花と新緑を訪ねて。春から登れる百名山【東京周辺】

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登山シーズンが始まる春。高山はまだまだ雪の季節だが、すでに登山適期を迎えている日本百名山もある。雪山登山の経験がなくても今すぐ登れる百名山を紹介しよう。

構成=山と溪谷オンライン、イメージ写真=PIXTA

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大菩薩嶺(だいぼさつれい/山梨県/2057m)。戦前から人気のハイキングの名山

日本百名山では「大菩薩岳」という山名で記載される大菩薩嶺は、昔からハイカーに人気の山で、変化に富んだ山歩きが楽しめる。大菩薩峠からの登りでは富士山や南アルプスの展望がすばらしく、山頂付近の静かな樹林帯もいい。日帰りはもちろん、山小屋に泊まるのもおすすめ。テントサイトもあるので、テント泊デビューにももってこいだ。標高は2000mを超えているが、地形は比較的穏やかで危険箇所が少ないので、ビギナーにも挑戦しやすい山だ。

大菩薩嶺から大菩薩峠へ(写真=O.Y.さん

この山は中里介山(なかざと・かいざん)の未完の長編小説『大菩薩峠』で一躍有名になったが、この作品を読んだ登山者は決して多くないだろう。むしろ、東京から鉄道でアクセスしやすく、登りやすいために人気となったことが、この山の存在を知らしめることになった。深田も日曜朝のハイカーの行列に驚きつつも、思い思いに山に憩うハイカーたちを目にして「底抜けに晴上がった秋天の下に、健康な青春謳歌の風景が展開されていた。もう私の頭から文学的・歴史的回顧など跡形もなく消えて、ただ爽やかな生命の息吹を感じるばかりであった」(『日本百名山』)と大菩薩岳の章を締めくくっている。

大菩薩嶺のバイカオウレン(写真=サンシマさん

行程・コース

最適日数:日帰り 3時間15分
総歩行距離:7,090m /上り標高: 585m 下り標高: 585m
行程:上日川峠(08:00)・・・福ちゃん荘(08:30)・・・大菩薩嶺(09:30)・・・賽ノ河原(10:00)・・・大菩薩峠(10:10)・・・富士見山荘(10:50)・・・福ちゃん荘(10:55)・・・上日川峠(11:15)
高低図
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