登山の疲れがなかなか取れない人は、歩き方をリセットしてダイナミックに歩いてみよう。

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登山の体力をつける近道は「山に登ること」。しかし、がむしゃらに登っているだけでは、いつか怪我をするかもしれない。そこで次の登山までにやっておきたい「登山ボディのリセット&メンテナンス術」を登山ガイドのヤッホー!! さんが伝授。第1回は「歩き方のリセット」です。体中の筋肉をほぐしていけば、さまざまな怪我の予防につながります。

写真/山田慎一郎 モデル/一瀬立子

 

登山後は必ず、リセットウォーキングを!

険しい山を登っているときの自分の姿を想像してください。転倒しないように足元を見ながら、背負ったザックをぶれさせないように体をひねらず、足首の負担を減らすためにガニ股で、疲労を防ぐために小さい歩幅でゆっくりと歩く――。こんな姿を思い浮かべたのではないでしょうか。

登山中であれば、この歩き方は決して間違ってはいません。ただし、もし街でこうした歩き方をしている人を見かけたら、「具合が悪いのではないか・・・」と心配になるのではないでしょうか。

実は、登山の歩き方は日常の歩き方とは全く異なっているのです。体に多くの負担がかかり、全身がこわばっている状態で歩いているのです。だからこそ、登山後は「リセット」が必要になるのです。下山したあとは、身体がクタクタに疲れていることも多いと思います。しかし、こわばった体を動かさずに悪い姿勢のままでいると、ゆっくり休養をしていても、疲れが取れないこともあります。

夏山シーズンを迎えて、長時間行動したあとには、以下に紹介する「リセットウォーキング」を試してください。背筋を伸ばして、しっかりと両手を振って、大きな歩幅で、ダイナミックに歩いてみましょう。これだけで体中の筋肉がほぐれていくのが分かるはずです。

これからご紹介するリセットウォーキングを行えば、日常生活においても効果があります。登山後に限らず、デスクワークや立ち仕事でこわばった体を、昼休みなどの空いた時間にリセットすることができます。

 

■リセットウォーキング

以下の説明と動画を参考に、リセットウォーキングの方法を確認して、まずはトライしてみましょう。

背筋を伸ばして立ちます。両腕をまっすぐ前にあげ、床と平行に伸ばします。手のひらは床に向けます。

片方の腕をできるだけ前方に伸ばし、もう片方の肘を後方にひきつけ、体をひねります。この時も腕は床と平行のまま、泳ぐように左右交互に行ないます。

伸ばした腕と反対の足を前に出して歩きます。モデル歩きのように、一本のライン上を歩くように、出した足の延長線上に次の足を出します。

一日50歩~100歩、連続して歩きます。

 

しっかりと腕を遠くに伸ばし、肘を後ろにひきつけることで肩甲骨まわりの筋肉の血流が良くなり、肩こりが解消できます。体幹をひねることで腰まわりの筋肉がほぐれ、腰痛の予防になります。

登山ボディをリセット&メンテナンスして、次回も安全登山を心がけましょう。

 

プロフィール

いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん

本名:芳須勲。横浜市金沢区在住。管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ち、中高年登山者の健康づくりを、栄養と運動の両面からサポート。
山ごはん・アウトドア料理を得意とし、災害時における野外炊飯法などの講習会も各地で行なっている。
著書に山登りABC「登山ボディのつくり方」(山と溪谷社)、山登りABC「もっと登れる山の食料計画」(山と溪谷社)など。
⇒ホームページInstagram

登山ボディをリセット&メンテナンス!

管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ちながら、楽しく安全な登山を案内する「いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん」こと芳須勲ガイドが、身体のリセット・メンテナンスの面から登山のトレーニングを指南。登山のための身体づくりを目指そう!

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