富士山をきれいに見るなら冬が一番! 富士山展望の山5選【関東・日帰り】

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富士山を見るなら冬がおすすめの季節だ。空気が澄んで遠くまで見通せ、木々の葉が落ちて視界も良好。そんな富士山の展望が美しい関東の山5選を紹介しよう。

文=西野淑子 写真=PIXTA

目次

ダイヤモンド富士でも人気、富士山の展望台 竜ヶ岳(りゅうがたけ)

山梨県/1485m

山頂から眺めるダイヤモンド富士
山頂から眺めるダイヤモンド富士

富士五湖の最西端、本栖湖(もとすこ)の南岸にそびえる山。ダイヤモンド富士の山として人気が高く、年末年始ごろに富士山の山頂から昇る朝日が眺められるので「初日の出でダイヤモンド富士」を楽しむ登山者も多い。

本栖湖バス停から、キャンプ場を横切って登山口へ。丸太の階段を交えた登りから稜線に出ると、富士山や御坂(みさか)の山々が眺められるようになる。あずまやを過ぎ、深い笹の草原を進んでいく。広々とした山頂は三六〇度の大展望で気持ちがいい。帰りは来た道を戻ってもよいが、新道分岐から本栖湖方面に下ると、青々とした水をたたえた本栖湖が所々で眺められる。下り始めはやや足場が悪いので慎重に。湖岸の舗装道路に出たら、湖の眺めを楽しみつつ本栖湖バス停に戻る。

中之倉峠方面へ足を延ばせば本栖湖と富士山の景観が美しい
中之倉峠方面へ足を延ばせば本栖湖と富士山の景観が美しい

MAP&DATA

高低図
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最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間
行程:本栖湖バス停・・・竜ヶ岳登山口・・・あずまや・・・新道分岐・・・竜ヶ岳・・・新道分岐・・・本栖湖畔登山口・・・本栖湖バス停
総歩行距離:約8,000m
累積標高差:上り 約693m 下り 約693m
コース定数:17
おすすめ
展望スポット:
樹木がなくササに覆われた山頂は文字通り「360度の展望」。裾野を広げる富士山がひときわ美しい。富士山の右側には駿河(するが)湾や伊豆半島がうっすら眺められるだろう。西側には南アルプスの山々も連なっている。あずまやの前の広場からの眺めもよく、山麓の朝霧(あさぎり)高原から富士山が立ち上がっている様子は見応え充分だ。
山麓情報:本栖湖の北岸、中之倉(なかのくら)峠は、千円札に描かれた「逆さ富士」が見られる名所。湖岸道の登山口から徒歩30分、時間と体力が許せば下山後に立ち寄ってみたいところだ。周辺の宿に宿泊して、登山と富士五湖観光を楽しむのも一案。本栖湖湖畔の飲食店は本栖湖バス停周辺に点在し、山梨名物のほうとうや、ジビエ料理が味わえる店も。

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この記事に登場する山

東京都 / 関東山地

大岳山 標高 1,266m

 片肩上がりの山体はどこからでも識別できる。『武蔵通志(山岳篇)』は「両総地方にて武蔵の鍋冠(なべかぶり)山と称し海路の標となす」と記され、江戸期には江戸湾に出入する船の目標でもあったようだ。いわゆる天文山の1つである。山名も古い文献を見ると大岳となっている。  大岳山へは御岳(みたけ)から登山道をたどるのが一番楽だ。山頂の下に大岳神社があり、広場からは馬頭刈(まずかり)尾根や浅間尾根のかなたに富士山も見える。  大岳神社の里宮は、南秋川の白倉にある。山頂への表参道は白倉からのもので、御岳からの道は単なる登山道だ。この表参道は立派に整備され、馬頭刈尾根に達し大岳山へ登っていく。途中鋸山の分岐に道祖神が1基祭られ、右へ進むと、奥社の横手から岩っぽい登山道となり山頂に立つ。下山路は御岳へ出るのが一番楽だが、馬頭刈尾根を軍道(ぐんどう)へ下るのが面白い。鋸山へは体力が物を言う下りである。  コースタイムは武蔵五日市で下車し、白倉から大岳山に至り、高明山を経て軍道に下りる。武蔵五日市駅まで約6時間。

