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登山初心者でも分かる! 服装選びの基本 1 -レイヤリングの重要性-

登山道具の買い方・選び方、ショップのスタッフに聞きました!
道具・装備 2019年04月05日

春は、はじめて登山に挑戦する人でも気軽に登りやすいシーズン。しかし「気軽に登れる」といっても自然のフィールドに足を踏み入れる以上は、それなりのリスクがつきまとうもの。そこで今回は、さかいやスポーツ 高橋さんに、登山を始めるにあたって知っておきたい服装選びの基本について聞いた。

 

 

登山ウェアの「レイヤリング」とは? 

さかいやスポーツ ウェア館


ライターT:登山の服装の話をしていると、よく「レイヤリング」という言葉が出てきます。これは、どういうことでしょうか。

高橋さん:「レイヤリング」とは「重ね着」のこと。登山時のスタイルは1着で完結させるのではなく、重ねることが重要です。なぜかというと、普段より運動量が増えることによる体温の変化や、急な雨などの天候の変化があったとき、ケースに応じた「脱ぎ着」がしやすいから。脱いだり着たりすることで、寒暖の調節をするのです。

ライターT:脱ぐ服も着る服もないと、自分で調節しようがないですからね!

高橋さん:登山シーンで気をつけなければならないのが、雨で濡れることと、汗で濡れること。衣服が濡れたままだと体の体温が奪われ、最悪の場合、低体温症になりかねません。そこで大切なのが、雨や汗でできるだけ濡らさないためのウェア選びとレイヤリング。たとえば雨具は、登山中に雨が降ってきたら、上から着ることで濡れを軽減できます。さらに風で肌寒く感じるときには、防寒の役割も果たしてくれます。

雨具の定番、モンベルの「ストームクルーザー」シリーズ


ライターT:汗による濡れに対応するには?

高橋さん:吸汗速乾性のあるウェアを選ぶのはもちろんですが、そもそも「汗をかかないように、こまめに脱ぎ着する」ということが重要です! 汗をかかなければ、汗濡れに対応する必要がないですから。そのために、暑いと感じる前に衣服を脱いで調節できるよう、分厚いものを1枚着るのではなく重ね着しておくのです。
 

レイヤリングの基本アイテム

ライターT:では、登山ウェアのレイヤリングの基本を教えてください!

日帰り登山のおすすめレイヤリング(商品名は下記)


高橋さん:肌に最も近いところに着用するベースレイヤーには、吸汗速乾性のあるアンダーウェアか、同じような機能のあるTシャツやカットソーを。夏場の低山ならTシャツやカットソーだけでもよく、春先や秋の少し肌寒いときはアンダーウェアを下に重ねると安心感が高まるでしょう。訪れる時期や山域、天候や体質により異なりますが、ご自身が寒いと感じていない行動中はこれだけでもOK。
逆に、動いていても寒いと感じるなら、その上にフリースなどのいわゆるミッドレイヤーをプラスして。さらに上に、雨や風から身を守るためのジャケットを重ねる、というイメージです。

ライターT:雨具は、たとえば強風で肌寒いときなど雨対策以外にも活躍するから、天気予報に関係なく必ず持って行ったほうがいいですね。

高橋さん:雨具は必須アイテムです。ただし、肌寒いからといってずっと雨具を着ているとムレて、いくら透湿性の高いものでも体を濡らしてしまう恐れがあるので、「雨具」と分類されるものは、できればそれが本当に必要になるシーンまで着ないほうがベター。そのようにレインジャケットをあまり使わないとなると、ウインドブレーカーのような薄手ジャケットが活躍するのです。

高橋さん愛用のウインドブレーカー、パタゴニアの「フーディニ・ジャケット」


ライターT:ウインドブレーカーを、肌寒いときには一番上に羽織る、と。

高橋さん:そう。ウインドブレーカーまででレイヤリングが完結できそうなら、行動中はそれがおすすめ。そして、稜線や山頂での強風対策や、もちろん雨対策として雨具は必ずザックにいれておくのです。さらに、春先や秋の朝晩などは冷えやすいので保温着を1枚持って行くといいでしょう。

高橋さんがおすすめするレイヤリングのイメージ。シャツは必要に応じてアンダーウェアを着る


ライターT:パンツは、どうすればよいですか?

