このエントリーをはてなブックマークに追加

身の丈に合った登山プランを着実に実行するために――、ソロハイクのプランニングTips

From ワンダーフォーゲル編集部
登山技術 2019年10月01日

自由気ままなに1人で山に登るのは、登山の醍醐味のひとつだ。登山計画を1人で計画して、ひとりで歩く。身の丈に合ったプランを着実に実行し、スキルアップしていくためのプランニング術のTipsには、どんなものがあるだろうか。

文/川原真由美 イラスト/武田侑大

 

どの山に、どのルートで登るかを決め、必要な体力と時間をはかり、事前の情報収集を行なう。プランニングの基本はソロでもグループでも同じだ。

ただ、ソロの場合は、途中で道迷いやケガなどのアクシデントが起こったり、計画どおりに進めなかったりした場合、すべて自分で解決しなければならない。大げさかもしれないが、覚悟をもち、リスクを踏まえたプランニングが必要だ。そこで登山ガイドの木元康晴さんに、ソロハイクのためのプランニング術をうかがった。

 

初めてのソロハイク、どう計画する?

初めてのソロハイクは、想像以上に緊張するもの。ハードでチャレンジングなことは避け、リスクを抑えたルートで“ひとりで歩くこと”を経験したい。万が一の場合はサポートを求められるよう登山者が多く、過去に歩いたことがあるルートならなおベター。

分岐が少ない行程で道迷いをふせぎ、ピストンなら状況を把握しやすく、何かあったときに戻りやすい。ソロで歩くことに慣れながら、いろいろな山域、異なる特徴をもったコースを歩いてみることも大切。環境や気象、足元の状態など、多くの経験を積み重ねて、対応力を上げていきたい。

 

机上登山でコースのプロフィールを知る

コースを知るために木元さんが実践しているのが地形図での机上登山。パソコンで1/25000地形図を出力したら、登山地図をベースに歩くコース、ピーク、鞍部、分岐、水場、隣接する沢、コースに合流する尾根などを書き込んでいく。

さらに、ガイドブックやウェブでの下調べで気になった点、たとえば「高度感があって緊張する」「急な登り500m」「水場が涸れている可能性あり」などを加えてカスタマイズ。進めるうちにリスクが浮かび上がり、アクシデント回避にもなる。地図はバックアップを兼ねて紙とスマートフォンの両方を持つようにしよう。

 

登りたい山と体力のバランスを考える

コースの負荷が体力を超えているのは大きなリスク。無理のない計画を立てるために、自分の体力はきちんと把握しておこう。コースタイムに対してどれくらいの比率で歩いているか、標高差100mを登るのに何分かかるか、数値で知っておくと所要時間を推測しやすい。また、定期的に同じコースを歩くことで現状の体力を確認しておくのもいい。

そして、実際の登山で木元さんがすすめるのが心拍計の活用。心拍数が上がりすぎると疲労を早め、ガクッとペースが落ちることがある。行動中の心拍数は220-年齢×0.75の数値以下を目安にしよう。

 

事前の情報収集で、山行をスムーズに

コースの特徴や注意点を詳しく知りたいときは、取材に基づいて、これから登る人のために書かれた登山のガイドブックがおすすめ。ウェブの山行記録も参考になるが、書き手の主観であることを理解しておく。

下山後の交通情報の収集もぬかりなく。季節によってバスの本数が違う、タクシーを呼べないという場合もある。焦りは事故につながるので、慣れないうちは下山後に使えるバスが1本しかないというコースは避けたい。

また、登山口の最寄り駅で買おうと思ったらコンビニがないという例もあるので、行動食や飲料は早めに用意しておこう。

*  *  *

木元さんによるソロハイクのプランニング術は、発売中のワンダーフォーゲル10月号でさらに詳しく解説。特集「ひとりで山へ」では、登山者を惹きつけるソロの魅力と、リスクへの対処法について考察する。

登山計画 単独行
教えてくれた人

ワンダーフォーゲル編集部

剱・穂高ガイドの完全版。憧れの剱・立山連峰へ!
豪雪に削られた急峻な山々はすべての登山者の憧れの地だ。「岩と雪の殿堂」と呼ばれる剱岳は一般登山道最高難度のルートである。
一方、室堂を起点に東にそびえる立山、西に広がる弥陀ヶ原は、ビギナーでもスケールの大きい景観を楽しめるエリアだ。
ビギナーからベテランまで、レベルに合わせて楽しめる、丸ごと一冊剱・立山大特集!
 ⇒詳細はコチラ!
 ⇒Facebook
 ⇒Twitter

