強烈な個性が勢ぞろい! 厳選ご当地アルプスガイド【山と溪谷2025年2月号】

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雑誌『山と溪谷』2025年2月号の特集は「全国ご当地アルプス」。全国各地に「〜〜アルプス」と名付けられた山々は点在しているが、編集部がカウントしてみたところ、その数ざっと70以上! 数あるご当地アルプスのなかから、東日本エリアのほか、「富士山が見える」「寄り道も楽しむ」などのキーワードでもおすすめコースを紹介している。そんな特集の中から、個性豊かな4コースを厳選して紹介しよう。

構成=山と溪谷編集部

目次

東日本 寄り道も楽しむご当地アルプス伊東アルプス(いとうあるぷす)

静岡県/大平山(578m)

草原状の柏嶺から初島が浮かぶ相模湾を望む
草原状の柏嶺から初島が浮かぶ相模湾を望む

大海原の展望を楽しんで歴史を感じる街並みを散策

東伊豆(ひがしいず)を代表する観光地である伊東市の背後の山並みには、「大平(おおびら)の森コース」として整備された登山道がある。ここが伊東アルプスと呼ばれるようになったのは比較的最近で、一部の登山者による愛称がSNSを通じて広まったようだ。

丸山(まるやま)公園から尾根道を登ると着く大平山は、樹林に囲まれて展望は乏しいが、春にはサクラ、初夏にはヤマツツジが美しく花を咲かせる。その先の展望ゾーンで樹間から富士山を望んだ後は、屈曲する尾根を進む。いったん林道に出たところで左に上がれば、馬場平(ばばのたいら)とも呼ばれる柏嶺(かしわみね)の頂上に着く。眼前に広がる、太平洋の眺めがみごとだ。さらに尾根をたどって下山したら、伊東駅の南東側に広がる街並みを散策してみよう。風情があるのは、伊東大川(いとうおおかわ)の右岸に続く松川(まつかわ)遊歩道。周囲には、東海館や伊東観光番など古い建物が残る。続けて渚小路(なぎさのこみち)を歩いて海岸に出ると、日本初の帆船を造った三浦按針(あんじん)のモニュメントが立っている。近くには足湯もあって、温泉地の雰囲気も感じつつ、くつろげる。

(文・写真=木元康晴)

東海館

東海館

1928(昭和3)年開業の温泉旅館だった建物で、3階建ての木造建築。中に入ると昭和の雰囲気が漂う。あんみつなどを味わえる喫茶室もある。入浴も可。

営業時間 9~21時(第3火曜日休)
料金 入館200円、入浴500円
TEL 0557-36-2004

伊東観光番

伊東観光番

1958(昭和33)年に建てられた、伊東警察署松原交番の建物を利用した観光案内所。観光や散策のアドバイスが受けられ、外観を見るだけでも楽しい。

営業時間 10~16時(年末年始休)
料金 無料
TEL 0557-37-3550

按針メモリアルパーク

按針メモリアルパーク

1600年に日本漂着後、この伊東で日本初の帆船を造った英国人ウィリアム・アダムスの日本名が、三浦按針。その按針の功績を伝える、印象的なモニュメントが立っている。

TEL 0557-32-1714(伊東市観光課)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間35分
行程:JR伊東線伊東駅・・・丸山公園・・・大平山・・・四辻・・・柏嶺(馬場の平)・・・大平の森ハイキングコース入口・・・伊東駅
総歩行距離:約11,000m
累積標高差:上り 約714m 下り 約714m
コース定数:19
アクセス:往復 JR伊東線伊東駅
[マイカー情報]真鶴道路福浦ICから熱海ビーチライン、国道135号経由約30kmで丸山公園駐車場(約40台、無料)。
アドバイス:基本は尾根をたどるコースだが、尾根の形状が不明瞭になったり、平坦地が続いたりする箇所では進路を見失いやすい。「ゆったり 湯めまち ウォーキングコース」の標識が多数設置されているので、道が判然としない場合はそれを探しつつ進もう。
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プロフィール

山と溪谷編集部

『山と溪谷』2026年1月号の特集は「美しき日本百名山」。百名山が最も輝く季節の写真とともに、名山たる所以を一挙紹介する。別冊付録は「日本百名山地図帳2026」と「山の便利帳2026」。

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雑誌『山と溪谷』特集より

1930年創刊の登山雑誌『山と溪谷』の最新号から、秀逸な特集記事を抜粋してお届けします。

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