子供の「登山靴」選びは何を基準にすればいい? 4歳の娘と富士登山に行ってわかったこと・感じたこと

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子供は何歳から登山できるのだろうか? 例えば、日本一の富士山なら――。「いきいき登山ガイド・ヤッホー!! さん」こと芳須勲ガイドが、この夏、4歳の娘と富士登山に挑戦。経験談から子供と登山を振り返る。今回は、子供の登山靴選びと装備の工夫について考える

 

2018年夏、4歳の娘と剣ヶ峰に立ち、無事下山できました。一度も抱っこなどせず、すべて自分の足で、笑顔のまま登りきった娘の姿。私にとって、生涯忘れることのできない「最高の思い出」となりました。

登山ガイド・健康運動指導士の目線から見ても、さまざまな面でたくさんの発見がありました。その経験をここでは説明してきますが、いつか親子で富士登山にチャレンジしたいという方は、ご参考にして頂ければと思います。

今回は子供の登山靴選び編です。

★前回記事:子供は何歳から富士山に登れる? 4歳の娘と富士登山に行ってわかったこと

 

登山靴にするか運動靴にするか

うちの娘の足のサイズは16.5cm。このサイズであれば、いくつかのメーカーで登山靴を販売しているようですが、今回の富士登山は、あえて運動靴を使うことにしました。

この理由は、娘は足首が柔らかく、しなやかに歩くことができるので、わざわざ重く硬い登山靴を履いて、子供本来のしなやかな動きを邪魔しない方がよいと考えたからです。

運動靴であれば普段から履き慣らしておくことができるので、山で靴擦れなどをおこす心配もありません。また、子供の足はすぐにサイズアウトしてしまうので、簡単に買い換えられる運動靴の方がよいと考えました。

まずは、子供靴専門のシューフィッターさんがいる靴屋さんに行き、しっかりと足の形を測定していただき、娘の足に一番フィットする運動靴を購入しました。

 

運動靴で富士登山をする場合の問題

富士山では細かい石や砂が多いので、すぐ靴の中に入ってしまい、痛くて登れなくなります。そのため通常は、下の写真のように、登山靴+ゲイター(スパッツ)をつけて、砂の侵入を防ぎます。

運動靴では簡単に砂が入ってしまうので、ゲイターに代わるものが必要です。そこで、「芋掘り体験」などでおなじみ、靴の上から親の靴下を履くという作戦をとってみました。

この作戦は大成功!! まったく小石が入ることなく、快適に登れたようです。

しかし、半日くらい歩くとボロボロに破れてきます。替えの靴下を2~3足は用意しておく必要があります。それでも使い古しの親の靴下なので、ゲイターを購入するより安く済みます。

 

運動靴で雨は大丈夫なのか?

これが一番の問題でした。もともと、娘に最高の思い出を作ってあげたかったので、「絶対に雨の降る日には登らない」と決めていました(雨が降ってしまうと景色も見られず、4歳にとって、ただの苦行になってしまいます)。

そのため、何日も予備日を考え、雨の降りそうにない日を選んで登ったので、一度も雨に降られずに済みました。それでも万が一雨に降られた時を考え、靴の上にかぶせるシューズカバーを持っていきました。

結局、雨に降られなかったので使用していませんが、靴下と同じように半日も歩けばボロボロになってしまうのではないかと思います。

 

今回は、4歳の娘のために、以上のことを考えて運動靴にしましたが、小学生になってから登るのであれば、しっかりと防水加工された登山靴+ゲイターのほうが無難ではないかと思います。安全で楽しい思い出を作ってください。

次回は子供の「練習登山」について、書きたいと思います。

 

※本記事は、いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。の「山ごはん」のブログより、許可を得て転載(一部編集)させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、こちらからご確認ください。

 

プロフィール

いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん

本名:芳須勲。横浜市金沢区在住。管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ち、中高年登山者の健康づくりを、栄養と運動の両面からサポート。
山ごはん・アウトドア料理を得意とし、災害時における野外炊飯法などの講習会も各地で行なっている。
著書に山登りABC「登山ボディのつくり方」(山と溪谷社)、山登りABC「もっと登れる山の食料計画」(山と溪谷社)など。
⇒ホームページInstagram

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