このエントリーをはてなブックマークに追加

呼吸筋のリセットで体幹を安定させて、疲れ知らずのボディをつくろう!

登山ボディをリセット&メンテナンス!
登山技術 2019年02月12日

呼吸には「腹式呼吸」と「胸式呼吸」の2種類があるのをご存じだろうか。意識的に呼吸を整えれば、体幹を整え、姿勢を整えるということにつながり、ケガの予防や疲労の軽減も期待できるという。今回はより深い「深呼吸」を意識する方法を伝授する。

 

ふだん何気なく行っている呼吸は、肺が自らの力で膨らんだり縮んだりするのではなく、周りにある筋肉の活動よって行われています。

呼吸にかかわる筋肉(呼吸筋)はたくさん存在しますが、代表的な筋肉が「横隔膜」と「外肋間筋」です。横隔膜は名称に“膜”とありますが、れっきとした筋肉です。胸郭の下部にあるドーム型の筋肉で、収縮すると胸腔を広げて空気を取り込み、弛緩すると胸腔が狭まり、空気が排出されます。これを一般的に腹式呼吸と呼んでいます。

外肋間筋は、肋骨の間にある筋肉で、収縮すると肋骨を挙上して胸郭を広げます。これによって胸腔が広がり空気を取り込みます。外肋間筋が弛緩すると胸郭が狭まり、空気が排出されます。これが胸式呼吸と呼ばれています。

通常の呼吸では腹式、胸式どちらも使われている 画像素材:PIXTA


実際の呼吸では、腹式、胸式どちらか一方を使っているのではなく、併用して呼吸をしています(安静無意識の状態では腹式7割、胸式3割程度の割合で呼吸しています)。無意識の呼吸の場合、息を吸うときには上記の筋肉を使いますが、吐くときは筋肉を緩めるだけで呼気が外に出ていくため、いずれの筋肉も働いていません。

これに対し、意識して息を吐くときには「腹横筋」や「内肋間筋」といった筋肉が働きます。なかでも腹横筋は重要で、お腹のわきにあるコルセットのような筋肉です。

お腹のわきにあるコルセットのような筋肉が「腹横筋」 画像素材:PIXTA


意識して息を吐くことで腹横筋が収縮してコルセットが固定されるため、体幹を安定させることができます。よく「運動時の呼吸は、吐くことを意識せよ。」といわれるのは、速やかに呼気を排出することと、体幹を安定させること、2つの意味を持っているからです。

 

日常生活で、あまり運動をしなかったり、意識した深呼吸をしなかったりすると、呼吸筋の動きが悪くなってしまうため、いざ登山をした時にも息苦しさを感じやすくなります。また、呼吸を整えるということは体幹を整え、姿勢を整えるということにつながるので、ケガの予防や疲労の軽減も期待できます。

今回は日常生活で浅くなってしまった呼吸を3STEPでリセットして、横隔膜や腹横筋を強化させるような、より深い「深呼吸」を意識してみましょう。

 

【STEP1】腹式呼吸を意識する

膝を立て、仰向けに寝ます。

お腹に手を当てます。

ゆっくり大きく鼻から息を吸って、お腹を膨らませます。

ゆっくり大きく口から息を吐いて、お腹をへこまします。

これを3回繰り返します。

 

【STEP2】胸式呼吸を意識する

膝を立て、仰向けに寝ます。

みぞおち横の肋骨に手を当てます。

ゆっくり大きく鼻から息を吸って、胸郭を開きます。

ゆっくり大きく口から息を吐いて、胸郭を狭めます。

これを3回繰り返します。

 

【STEP3】腹式呼吸、胸式呼吸どちらも使って深呼吸をする

腹式呼吸、胸式呼吸を意識できるようになったら、今度は両方をつかって深呼吸してみましょう。胸郭もお腹も膨らませながら大きく息を吸い、胸郭もお腹もへこましながら大きく息を吐きます。これも3回繰り返します。慣れてきたら、立った状態、座った状態で行っても大丈夫です。また吐くときに口をすぼめるとより抵抗が加わるため、腹横筋に意識がしやすくなります。

呼吸は腹式、胸式、どちらが正しいというものではありません。併用して、たくさんの呼吸筋を動員させて、活性化させましょう。

日頃から呼吸筋を意識して歩くことで、体幹が強化され、登山の時に安定した姿勢で歩くことが出来るようになります。

登山ボディをリセット&メンテナンスして、次回も安全登山を心がけましょう。

ボディケア トレーニング
教えてくれた人

いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん

本名:芳須勲。横浜市金沢区在住。管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ち、中高年登山者の健康づくりを、栄養と運動の両面からサポート。
山ごはん・アウトドア料理を得意とし、災害時における野外炊飯法などの講習会も各地で行なっている。
著書:山登ABC「登山ボディのつくり方」(山と溪谷社)、山登りABC「もっと登れる山の食料計画」(山と溪谷社)など。
⇒ホームページ

