気になるアイツが、今シーズン人気沸騰の予感。スプリットボードがクールでアツい!
各地からの雪の便りを聞くかぎり、スノーシーズンの滑りだしは上々。雪山大好きのみなさん、もう初歩き、初滑りは済ませましたか?
さて、ここ数年、バックカントリースキー&スノーボードが盛り上がりを見せていますが、ぱかっと2つに割れるスノーボードを見たことはありませんか。その名はスプリットボード。人気急上昇中のアイテムです! どんな道具なのか気になっていたあなたに、かいつまんでご説明いたしましょう。
写真/中西隆弘、小山幸彦 文/五十嵐雅人(編集部)
スプリットボードが誕生したのは今から20年前のこと。スノーボードを縦半分に割って、歩行可能にしたこの道具は、ごく一部のマニアだけが使用するモノでした。しかし、ここ数年のあいだに改良が加えられたことで、雪山で本当に「使える道具」に進化したのです。
滑走モードから歩行モードへと移行する仕組みはごくシンプル。板の両端のクリップと、中央寄りのフックを開放すれば2分割されます。分割したら左右を入れ替え。入れ替えてカーブのある方を内側にすることで、エッジに乗りやすくなるのです。そしてバインディングを取り付ければ歩行モードに。逆の手順を踏めば滑走モードとなります。
スプリットボードは、多くのバックカントリースノーボーダーが感じていた「スキーは移動がラクでいいよね。こっちは板を背負ってスノーシューで大変なのにさ」という思いを解消する道具です。浮力のある板にシールを貼って斜面を登る。スキーヤーだけが享受していた一歩一歩スライドさせて登る楽しみを、自分たちのものにしたのです。
滑降の楽しさは言わずもがな。スノーボードの方がスキーよりも浮力があるぶん、パウダースノーはお手のもの。ソリッドボードではスノーシューを背負っての滑降となりますが、スプリットボードは身軽です。軽さは自由度の高い滑りにもつながります。
いいことずくめのようなスプリットボードですが、デメリットもあります。ブーツが軟らかくエッジが効きづらいので、硬い斜面のトラバースは大変です。また、モードの切り替えに時間がかかるので、登ったり降りたりの繰り返しの多いルートでは、同行のスキーヤーを待たせることがあるかもしれません。
スキーはそもそも「移動するため」に発明された道具。スノーボードは「遊ぶため」に発明されたオモチャ。両者のいいとこどりをした道具が、スプリットボードといえるでしょう。メリットとデメリットを理解したうえで、新しい雪山の世界へ一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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