秋深まる山へ。関東周辺・極上のワンデイハイク【紅葉コースガイド2025】

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秋深まるころ、関東周辺の山も紅葉のシーズンを迎える。全国各地の山を歩き、登山ガイドブックの執筆なども行なう登山ガイドの木元康晴さんが選んだ、首都圏から日帰りできる極上のワンデイハイクコース5選。

写真・文=木元康晴

目次

大岩壁と紅葉をめぐる散歩道 谷川岳 新道・旧道(たにがわだけ しんどう・きゅうどう)

群馬県/871m(一ノ倉沢出合)
 10月中旬〜11月上旬

谷川岳 新道から見上げた白毛門
新道から見上げた白毛門。紅葉の斜面が山頂近くまで続く

谷川岳の東面を通る旧道と新道は、明治時代に幹線道路として拓かれたが、冬の雪崩で崩落を繰り返し廃道化。上越線の開通後は、登山や観光で利用されるようになった。並行して延びるこの2本の道を周回すると、谷川岳中腹の紅葉を日帰りで楽しめる。

紅葉に囲まれた歩きやすい道が続く新道では、右手にそびえる白毛門(しらがもん)の紅葉がみごと。また芝倉沢(しばくらざわ)から左上を見上げると、紅葉の中に険しい堅炭岩(かたずみいわ)がそびえ立っていて日本離れした景観だ。旧道では、幽ノ沢(ゆうのさわ)、一ノ倉沢(いちのくらさわ)、マチガ沢と、上部に大岩壁が広がった沢を通過していく。圧巻はやはり一ノ倉沢で、紅葉に覆われた急峻な岩壁は、いつまで眺めていても見飽きることはない。

谷川岳 芝倉沢出合から見上げた堅炭岩
芝倉沢出合から見上げた堅炭岩。手前に電線があるのが残念
谷川岳 旧道から見上げた一ノ倉沢
旧道から見上げた一ノ倉沢。日本三大岩壁のひとつに選ばれている

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 3時間5分
行程:土合駅・・・土合橋・・・巡視小屋・・・分岐・・・一ノ倉沢出合・・・マチガ沢出合・・・土合口
総歩行距離:約9,800m
累積標高差:上り 約582m 下り 約511m
コース定数:15
アドバイス:電車利用の場合は、往路は「日本一のモグラ駅」土合(どあい)駅を起点にすると楽しい。新道から旧道へは、芝倉沢出合の手前にあるJR高崎給電区の小屋(登山地図にはJR見張小屋と記される)の手前から左へ15分ほど登れば着く。
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プロフィール

木元康晴

1966年、秋田県出身。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(ステージⅢ)。『山と溪谷』『岳人』などで数多くの記事を執筆。ヤマケイ登山学校『新版 山のリスクマネジメント』では監修を担当。著書に『IT時代の山岳遭難』、『山のABC 山の安全管理術』、『関東百名山』(共著)、『駅からハイク』(共著)など。編書に『山岳ドクターがアドバイス 登山のダメージ&体のトラブル解決法』がある。

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