
あなたが見ている景色の裏にはとんでもない歴史があるかも。『ムー』編集者に教わる神秘の山
意外に思う方も多いかもしれないが、日本には数多くの信じられないような伝説が存在している。なかでも、山に関わる超常現象や伝承は数知れない。あなたがいつも見ている景色のすぐそばには、とんでもない歴史が隠されているのかも‥‥‥。神秘の山をムーの編集に携わる中村さんに教えてもらった。モデルコースつきで4つの山を全国から紹介!
文=中村友紀 写真=『ムー』編集部、山と溪谷オンラインから転載
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ソロモンの秘宝が眠る聖山 剣山(つるぎさん)
徳島県/1955m
徳島県の剣山に、「ソロモンの秘宝(契約の櫃)」が隠されているという話を聞いたことがあるだろうか。話の出所は、元小学校校長で聖書研究家の高根正教(たかねまさのり)という人物だった。
『新約聖書』の「黙示録」と『古事記』を言霊学により比較研究したところ、なんと剣山に「契約の櫃」が隠されているという結論に達したと彼は主張した。昭和11年(1936年)には実際に、剣山山頂付近で発掘を始めてしまったのである。そして150mもの穴を掘り、玉石などを発見したという。
ちなみにソロモンの秘宝とは、古代イスラエルの十戒石板、マナの壺、アロンの杖を納めた契約の櫃(アーク)を指す。古代イスラエル王国の神殿が破壊されて以来、行方不明になってしまったこのユダヤの宝は、東方へ逃れたイスラエルの支族たち(失われた10支族)によって、どこかに隠されたのではないかといわれてきた。その隠し場所が、ユーラシアの東の果て、日本列島の剣山だというのだ。
いったいどういう理屈でそのような結論に達したのか。
高根正教によると、「黙示録」第4章に登場する神の栄光を示す4つの生物(獅子、牛、人、鷲)が鍵になる。これが『古事記』の国産み神話に出てくる、四国についての「この島は身ひとつにして面(おも)四つあり」という説明と一致するものとし、そこから「契約の櫃」が四国の剣山に隠されているという結論に至ったのだ。 隠し場所だが、剣山にある鶴岩と亀岩というふたつの巨岩の地下だと、高根はいう。
そこでは童謡「かごめかごめ」の歌詞が暗号になっており、「かごめ→籠の目→ダビデ王の紋章」「夜明けの晩→夜が明ける→よはね→ヨハネ」となる。また「剣山=鶴亀山」であり、これらが示す先が鶴岩と亀岩だというのだ。かなりの飛躍ではあることはいうまでもない。だが、高根はそう信じた。
残念ながら秘宝の発見には至らなかったが、ふたつの岩の麓には、今も発掘跡とされる石が並べられている。
高根は戦後の昭和27年(1952年)に研究成果を『四国剣山千古の謎-世界平和の鍵ここにあり』という小冊子にまとめている。実際、彼のあとを追った者も複数いて、戦後は元海軍大将の山本英輔、仲木貞一、中村資一郎らが発掘隊を結成。発掘の図面も残されており、ミイラ100体が見つかったというが、証拠はない。
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