このエントリーをはてなブックマークに追加

ヨルダン・トレイルを歩こう! アラビアのロレンスに想いを馳せ、死海に浮かぶ注目のトレイル

世界の山旅・絶景への誘い
ガイド・記録 2020年02月14日

「ヨルダン」と聞いて、どんなことを思い浮かべるだろうか? どんな場所にあり、どんな文化の国なのか、おおよその知識も含めて、多くの人があまり知識がないだろう。実はヨルダンには、世界中のトレッカーが注目するロングトレイルが整備されている。

 

ヨルダンは人口約1,000万人、国土面積は日本の1/4程度の国で中東圏に位置するアラブ国家です。イラクやパレスチナ、シリアなどの国々と国境を接するため、遠く離れた国に暮らす私たち日本人にはどうしても「アラブ=危険」というイメージが付きまとってしまいがちですが、ヨルダンは治安が安定しています。

そんなヨルダンは、国家プロジェクトとして2015年に国内を縦断する「ヨルダン・トレイル」を完成させました。南北全長600kmに渡り延びるロングトレイルで、世界中のトレッカーから注目を浴びています。今回は、そんなヨルダン・トレイルのハイライト部分を紹介したいと思います。

ヨルダンを南北に縦断する「キングスウェイ(王の道)」沿いに新たに開かれたヨルダン・トレイルのうち、今回紹介するのはこのハイライト部分、ダナ自然保護区からペトラ遺跡、そして世界遺産のワディラム砂漠、ヨルダンの最高峰ウンム・アッダーミ(1,854m)へと進むコースです。

スタートはダナ溪谷の縁に立つ雰囲気のあるダナ村からとなります。ダナ自然保護区には「世界のエコロッジBEST50」にも選出されたフェイナン・ロッジがあります。ヨルダンの自然景観に合った外観で、付近で暮らす地元民によって営業され、彼ら収入の糧にもなっています。このロッジには電気はなく、灯りはキャンドルのみです。夜は静寂な雰囲気に包まれます。その体験は今まで経験したことのないような貴重なものになると思います。

フェイナン・エコロッジ。夜はキャンドルのみで照らされる、静寂のロッジだ
 

フェイナン・ロッジへと続くヨルダン・トレイルの様子。ダナ自然保護区を下っていく


ここから南下するとヨルダン屈指の世界遺産ペトラ遺跡を要するエリアへと入ります。リトル・ペトラから一面茶色の世界が広がる中を歩き、最上部のエド・ディル神殿が視界の前に現れる瞬間は息を呑むほどです。

トレイルの途中に、突如現れるエド・ディル神殿の神秘的な姿


さらに南下すると南部のワディ・ラムと呼ばれる砂漠のエリアとなります。ワディ・ラムは世界遺産にもなっている場所で、映画「アラビアのロレンス」の撮影舞台としても知られており、随所にロレンスの痕跡が残っています。

一面の砂漠に大岩が点在しており、そのうちの1つがヨルダンの最高峰ウンム・アッダーミ(1,854m)です。大岩といっても、その規模はもはや山で、登頂までに2時間ほどかかります。急斜面を登り、山頂に立つと周囲の景観はまるで火星のようです。

ウンム・アッダーミ山頂へと登る。背後に広がる砂漠がワディ・ラムだ
 

ウンム・アッダーミ山頂で記念撮影。広い砂漠を見下ろす絶景は、ここでしか味わえない


また、ワディ・ラム周辺にはグランピング・キャンプサイトが点在します。テント内にはベッドの他、トイレやシャワーまで備え付けられており、地面を掘って地中で食材を蒸す伝統的な料理なども振舞われ、至福の時間を過ごすことができます。

ワディ・ラムのキャンプサイトは、まるで「アラビアンナイト」の物語に出てきそうな雰囲気だ


その他にもヨルダンは世界に誇る観光地があります。それは世界最低標高に位置する「死海」です。標高はなんと-430m! 死海が近づくにつれ、気温も上昇していきます。この周囲には5ツ星ホテルが点在し、旅の終盤には優雅にホテルライフと死海の浮遊体験を楽しむことができます。

★ヨルダン・トレイル・トレッキングと最高峰ウンム・アッダーミ登頂

ヨルダンは観光設備が整っており、日本とはかけ離れた自然景観を持ち、親日家も多くおすすめです。ぜひ皆さんも訪れてみてください。

旅のフィナーレとなる死海では、豪華なリゾートホテルはいかが?

