このエントリーをはてなブックマークに追加

雪山に持っていく水の量は? 雪山での水分補給を考える

山の疑問・難問、山岳ガイドが答えます!
道具・装備 2019年01月14日
雪山へ持っていく水の量

質問:今月、はじめて雪山登山へ連れて行ってもらいます。雪山に持っていく水の量って、何を基準にどれくらい用意したらいいですか?

 

意識的に水分を摂取しよう

どんな雪山に登るか・・・によって、状況は大きく変わりますが、夏と違って大量に発汗することは少ないので、“喉の渇きに応じて飲む”だけなら夏山より遥かに水分補給の量は減るはずです。

ただ、意識的に水分を補給しないと血液の濃度が濃くなることもあります。血流が悪くなり手足の先が冷えやすく凍傷になる可能性が高まること、また、血栓ができやすくなることを忘れないでください。基礎代謝に必要な水分も考えて、休憩の時、泊りであれば朝晩の食事時などは意識的に水分を摂るようにしたいものです。

 

携帯用の水(お湯)は保温ポットで

雪山の場合、気温が氷点下になる場合が多く、ペットボトルやプラティパスなどで長時間“水”を持ち歩くことは難しいです。ザックの外にぶら下げるなどするとたちまち凍ってしまいます。テルモスなどの保温ポットで携帯する必要があり、保温ポットでも必ずザックの中に入れるべきです。僕の場合、テルモスに古靴下を被せて保温性を高め、ザック内にしまっています。水の量の目安としては、行動中の飲料用として1日700ml以上は持ちたいです。

 

夏の水場は凍結しているケースが多い

水場は、大きな谷などであれば使えるでしょうが、夏でも水量の少ない水場は寒気の強い雪山では多くが凍結し、利用できない場合がほとんどです。通年営業の山小屋では水(お湯)を有料で分けてもらえます。テント泊の場合は、飲料用の他に炊事に使う水も含めて、一般的には雪を融かして使うことになります。コンロ、コッフェルの準備の他に、想像以上に燃料も消費することをお忘れなく。

テント泊では、朝夕の食事用、お茶などの飲料用、翌日の行動用など、一人あたり2.5L程度は水が必要。雪を融かすのも大変な仕事

 

料理・食料 雪山・冬山
教えてくれた人

山田 哲哉

1954 年東京都生まれ。小学5年より、奥多摩、大菩薩、奥秩父を中心に、登山を続け、専業の山岳ガイドとして活動。現在は山岳ガイド「風の谷」主宰。海外登山の経験も豊富。著書に、登山技術全書「縦走登山」(山と溪谷社)ほか、「奥秩父、山、谷、峠そして人」(東京新聞出版局)など多数。
 ⇒山岳ガイド「風の谷」
 ⇒質問・お悩みはこちらから

同じテーマの記事
登山用のファーストエイドキット。汎用性のある道具を使いこなして軽量に
ファーストエイドキット、あれもこれも必要と詰め込んでいませんか? 山でのトラブルを色々頭に思い浮かべると、持ち物が増えてしまうのはわかりますが、持ち物を減らすのも登山技術。今回は、山岳ガイドの山田さんにファーストエイドキットについて聞きました。
かつては山小屋に予約は不要だった!? 山小屋のキャンセル問題について考える
今年は雨続きで山小屋の宿泊予約のキャンセルが頻発して困っているということが話題に。やむを得ない登山中止も理解できる一方で、山小屋の立場からみるとダメージが多い、この問題。どう考えたらよいでしょうか?
行きたくなったら、また、行けば良い――。登山に飽きたことってありますか?
近郊の山だと景色などに物足りなさを感じたことはありますか? また、登山に飽きたことはあります? 少し聞きづらい、そんな質問を山岳ガイドの山田さんに問いかけてみました。
奥多摩・奥秩父のメインルートを歩き尽くした登山者向け。山田哲哉ガイドのオススメ実線ルートを紹介
奥多摩・奥秩父のメインルートを歩き尽くした登山者へ向けて、計画を立てることの楽しさ、また、具体的にオススメの実線ルートを山岳ガイド山田哲哉さんに紹介いただく。
記事一覧 ≫
最新の記事
記事一覧 ≫
こんにちは、ゲストさん
◆東京の天気予報[山域を変更]
明日

