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トレッキングでヨーロッパ各国の最高峰に登ろう! スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、ギリシャ編

世界の山旅・絶景への誘い
ガイド・記録 2018年08月29日

ヨーロッパにある意外な国の意外な最高峰を目指す「ヨーロッパ10サミッター」、今回はスウェーデン、ノルウェー、ポーランド、そしてギリシャの最高峰を紹介。過去2回紹介した山々より、少し難易度の高めだが、登山経験があれば十分に楽しめる山ばかり。いつか行きたい山の1つとしてリストに入れておきたい山ばかりだ。

 

ヨーロッパの名峰と聞けば、マッターホルン(4,478m)やモンブラン(4,810m)などのヨーロッパアルプスを思い浮かべるのが普通でしょう。これらの高峰に登りたいと考えても、雪山の技術はもちろん、スピードも求められるため気軽には登頂でません。

しかし、ヨーロッパの各国の最高峰に登るなら、難易度は一気に下がり、一般的な登山で十分に登れる山ばかりです。ヨーロッパには現在約50の国があり、それぞれの国に最高峰の山はあります。その中から、特別な登山技術を必要としないうえに魅力たっぷりな、おすすめの名山10座を紹介。

★第1回:スペイン、イギリス、アルバニアの最高峰を登る

★第2回:ポルトガル、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリアの最高峰へ

最終回の今回は、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、そしてギリシャの最高峰を紹介します。いずれも個性豊かな名山で、魅力たっぷりです。

 

山頂を氷河におおわれた山、スウェーデン最高峰ケブネカイセ(2097.5m)

ケブネカイセは北緯67.8度の高緯度地域に位置するため、標高2,000m台といえども山頂が氷河におおわれた優美な山です。標高670mのケブネカイセのロッジから標高差約1,430mを1日で登降する、かなり健脚向けの登山となります。

ルートの一部はほぼ平坦な氷河上を歩行し、ワイヤーや鉄製の足場がつけられた岩場を通過します。登山ガイドと登攀用のロープを結ぶハーネスとヘルメット、12本爪のアイゼンが必要となります。

北緯67.8度、北極圏にも近い場所にあるスウェーデンの最高峰

ケブネカイセ周辺には「王様の散歩道(クングスレーデン)」という人気のロングトレイルがあります。北緯66度のヘマヴァンより北極の大地を貫いて北緯68度のアビスコまで全長470Kmに及ぶスウェーデンで最も人気の高いトレッキングコースです。
このトレイルは、スウェーデンで最も美しいと言われる山岳地帯を通ることから、トレイルの王様という意味を込めて「王様の散歩道」と名付けられました。北欧ならではの日差しの差し込みや、のっぺりとした雄大な景観がとても魅力的です。

氷河に覆われた山頂の姿は圧巻の景観です!

 

北欧ならではの氷河地形が美しい! ノルウェー最高峰ガルホピッケン(2,469m)

北欧最高峰のガルホピッケンは周囲3方を大きな氷河に囲まれた雄大な山です。登山は中腹の台地に建つ標高1,841mのユッバス小屋から標高差約630mを登降します。ルートの一部は傾斜の緩い氷河上の雪原を横断します。

ノルウェーの西部、氷河に囲まれた場所にそびえるガルホピッケン

ガルホピッケン周辺には「巨人たちの住みか」と呼ばれるヨートゥンハイメン国立公園の山岳地帯核心部があります。山小屋も点在しており、全長約53Kmを3泊4日かけて歩くことができます。

ノルウェーの山小屋は快適さにおいて定評があり、温水シャワー、乾燥室はもちろん、小屋によってはサウナまで備わっています。

また、北欧は緯度が高いため標高が低いところでも高山植物が見られます。北欧ならではの氷河が作り出した巨大なU字谷地形や、雪や氷河を抱いた山々など北欧の誇る山岳風景を存分に満喫できます。

見下ろす氷河やU字地形は、北欧でしか味わえない山岳風景です

 

