秋から初冬におすすめ!絶景の富士山展望ハイキング厳選5コース
富士山撮影をライフワークとして、中央線沿線の山をはじめ低山の四季折々の風景を撮影し、数多くの山岳写真作品を発表している低山フォトグラファー・渡邉明博さんによる『2時間で楽しめる!絶景の富士山展望ハイキング』(山と溪谷社刊)。首都圏周辺で富士山が眺められる200以上もの山からお気に入りの56山をセレクトし、2時間程度で山頂まで登れる初・中級向けの日帰りコースを紹介している。今回はそんなスペシャリストが厳選した山のなかから、この時期おすすめの5コースをピックアップ!
文・写真=渡邉明博
目次
眺望抜群の草原で登頂の喜びの鐘を鳴らす矢倉岳(やぐらだけ)
神奈川県/870m
矢倉岳は丹沢山地と箱根山地の間に挟まれるように存在する。三角おにぎりのような尖った山容で、麓からわかりやすい。矢倉岳と金時山(きんときやま、きんときざん)の鞍部にある足柄峠を越える旅人を見張る櫓(やぐら)のような形から、「やぐらだけ」と呼ばれるようになったという。
草原状の山頂は広く、視界をさえぎるもののない完璧な富士山の姿を見せてくれる。独立峰に近いため三六〇度の眺望があり、箱根、丹沢に連なる大パノラマで、足柄平野と相模湾もくっきりと見える。この眺めのよさと手ごろなコースタイムから、県内外の登山者に通年で人気が高い。
矢倉沢バス停を出発地に設定する。のどかな集落を進むと、イノシシ避けの柵があり、登山道が始まる。尖った山だからこその急登がしばらく続いた後、ようやく山頂にたどり着く。広々とした草原には2024(令和6)年10月に新しくなった山頂標柱がある。上部に鐘がついているので、カーン!と、いい音を響かせてみよう。下山は清水峠から地蔵堂の方面へ下る。ここも急勾配なので慎重に。
小さな沢を渡り、地蔵堂に着いたら、少し足を延ばして夕日ノ滝を見に行きたい。マイナスイオンをたっぷり浴びて地蔵堂に戻り、バスに乗ろう。
MAP&DATA
ガイドブック紹介
本書の各コースガイドページには「コース詳細ページ」のQRコードが掲載されており、スマートフォンで読み取ると、コースデータが表示される。登山計画作成などにぜひご利用いただきたい。また今回紹介した以外にも多数のコースが収録されているので、ぜひチェックしてみよう!

2時間で楽しめる!
絶景の富士山展望ハイキング
見たことのない絶景の富士が待っている!2時間程度あれば山頂にまで登れて、富士山の展望を楽しめる日帰りハイキングガイド
| 著 | 渡邉明博 |
|---|---|
| 発行 | 山と溪谷社 |
| 価格 | 1,980円(税込) |
目次
プロフィール
渡邉 明博
1957年生まれ。富士山撮影をライフワークとし、最近では中央線沿線の山をはじめ、低山の四季折々の風景を撮り続けている。『すばらしい富士に出逢える!富士山絶景撮影登山ガイド』(山と溪谷社)をはじめ、富士山関連の著書を多数執筆。山岳写真ASA会長。(写真=水谷和政)
今がいい山、棚からひとつかみ
山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。
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