同じテーマの記事
歩き方のクセは、足の裏から改善できる。足の裏をリセットしてケガや転倒を防ごう!
登山で使う身体と聞くと、脚ばかり注目されがちだが、「足」「足裏」も重要な役割を担っている。そこで今回は視点を変えて、「足底のリセット」について説明する。
「どっこいしょ」の筋肉を上手に意識できれば、山登りはもっと楽になる!
次の登山までにやっておきたい「登山ボディのリセット&メンテナンス術」。今回は筋肉への意識をリセットするエクササイズ「バックキック」を紹介。お尻の筋肉を意識できれば、太ももの負担を少なくした登り方となるのです。
なんとなく腰や膝に不安という登山者必見! 「おしり歩き」で骨盤回りの動きをスムーズにして歪みを解消
次の登山までにやっておきたい「登山ボディのリセット&メンテナンス術」。腰・膝が何か調子が悪いという人は、骨盤回りの歪みを解消させる「おしり歩き」が効果的です。
登山の疲れがなかなか取れない人は、歩き方をリセットしてダイナミックに歩いてみよう。
次の登山までにやっておきたい「登山ボディのリセット&メンテナンス術」を登山ガイドのヤッホー!! さんが伝授。第1回は「歩き方のリセット」です。体中の筋肉をほぐしていけば、さまざまな怪我の予防につながります。
記事一覧 ≫
最新の記事
記事一覧 ≫
こんにちは、ゲストさん
◆東京の天気予報[山域を変更]
明日

明後日

曇一時雨
(日本気象協会提供:2019年2月20日 17時00分発表)
[ログイン]
ユーザ登録・ログインすることで、山頂天気予報を見たり、登山履歴を登録・整理・分析して、確認できます。
NEW 電池持ちが向上! カシオのスマートウォッチ
電池持ちが向上! カシオのスマートウォッチ カシオ「PROTREK Smart」の最新版が登場! 電池持ちを向上させるモードで2泊3日の登山にも対応。詳しくはこちら...
NEW あなたの意見を大雪山国立公園の運営に!
あなたの意見を大雪山国立公園の運営に! 北海道・大雪山での協力金に関する意識調査アンケートにご協力ください。行ったことのない人も、ぜひご参加を!
NEW 極寒の北横岳で厚手ダウンジャケットを試す
極寒の北横岳で厚手ダウンジャケットを試す 山岳ライター高橋庄太郎さんの「山MONO語り」。体感気温-20℃、ハードシェルを備えたダウンジャケットは果たして…。
NEW 特集 スノーシューで雪山を楽しもう!
特集 スノーシューで雪山を楽しもう! 冬到来、雪の山をスノーシューで楽しんでみては? スノーシュー体験ルポや、エリアガイド、スノーシューツアーも紹介!
NEW 紅葉写真コンテスト結果発表!
紅葉写真コンテスト結果発表! 皆さんから投稿いただいた、紅葉写真コンテスト、いよいよ結果発表! 美しい秋の山の風景をご堪能あれ!
NEW 何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山
何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山 のどかな里山を囲むように山々が連なる、埼玉県南西部・秩父・奥武蔵の山々。冬から春は、とく魅力がタップリ!
梅の香りの漂う早春の山への誘い
梅の香りの漂う早春の山への誘い 寒空にほんのりと漂う梅の花の香りは、五感で春を感じさせてくれる。今こそ梅の香りの漂う山へ――
冬でも歩けるアルプス! 全国のアルプスファンへ
冬でも歩けるアルプス! 全国のアルプスファンへ 日本全国にはその数は50以上あるともいわれる「ご当地アルプス」。本場を彷彿とさせる!?
2019年に登るべき山、大集合!
2019年に登るべき山、大集合! 新元号が始まる2019年、今年はどんな山に登ろうかと計画している人――、標高の山、干支「猪」の山など大集合!
気軽に楽しめるけど、意外と手強い筑波山
気軽に楽しめるけど、意外と手強い筑波山 「東の筑波、西の富士」と称えられる茨城のシンボル、筑波山。春夏秋冬・東西南北、いつでも・どこからでも楽しめる山。
冬だ! 富士山の見える山へ行こう!
冬だ! 富士山の見える山へ行こう! 日本一の山・富士山は、空気の澄んだ冬はとくに美しい。西は和歌山から北は福島まで――、富士山の見える山を目指してみては?
冬季営業の山小屋をご紹介!
冬季営業の山小屋をご紹介! 冬季の山小屋営業情報をピックアップ! 冬山を楽しみたい登山者のみなさま、ぜひご利用ください!