圧巻! ここのトイレで用を足すべし。 ポーランド最高峰リシイ山(2,499m)

ポーランドはヨーロッパの中央に位置する、国土面積は日本の4/5程度の国です。国土の大部分は平坦な地形で山は少ない国ですが、スロバキアと国境を接する南側に東西にタトラ山脈が連なり、ここにポーランド最高峰リシイ山が聳えています。

リシイ山へのアプローチは麓に位置する、世界的にも有名な高原リゾートのザコパネからも可能ですが、荒々しい岩峰群の急峻なルートとなります。そのためスロバキア側からの容易なルートから登るのが一般的です。

スロバキアとの国境にあるリシイ山、アクセスはスロバキアからが容易だ

ルートは麓のロッジから日帰りで標高差約1,000mを往復します。景観は日本の北アルプスを彷彿させるような岩峰が展開し、気持ちの良い山歩きを堪能することができます。

ルート上に日帰り登山客用の山小屋が1件ありますが、ここのトイレは圧巻です。崖に突き出すように建っているうえに、一方向がスケルトンになっているため、絶景を眺めながら用を足すことができます。

山頂部は双児峰になっていて、どちらの頂にも立つことができますが、岩場の山頂ですので注意が必要です。

ポーランドは山以外にも世界遺産の首都ワルシャワや、クラクフ、アウシュビッツなど世界的な観光地が点在しています。合わせて訪れてみるのも面白いでしょう。

気持ちの良い山歩きと圧巻の景観を楽しめるポーランド最高峰のリシイ山

 

厳しい岩場が連続する先にある神々の住まう山 ギリシア最高峰オリンポス山(2,917m)

ギリシア神話において、ゼウスやアポロン、ポセイドンなどオリュンポス十二神が山頂に住まうといわれるギリシャの最高峰オリンポス山(2,917m)。バルカン半島ではブルガリアの最高峰ムサラ山(前回の連載で紹介)についで2番目に高い山ですが、歴史的背景や地理的要素も含め知名度はオリンポス山のほうが圧倒的に高く、世界中からトレッカーが訪れている名山です。

山はいくつかのピークから構成され、最高点はミティカス・ピークで、登山の際には厳しい岩場が連続します。

オリンポス山の場所。登山と併せて、世界複合遺産のメテオラにも訪れたい

山中には麓から標高差約1,000m登った場所にスピリオス・アガピストス小屋という有名な山小屋があり、登山者の多くはここに泊まり、周辺のピークにアプローチするのが一般的です。

周辺には世界複合遺産メテオラの修道院があります。メテオラはギリシア語で「宙に浮く」という意味の「メテオロス」に由来し、その名の通り、天空に浮かび上がったかのような修道院に現在もギリシア正教を信仰する50人あまりの修道士・修道女が暮らしています。

ギリシアは南部のエーゲ海のイメージが先行しますが、北部から中央部にかけてのエリアもおすすめです。

世界のトレッカーが集まる、神々の住まう山・オリンポス山
海外
教えてくれた人

寺井 信之

アルパインツアーサービス株式会社/本社営業部
30歳で大手旅行会社より登山・トレッキング専門の同社へ。体育会系でならした体力を活かし年間100日以上ツアーリーダーとして世界の山旅を案内している。
現在は各国最高峰を中心に世界中の山を担当。公私ともに「山」が中心とした生活を送る。趣味は銭湯めぐりで都内を中心に200以上の銭湯を制覇している。

アルパインツアーサービス株式会社

マッターホルン北壁の日本人初登攀を成し遂げた芳野満彦(アルパインツアー元会長)が、1969年に日本で初めてヨーロッパ・アルプスへのハイキング・ツアーを実施して以来、約半世紀にわたり、世界中の山岳辺境地の山旅を企画、実施してきた。「トレッキング」という言葉を日本に定着させた、世界の山旅のパイオニア的存在。

⇒アルパインツアーサービス

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