ニョロニョロ山はどこにある? 巳年の2025年に登りたい「蛇の山」セレクション

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2025年は己年。蛇が苦手という人は多いが、山ではおなじみの生き物であり、登山中にその姿を見かけることも珍しくない。山に登る人にとっては身近な動物のひとつと言っていい蛇だけに、名前に蛇のつく山は全国に分布している。ここでは、数ある「蛇の山」から、登山の対象となっている山を中心にピックアップしてみた。来年の登山計画に、これらの山を加えてみてはいかがだろうか。

構成=山と溪谷オンライン、トップ写真=koharu29(浅間山・蛇骨岳)

目次

船形連峰・蛇ヶ岳(ふながたれんぽう・じゃがたけ)

宮城県/1400m

蛇ヶ岳付近から見る船形山(写真=aoto)
蛇ヶ岳付近から見る船形山(写真=aoto
蛇ヶ岳山頂(写真=aoto)
蛇ヶ岳山頂(写真=aoto

奥羽山脈の中心に位置する船形連峰には名前のついたピークが30もあるが、蛇ヶ岳もそのひとつ。主峰・船形山の南東に位置し、複数のコースのジャンクションとなる草原コース分岐が近くにあるため、升沢コースから主峰の船形山(1500m)に登る人や、三峰山(みつみねやま、坊主岳〈ぼうずだけ〉)へと縦走する人が通過する。灌木に囲まれ、さほど特徴のあるピークではないが、2025年に船形山に登るなら、足を延ばしてみるのもよい。

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榛名山・蛇ヶ岳(はるなさん・じゃがたけ)

群馬県/1229m

烏帽子ヶ岳と蛇ヶ岳(写真=モリゾー)
烏帽子ヶ岳と蛇ヶ岳(写真=モリゾー
蛇ヶ岳(写真=YK)
蛇ヶ岳(写真=YK

カルデラ湖の榛名湖を囲むように外輪山が複数のピークを連ねた榛名山。最高峰は掃部ヶ岳(かもんがたけ、1449m)だが、榛名湖を挟んで反対側、榛名富士(はるなふじ)の東隣にある小ピークが蛇ヶ岳だ。山頂は樹林の中なので展望はない。周辺の榛名富士や相馬山(そうまさん)、二ツ岳(ふたつだけ)といった山と合わせたハイキングの通過地点として、新緑や紅葉の季節に歩くのがよい。

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浅間山・蛇骨岳(あさまやま・じゃこつだけ)

長野県/2366m

蛇骨岳(写真=yama_n)
蛇骨岳(写真=yama_n
蛇骨岳から望む前掛山(写真=yama_n)
蛇骨岳から望む前掛山(写真=yama_n

今なお活発に活動を続ける浅間山。蛇骨岳は、最高地点の前掛山(まえかけやま、2524m)を間近に望む外輪山のピークだ。車坂峠(くるまざかとうげ)を起点に、黒斑山(くろふやま)とともに登られることが多い。大迫力の前掛山の眺めがなによりの魅力で、雪の季節も含め、絶景を求めて登る人でにぎわう。なお、浅間山は2024年12月20日現在、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)が発表されており、賽ノ河原(さいのかわら)から先の前掛山方面の登山は通行できない。蛇骨岳に登る際も、最新情報を確認しておきたい。

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蛇峠山(じゃとうげやま)

長野県/1664m

蛇峠山山頂(写真=もんた)
蛇峠山山頂(写真=もんた
馬の背付近から見る仙丈ヶ岳(写真=もんた)
馬の背付近から見る仙丈ヶ岳(写真=もんた

阿智村(あちむら)の秀峰7座を集めた「阿智セブンサミット」のひとつで、ハイカーに人気の山。南北どちらからも望める位置にそびえているため、古くから情報通信の重要な拠点になってきた。戦国時代には武田信玄が整備した狼煙台があったといい、現在は国土地理院の電子基準点や電波塔、雨量計が設置されている。これらの電波塔は周囲の山からもよく見えるため、蛇峠山の同定の手がかりになっている。山頂には展望台が設けられており、登ると南アルプスなどの展望がよい。

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新蛇抜山(しんじゃぬけやま)

長野県・静岡県/2667m

新蛇抜山(写真=ヤッシー29)
新蛇抜山(写真=ヤッシー29
新蛇抜山の山頂(写真=遊戯人間)
新蛇抜山の山頂(写真=遊戯人間

南アルプスの主脈・仙塩(せんしお)尾根にあるピーク。間ノ岳(あいのだけ)〜塩見岳(しおみだけ)をつなぐ縦走者はこのピークを通過するが、そもそも長大な仙塩尾根を縦走する人が多くない上、山頂は縦走路から少し外れているために、訪れる人はまれだ。山自体は樹林帯の中だが、縦走路を離れて最高地点まで登ると、この尾根では貴重な展望が得られる。日本百高山の100位の山としても知られ、わざわざこの山を踏みに訪れるピークハンターもいないではない。

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蛇谷ヶ峰(じゃたにがみね)

滋賀県/902m

JR湖西線近江高島駅からのバスの車窓から見る蛇谷ヶ峰(写真=sirou)
JR湖西線近江高島駅からのバスの車窓から見る蛇谷ヶ峰(写真=sirou
山頂からの琵琶湖、伊吹、鈴鹿方面の展望(写真=sirou)
山頂からの琵琶湖、伊吹、鈴鹿方面の展望(写真=sirou

比良(ひら)山系の北端にそびえる山で、琵琶湖側からは大きな姿を見上げることができる。朽木村周辺では小椋栖山(おぐらすやま)と呼ばれる。登山コースは東西南北に拓かれ、朽木スキー場からは1時間半ほどで登れる。バスでアクセスできるグリーンパーク想い出の森から登るコースも人気で、比良の最高峰・武奈ヶ岳(ぶながたけ)への縦走も可能だ。

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大台ヶ原・大蛇嵓(おおだいがはら・だいじゃぐら)

奈良県/1579m

大蛇嵓展望台(写真=tok009)
大蛇嵓展望台(写真=tok009

大蛇嵓は正確に言えば山ではなく、大台ヶ原の日出ヶ岳(ひでがたけ、1695m)の南西にある急峻な岩場を指す。隆起準平原と呼ばれる台地状の大台ヶ原から東ノ川(ひがしのかわ)へと1000mもの落差で落ち込む岩稜が、ほかでは見られない奇観を作り出している。足元が切れ落ちた大蛇嵓展望台では、スリルと大展望が待っている。大台ヶ原駐車場から大蛇嵓展望台までは1時間20分ほどだが、せっかくなら日出ヶ岳にも登頂する周回登山で楽しもう。

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そのほかの「巳の山・蛇の山」

全国のそのほかの巳・蛇の山名の山を集めてみた。ぜひ、2025年の山行計画に加えていただきたい。

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今がいい山、棚からひとつかみ

山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。

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