高橋さん:速乾性が高い素材を使っていて、動きやすいものを選んで。綿素材が中心になっているデニムパンツやチノパンツは、汗を吸っても乾きがかなり遅いので避けてください。パンツの丈は、春・秋シーズンなら肌寒くなるケースを考慮すると、長ズボンのほうが汎用性は高いです。雨が降ってきたら、上着と同じように雨具のパンツを重ねます。

おすすめはザ・ノース・フェイスの「バーブライトパンツ」

 

「こまめな脱ぎ着」は、どうすればよい?

ライターT:先ほど、重ね着したウェアを「こまめに脱ぎ着する」ということが大切とおっしゃっていました。具体的に、どのような目安で脱ぎ着すればよいのでしょうか。

高橋さん:登山口に着くまでは、体が冷えないように、持っているウェアを自由に重ねて着ておいてください。登山スタート時には、「少し肌寒いな」と思うくらいの格好に。人間の体は登ると心拍が上がり汗をかいてくるので、多少薄着くらいでOK。「じっとしているときにちょうどいい」ではなく、「歩いていてちょうどいい」にすることです。ただし、これはあくまでもコースタイムどおりやコースタイムより早いスピードで登山する場合の考え方。たとえば写真を撮ったり植物を観察したり・・・とゆっくり歩くなら、スタートしてからもある程度暖かい重ね着をしておいてください。

ライターT:山を登っているときに「こうなったら脱ぐ!」というポイントは?

高橋さん:歩いていて、首筋に汗がたれてきたりすると、重ねているアイテムが多すぎかなという感じです。汗で背中などがビシャビシャになっていたら、かなり着すぎ。そうなる前に、必ずジャケットやミッドレイヤーを脱いでください!

薄いウインドブレーカーは、重ね着しても暑くなりすぎにくく重宝する


ライターT:Tシャツ1枚で歩いていて、それ以上脱ぐものがなければどうすれば・・・。

高橋さん:脱ぐものがないなら、歩くペースを遅くする。心拍を下げれば発汗は抑えられるので。ご自身にあったスピードと、ご自身にあった重ね着で登ることがおすすめです。

ライターT:登山のガイドツアーなどでは、なかなか「立ち止まって、服を脱ぎたい」と言い出せないこともあるかと思いますが。

高橋さん:初心者の人ほど誰かに連れて行ってもらうことが多いから、「立ち止まる」と言いづらいですよね。でも、そこは声を大にして「今脱ぎます!」と伝えましょう。それを言うことは、なにも恥ずかしいことじゃない。むしろ、とても重要なことです。また、暑いときと同じように行動時や休憩時に寒さを感じたら、体が冷えきる前にジャケットやミッドレイヤー、保温着を重ねてください。

ライターT:適切なタイミングで脱ぎ着できてこその「レイヤリング」だから、手遅れになる前に気をつけたいですね!

 

今回のおすすめ商品 

ベースレイヤー:パタゴニア「キャプリーン・クール・トレイル・シャツ」

 

価格
5,000円(税別)
重量
130g

 

ジャケット:パタゴニア「フーディニ・ジャケット」

 

価格
13,500円(税別)
重量
102g

 

パンツ:ザ・ノース・フェイス「バーブライトパンツ」

 

価格
13,000円(税別)
重量
270g

 


次回は「登山の服装選びの基本 2」として、日帰りトレッキングと泊まりがけでの登山でのおすすめレイヤリングについて、さらに長期縦走や残雪期であると重宝するアイテムについて教えてもらいます。

 

教えてくれた人

高橋 典孝(さかいやスポーツ ウェア館)

山の世界で働いて20年のベテラン。ウェアに関する知識はオタク級だが山道具も大好き!!
ゆったりオートキャンプからガッツリ登山まで何でもこなすが特に最近は、トレイルランニング、テンカラ釣りに没頭中。

さかいやスポーツ

創業以来、約60年にわたり神田神保町で全国の登山家やアウトドアマンに愛されている登山用品店。ウェア、シューズ、ギアなど品目別の専門館を6店舗展開。ウェアや道具に詳しいスタッフが丁寧に解説してくれるので、ビギナーでも安心。

住所/東京都千代田区神田神保町2-48
TEL/03-3262-0432
営業時間/11:00~20:00
アクセス/神保町駅A4出口より徒歩6分、JR中央・総武線水道橋駅東口より徒歩8分

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