雪に埋まったリフトを掘り起こして、スキー場がオープンする姥ヶ岳南・東斜面や姥沢を中心に夏まで多くのスキーヤーで賑わう。しかし、リフトで運び上げられた人々と、多雪で守られてきた植生のバランスの崩れが年々大きくなっている。

プロフィール

興津 剛(おきつ・つよし)

静岡県静岡市出身。本業は登山隊の隊長。 副業はフォトグラファー、キャニオニングガイド、WEBデザイナー。2011年より山のHP「ビストロきっちょむ登山隊」を運営。最近では登山ツアーや、ポップアップカフェなど、みんなで「ワハハ!」ってできるイベントを定期的に開催中です。山に行かない日はジョギングと水泳をして、ダイエットに励む日々。今年の目標は、あと2kg痩せたい!

今がいい山、棚からひとつかみ

山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。

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