同じテーマの記事
すべての登山者が憧れる山・剱岳。その頂を踏むことなく、奥深くへと入り込む静かな縦走路があるのを知っているだろうか
室堂から欅平まで、山の頂を踏むことなく、渓谷を歩き、峠を越える縦走路。「岩と雪の殿堂」を開拓してきたクライマー、大正時代の鉱山労働者、そして戦前の過酷な発電所建設に従事した労働者、さまざまな背景の人々が歩いた道をたどる。
日本山岳史上最大の謎といわれる剱岳初登頂。そのルートの謎に迫る
日本山岳史上最大の謎といわれる剱岳初登頂。誰がどのルートで登ったのかを探検家の高橋大輔さんが、さまざまな角度から解き明かして、気づいたこととは?
立山連峰はなぜ氷河が多いのか? 内蔵助氷河なら、一般登山者も氷河の上を歩ける!
日本にある7つの氷河のうち、5つが立山連峰で発見されている。そもそも氷河とは? なぜ立山連峰に氷河が多いのか? 立山連峰の氷河のヒミツを教えます!
立山三山は2泊3日がおすすめ! 初めての3000m峰の縦走への誘い
北アルプス北部にある立山連峰。アルペンムード漂う3000m峰の山々に、豊富な残雪、色とりどりの高山植物、信仰の歴史、温泉などなど、多彩な魅力があふれている。魅力を思いっきり味わいたいのであれば、2泊3日の行程で計画するのがおすすめだ。
記事一覧 ≫
最新の記事
記事一覧 ≫
こんにちは、ゲストさん
◆東京の天気予報[山域を変更]
明日

曇時々雨
明後日

曇一時雨
(日本気象協会提供:2020年7月6日 17時00分発表)
[ログイン]
ユーザ登録・ログインすることで、山頂天気予報を見たり、登山履歴を登録・整理・分析して、確認できます。
NEW 御嶽山の登山道を守る活動 参加者募集!
御嶽山の登山道を守る活動 参加者募集! 岐阜県で御嶽山の登山道を守る取り組みがスタート。編集長萩原、五の池小屋主人と登る特別企画で参加者を募集!
NEW 雨の季節に。パタゴニア「レインシャドー」が復活
雨の季節に。パタゴニア「レインシャドー」が復活 パタゴニアがレインシェル「レインシャドー」シリーズを一新! リサイクル素材、3層構造のストレッチ生地でより快適に!
NEW 後ろが長い傘をチェック!【山MONO語り】
後ろが長い傘をチェック!【山MONO語り】 高橋庄太郎さんの連載は、ユーロシルムの「後ろが長い軽量傘」を雨の中で。ザックを覆うような構造や使用感のレポート
NEW 山小屋を支援しよう【山小屋エイド基金】
山小屋を支援しよう【山小屋エイド基金】 コロナ禍で営業できない山小屋を支援するため、クラウンドファンディングを立ち上げました。ご協力をお願いします(外部リンク)
萩原編集長のヒマラヤ未踏峰挑戦記
萩原編集長のヒマラヤ未踏峰挑戦記 NHKのTV番組でおなじみ萩原編集長、2013年秋にはネパール・ヒマラヤ未踏峰、「アウトライアー」に総隊長として参加。そ...
山道具の買い方・選び方はプロに訊け
山道具の買い方・選び方はプロに訊け 数ある登山道具の中から、自分にピッタリの用具を選ぶには? 登山用具を知り尽くしたプロショップのスタッフが、そのツボを説明...
梅雨時期こそ登りたい、登るべき山
梅雨時期こそ登りたい、登るべき山 雨降りの中で登山をするのは、やはりオススメできないが、梅雨時の今こそ登りたい山はたくさんある!
登山ボディをしっかり作ってから山へ!
登山ボディをしっかり作ってから山へ! 登山自粛、自宅待機で、すっかり鈍ってしまった身体を、チェック&メンテナンスしたから山へ向かいましょう!
NEW 大自然のダイナミズムに触れる北海道の山
大自然のダイナミズムに触れる北海道の山 北海道の山々から厳選! 踏破したい憧れの名山&コース7選
高山植物の女王・コマクサに会える山へ
高山植物の女王・コマクサに会える山へ ほかの植物が生息できないような砂礫地で、孤高に、可憐な姿を見せるコマクサ。殺風景な風景に力強く咲く「女王」を見られる山へ...
新緑が輝く季節、緑を満喫する山
新緑が輝く季節、緑を満喫する山 山肌の色が枯野色から緑色へと急激に変わる季節。山の緑が最も美しい時期に、緑にこだわって行くのにオススメの山。
レンゲツツジが山肌を彩る季節です
レンゲツツジが山肌を彩る季節です 初夏の時期、山肌を朱色に染めるレンゲツツジ。例年は6月下旬がピークだが、今年は今が最盛期。行くなら今でしょ!