神奈川県 / 丹沢山塊

塔ノ岳 標高 1,491m

 表丹沢の中心に位置し、丹沢で最も人気のある山。秦野(はだの)市、山北町、清川村の境にある。昔は山頂一帯がうっそうとしたブナ林であったというが、今は全くその面影もない明るい山頂になっている。天気のよい休日ともなれば、多くの登山者が赤土と石ころの山頂で、車座になって休んだり昼食をとっているが、これなど塔ノ岳山頂の見慣れた風景である。  昔は山頂の北側に尊仏岩という高さ3丈、約9mほどの大岩があったと記録されている。そのためこの山は尊仏山とか孫仏山とも呼ばれた。山麓の人々は尊仏の大岩を「お塔」と呼んで信仰の対象とし、特に雨乞いの神としてあがめていた。そのためこの山を「お塔の山」と呼び、それが「塔ノ岳」になったという。その意味からすると、一般に使われている塔ヶ岳より、塔ノ岳が正しいことになる。  塔ノ岳のお祭りは毎年5月15日に行われ、近在の農民が登ってきては大いに賑わい、お塔の大岩の下の土を掘っては田畑にまいて豊作を祈願したという。このお塔の大岩は大正12年(1923)の関東大震災のときに、北西の大金沢に崩れ落ちてしまったという。  また祭りの日の山頂は賭場が開帳され、関東一円から親分、子分が登ってきたという。そしてこの賭場は、なんと第2次大戦後の昭和25年ごろまで続いていたというから驚きである。  山頂には尊仏岩にちなんだ尊仏山荘があり、通年営業している。山頂からの展望はすばらしく、丹沢山塊の全貌が眺められ、さらに富士山から南アルプスにかけての大展望、また相模湾と伊豆の島々など欲しいままの展望が得られる。  登山コースは各方面から整備されているが、その代表に大倉尾根経由のコースがある。小田急線渋沢駅からバス大倉下車で3時間で塔ノ岳に達するが、このコースはあまりにも多くの人に歩かれているため、赤土の登山道が崩れたり、深い堀割状になってしまい、そのため登山道全体が階段状に補修されている。なるべくなら塔ノ岳へは、大倉尾根以外のコースを利用することをお勧めしたい。  まず、表尾根は秦野駅からバスでヤビツ峠下車、三ノ塔を経て4時間で塔ノ岳。政治郎尾根は大倉から戸沢出合を経て表尾根の行者岳へ出る。大倉から行者岳まで3時間30分、行者岳から表尾根を経て塔ノ岳まで1時間20分、合計約5時間。訓練所尾根コースは大倉から四十八瀬川沿いの林道を歩き、二股の少し先の尾根を経てブナの美しい小丸へ約3時間30分、小丸から塔ノ岳へは40分で合計4時間強。このほかに玄倉からユーシンを経る静かなコースもある。

静岡県 神奈川県 / 箱根山・伊豆半島

金時山 標高 1,212m

 箱根火山の外輪山の最高峰。神奈川県南足柄市、箱根町、そして静岡県小山町との境にある。外輪山の中では最も北にあり、北に足柄峠へ続く尾根を分けている。  金時山の南東に続く明神ヶ岳や明星ヶ岳は内側が陥没しているが、山頂はなだらか。しかし金時山は外輪山の上にさらに側火山が、粘性の安山岩質溶岩を噴出させたため、山頂は丸く盛り上がった険しい山容になっている。  金時山とは「まさかりかついだ金太郎」に由来する山名で、坂田金時が住んでいたという伝説による。また、山頂の形が丸くとがって、イノシシの鼻に似ているところから「猪鼻ヶ岳」とも呼ばれてきた。  乙女峠から2時間で山頂。ほかに伊豆箱根鉄道大雄山駅下車、地蔵堂から3時間30分。またJR御殿場線足柄駅下車、足柄峠経由3時間など。

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きから沢登り、雪山登山まで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

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