曇一時雨
明後日

曇時々雨
(日本気象協会提供:2019年10月16日 17時00分発表)
[ログイン]
ユーザ登録・ログインすることで、山頂天気予報を見たり、登山履歴を登録・整理・分析して、確認できます。
NEW 濡れに強い! ファイントラックの中間着が最新版に
濡れに強い! ファイントラックの中間着が最新版に 独自のシート状素材を採用した中間着「ポリゴン2UL」を、ライターの森山憲一さんが北八ヶ岳で試す!
NEW ザ・ノース・フェイスが開発! 新しい防水透湿素材
ザ・ノース・フェイスが開発! 新しい防水透湿素材 ザ・ノース・フェイスが開発した全く新しい防水透湿素材「FUTURE LIGHT」。開発ストーリーと搭載アイテムを公開!
NEW 小林千穂さんも体感! ヒザ、腰を守るサポーター
小林千穂さんも体感! ヒザ、腰を守るサポーター 「ザムスト」のサポーターを山岳ライターの小林千穂さんと読者が体感! 登山愛好者の膝、腰のサポートに!
NEW ガイドが試した こだわりのトレッキングハット
ガイドが試した こだわりのトレッキングハット 女性のためのトレッキングハット「アルピア」。視野の広さ、収納性など、女性登山ガイドの菅野由起子さんがチェック!
NEW ショップ店員に聞く! ゴアテックス製品の優位性
ショップ店員に聞く! ゴアテックス製品の優位性 防水透湿性能、防風性などゴアテックス製品の優位性を、ザ・ノース・フェイス マウンテンの副店長、芹澤さんに聞きました
NEW LEKIのポールをチェック! 「山MONO語り」
LEKIのポールをチェック! 「山MONO語り」 高橋庄太郎さんの連載では、レキ「マイクロバリオTAコンパクト」を、南ア・光岳でテスト。重量バランスよく、使い勝手がいい!
令和の秋、紅葉登山の季節が到来!
令和の秋、紅葉登山の季節が到来! 秋の足音が少しずつ聞こえてきました。いよいよ山が最も色づく、紅葉シーズンの到来!
秋の幕開けに訪れたい草紅葉の山
秋の幕開けに訪れたい草紅葉の山 紅葉の先陣を切るのが草紅葉(くさもみじ)。秋の幕開けに訪れたい、湿原を歩くモデルコースを6つ紹介する。
秋の贅沢、秘湯+紅葉の山旅へ
秋の贅沢、秘湯+紅葉の山旅へ 温泉で山歩きの疲れをほぐし、山の幸を堪能する。日本の秋を満喫する至高の組み合わせに誘うコース七選
ロープウェイで登れる百名山
ロープウェイで登れる百名山 ロープウェイやリフトなどを使って、一気に標高を稼げる百名山はいくつあるかご存知?
東京都最高峰、雲取山に登ろう!
東京都最高峰、雲取山に登ろう! 標高は2017m、日本百名山の一座として知られています。はじめての山中泊、はじめての縦走登山などにも適した山です。
何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山
何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山 のどかな里山を囲むように山々が連なる、埼玉県南西部・秩父・奥武蔵の山々。秋の紅葉シーズンは、とく魅力がタップリ!
王道の北アルプス縦走コースを歩こう
王道の北アルプス縦走コースを歩こう 森林限界を越えた稜線に、果てしなく続く縦走路。稜線歩きの醍醐味を思う存分楽しめる、北アルプスの縦走コースを紹介。
名峰・那須岳登山へ! 個性豊かでダイナミック
名峰・那須岳登山へ! 個性豊かでダイナミック 活火山の茶臼岳、峻険な朝日岳、最高峰の三本槍岳ほか、花畑の稜線や温泉など魅力満載の那須連峰。ほかにも湿原・お花畑・温泉と...
山で便利・安心! 登山用アプリ&GPS
山で便利・安心! 登山用アプリ&GPS スマートフォンの普及で高価で手の届かなかったGPS機器が誰でも使える! 初心者向けのノウハウから裏技まで、登山アプリとス...
ツラく、キツく、長い急登の登山道を制す
ツラく、キツく、長い急登の登山道を制す 長い急登を汗水流し、気合と根性を振り絞って、延々と登った先にある素晴らしい景色と充実感を味わいたいなら、ココに決まり!