 

海外 ガイド 歴史・文化
教えてくれた人

寺井 信之

アルパインツアーサービス株式会社/本社営業部
30歳で大手旅行会社より登山・トレッキング専門の同社へ。体育会系でならした体力を活かし年間100日以上ツアーリーダーとして世界の山旅を案内している。
現在は各国最高峰を中心に世界中の山を担当。公私ともに「山」が中心とした生活を送る。趣味は銭湯めぐりで都内を中心に200以上の銭湯を制覇している。

アルパインツアーサービス株式会社

マッターホルン北壁の日本人初登攀を成し遂げた芳野満彦(アルパインツアー元会長)が、1969年に日本で初めてヨーロッパ・アルプスへのハイキング・ツアーを実施して以来、約半世紀にわたり、世界中の山岳辺境地の山旅を企画、実施してきた。「トレッキング」という言葉を日本に定着させた、世界の山旅のパイオニア的存在。

⇒アルパインツアーサービス

同じテーマの記事
ラグビーロスなあなたへ――、ラグビー強豪3ヶ国の魅力的な山に行ってみよう!
ラグビーが盛んな国々は南半球に多いが、日本が冬に季節となる時期がトレッキングのベストシーズン。「ラグビーロス」となっている人は、現地でのラグビー観戦&トレッキングを楽しんでみてはいかがだろうか。
寒い日本を離れて、もっと寒い極北の大地カナダ・ユーコン準州で自然の神秘、オーロラに出会おう!
一生に一度は見ておきたい絶景に、皆さんは何を挙げますか? 上位に挙がるものの1つが「オーロラ」。自然の神秘・オーロラは、いつ・どこに行けば良いのか? 山好きの人にオススメなのが、カナダ・ユーコン準州です。
エベレストを見に行こう! ヒマラヤの山々を眺めながら歩くエベレスト街道に流れる時間
世界最高峰の山エベレストに登るのは簡単ではないが、その頂を眺めることは難しくはない。展望台のシャンボチェへは日本から帰路も含めて10日ほど。そこには素晴らしい絶景と、何か懐かしさを憶えるネパール独特の時間が待っている。
“休日の島”と呼ばれるオーストラリア・タスマニア島。最深部を貫くオーバーランド・トラックを縦断
オーストラリアの南に浮かぶタスマニア島は、「タスマニア原生地域」として世界遺産に指定される。広大な大自然が手付かずのまま残された島の最深部を貫くオーバーランド・トラック、その魅力をダイジェストで紹介する。
記事一覧 ≫
最新の記事
記事一覧 ≫
こんにちは、ゲストさん
◆東京の天気予報[山域を変更]
明日

曇時々晴
明後日

曇時々晴
(日本気象協会提供:2020年4月6日 11時00分発表)
[ログイン]
ユーザ登録・ログインすることで、山頂天気予報を見たり、登山履歴を登録・整理・分析して、確認できます。
NEW グレゴリーの中・大型ザック「スタウト&アンバー」モニター募集!
グレゴリーの中・大型ザック「スタウト&アンバー」モニター募集! 背面長が無段階に調整できる「スタウト&アンバー」がアップデートにより快適性が向上!モニター4名を募集します
NEW 好日山荘で聞いた! グレゴリーバックパックの選びかた
好日山荘で聞いた! グレゴリーバックパックの選びかた 銀座 好日山荘のスタッフに、グレゴリーの登山用ザックについて、それぞれの特徴を聞きました。ザック選びの参考に!
NEW 新しい「トレントシェル」をフィールドテスト
新しい「トレントシェル」をフィールドテスト パタゴニアの定番レインウェア「トレントシェル」が、3層生地で耐久性アップ! 山岳ガイド佐藤勇介さんがフィールドでテスト
NEW マウンテンハードウェアの最新ウェアを試す!
マウンテンハードウェアの最新ウェアを試す! 高橋庄太郎さんの「山MONO語り」。今回はアクティブインサレーション「コアシラスハイブリッドフーディ」をレポート
NEW 海を渡り、山に登ろう。いざ、島の山へ
海を渡り、山に登ろう。いざ、島の山へ 全国各地の島の山から6山を厳選して紹介! いざ、海を渡り、山へ。
登山は「下山」してからが楽しい!?
登山は「下山」してからが楽しい!? 登山後、すなわち下山後の楽しみの1つが山麓グルメ。ご当地名物料理から、鄙びた食堂の普通の料理まで、その楽しみ方を指南!
安全登山に向けて、これからの登山情報収集術
安全登山に向けて、これからの登山情報収集術 ITジャーナリスト、山岳ガイド、書籍の著者の方々に話を聞きながら、安全に山を登るための情報収集の方法について、改めて考え...
サクラ咲く山で花見登山! オススメ桜の名所の山
サクラ咲く山で花見登山! オススメ桜の名所の山 街でサクラが散るころに始まるサクラの花見登山。山の斜面をピンク色に染める、桜の名所の登山ポイントを紹介
花の季節の前奏曲、カタクリの花が咲く山へ
花の季節の前奏曲、カタクリの花が咲く山へ 種から7年目でようやく花咲く、春を告げる山の妖精――。ひたむきで美しいカタクリの群落がある山を紹介!
何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山
何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山 のどかな里山を囲むように山々が連なる、埼玉県南西部・秩父・奥武蔵の山々。
春、花に会いに低山へでかけませんか?
春、花に会いに低山へでかけませんか? 暖かくなって、春の芽吹きが始まります。風のさわやかな低山を歩き、春を感じてみましょう。春を告げる花があなたを待っています...
春~初夏にツツジがキレイな山
春~初夏にツツジがキレイな山 花数が多いうえに花も大振りで存在感がある山、ツツジ。一斉に咲くと、ピンク、赤紫、白などの色が山の斜面を染める。