錦秋の高原歩きも岩稜歩きも楽しめる剱・立山エリア【紅葉コースガイド2025】

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初心者向きの高原歩きから、剱岳(つるぎだけ)の奥深くに入り込む玄人向きのコースまで、レベルも楽しみもそれぞれな剱・立山(たてやま)エリアの紅葉おすすめコースを写真家・星野秀樹さんが紹介。

文・写真=星野秀樹

目次

秋色に染まった急峻な尾根から剱岳へ 剱岳(つるぎだけ)

北アルプス/2999m
 9月中旬〜10月上旬

紅葉進む早月尾根2450m付近
紅葉進む早月尾根2450m付近

剱岳西面の早月(はやつき)尾根は、標高2200m付近の早月小屋を境に、前半はタテヤマスギやブナが茂る森林帯、後半は獅子頭(ししがしら)やカニのハサミなど急峻な岩場で構成された岩稜帯からなる。登山口から頂上まで標高差2200mを超える急登の尾根として知られるが、近年は日帰りで往復する登山者も少なくない。

この早月尾根で紅葉が美しいのは早月小屋より上部。2450m付近からは展望が開け、尾根山腹のダケカンバと険しい岩稜とのコントラストが美しい。森林限界から上ではルート上を彩るチングルマなどの草もみじが目を楽しませてくれる。

剱岳山頂から立山方面を望む
剱岳山頂から立山方面を望む
紅葉に囲まれた早月小屋
紅葉に囲まれた早月小屋

MAP&DATA

高低図
最適日数:1泊2日
コースタイム: 【1日目】5時間10分
【2日目】9時間10分
行程:馬場島・・・松尾奥ノ平・・・三角点・・・早月小屋・・・剱岳・・・早月小屋・・・三角点・・・松尾奥ノ平・・・馬場島
総歩行距離:約15,000m
累積標高差:上り 約2,355m 下り 約2,355m
コース定数:59
アドバイス:9月下旬ともなれば尾根上部では凍結や冠雪があることも珍しくない。充分な防寒対策はもちろんのこと、ルート状況、気象情報などに留意して計画すること。日照時間も短いので自分の技量にあったプランニングが大切だ。
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プロフィール

星野秀樹(ほしの・ひでき)

写真家。長野県飯山市在住。剱岳や黒部源流域、上越・信越などの山を中心に活動。近著に『上越・信越 国境山脈』(山と溪谷社)、『黒部の谷の小さな山小屋』『山に登る』(アリス館)、『雪のくに移住日記』(信濃毎日新聞社)、共著に『飛べ! 山小屋ヘリコプター』『がんばれ! 田んぼマシーン』(新日本出版社)など。『森を歩くと』(仮題・アリス館)を2026年3月に出版予定。

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