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アイゼンとチェーンスパイクの取り付け方・選び方を動画で覚える!

登山道具の買い方・選び方、ショップのスタッフに聞きました!
基礎知識 道具・装備 2018年02月07日

雪の積もった登山道や凍った林道では、アイゼン(クランポン)やチェーンスパイクは欠かせない。今回は雪山登山に挑戦したい方のために、アイゼン・チェーンスパイクの取り付け方と選び方を好日山荘の栗山さんに聞いてみた。

編集部N:今回は雪山に挑戦したい方のために、アイゼンの取り付け方・選び方について聞きたいと思います。栗山さん、よろしくお願いします!

好日山荘 栗山さんが今からアイゼンについて紹介します

栗山さん:どうも! よろしくお願いしますー!

アイゼンは雪山に登るための、いわば「スパイク」

編集部N:そもそも、アイゼンやチェーンスパイクの役割とはなんでしょうか。

栗山さん:山を登ったり下りたりする時の滑り止めです。今の時期、登山道が凍結していることはよくあります。そんな時に、頑張って登ったはいいけれど道がツルツルで下山できなくなる。こういったリスクを防ぐために使います。

編集部N:スパイクのような役割をしてくれるということですね。例えば関東近郊の山では、どういったものを使えばいいでしょうか。

栗山さん:行く場所にもよりますが、関東近郊のハイキングエリアであれば、チェーンスパイク、または6本爪のアイゼンで登れる場所が多いです。

軽アイゼンとチェーンスパイクの売り場

好日山荘 銀座店の軽アイゼン・チェーンスパイク売り場

栗山さん:逆に、雪が多すぎるなどの理由で軽アイゼンやチェーンスパイクでは太刀打ちできないようなハイキングコースは、通常よりも難易度が上がっている可能性が高いです。引き返すことも考えて行動しましょう。

編集部N:何を目安にするといいですか?

栗山さん:通常のコースタイムの倍の時間がかかっているようだったら、途中で引き返すことも考えてください。ハイキングコースは3〜4時間ほどのコースが多いと思いますが、それを6時間かけて歩いているようだと下山時が危険です。登山計画をする時にしっかり下山時刻を決めておいて、こまめにコースタイムを見て予測を立てます。コースの途中でも下山時刻がギリギリになるようなら、引き返す判断を早めにするように心がけましょう。

低山で活躍するチェーンスパイクと軽アイゼンの長所・短所

編集部N:具体的にアイゼンの取り付け方や選び方について聞きたいと思います。まずはチェーンスパイク・軽アイゼンについて教えてください。

チェーンスパイクの画像

栗山さん:チェーンスパイクは爪が短く、靴底全体に配置されているので、いつもの歩行感覚のまま爪を効かせられるというメリットがあります。また、手軽に付けられるのも魅力です。

栗山さん:林道上に薄く氷が乗っているような状況では効果抜群ですが、積雪が多い場所では爪が効きづらくなります。また、取り付ける時にけっこう力がいるので、これが苦手な方には軽アイゼンをおススメしています。

軽アイゼンの画像

栗山さん:軽アイゼンはチェーンスパイクに比べて爪が長いため、斜度のある場所や雪が深いところで使うのに効果的です。脱着はラチェットで締めることができるので、力を使わずに装着できます。

栗山さん:チェーンスパイクと違い、土踏まずのあたりに爪が寄っているので、重心があがってしまいます。このあたりは慣れが必要でしょう。たまに「バランスが悪くなって歩きにくいんじゃないの?」と、お客さまから質問されることがありますが、爪は土や雪で沈むか氷に刺さるので、実際に登るときは案外気になりませんよ。

前爪のあるアイゼンは、登山靴と遊び方で選ぶ

編集部N:10本爪以上のアイゼンを使うようなシチュエーションは、どういった時でしょうか。

栗山さん:ピッケルが必要になる登山であれば、前爪のあるアイゼンが必要だと考えられます。雪がたっぷりあるような場所や斜度のある登山道では、軽アイゼンでは体力を余計に使ってしまいます。また、急な斜面を登る際やシビアなトラバース(横移動)をするような状況では、爪が少ないと滑ってしまうリスクが高くなります。フラットに足を置き、すべての爪を雪に効かせるのが基本ですが、状況によっては前爪を蹴り込んで登ることも必要になります。その際に前爪が無いと対応が難しくなるのです。

編集部N:10本爪以上になると、いろいろ種類がありますね。まずは、爪の本数の違いについて教えていただけますか。

雪山道具の売り場

10本爪以上のアイゼンになると売り場が変わり、種類が増える

栗山さん:好日山荘 銀座店では、10〜14本爪のアイゼンを取り扱っています。その中で定番なのは12本爪アイゼンです。6本爪の軽アイゼンと2つ持っておいて、行く山によって使い分ける方が多いですね。

編集部N:爪をよく見てみると、それぞれ形が違いますね。

アイゼンの爪の違い

左から平爪、T爪、縦爪

栗山さん:爪の形は「平爪」、「T爪」、「縦爪」の3種類あります。平爪の特徴は爪が横に面積があるので、雪に対する浮力になります。雪山を縦走したい時などは平爪のアイゼンを使うといいでしょう。一方、縦爪は硬い氷や氷壁に突き刺しやすいので、アイスクライミング向きです。さらに難易度の高い岩と氷のミックスを登るような場合は、前爪を縦爪1本にしたアイゼンを使ったりします。T爪はその間をとった形になっているので、浮力もそれなりにあり、硬い氷にも刺しやすくできています。バリエーションルートで氷も登る、といった場面に向いているかもしれません。

編集部N一般的な登山道で、雪山登山を楽しみたい方には平爪がおススメと。

栗山さん:そうですね。アイスクライミングも視野にいれるのであればT爪もいいかもしれませんが、平爪のほうが軽量なものが多いです。登山や縦走が目的であれば、平爪で十分です。

編集部N:取り付け方については、どんな違いがありますか?

栗山さん:「バンド式」、「セミワンタッチ式」、「ワンタッチ式」という、3種類の取り付け方法があります。

バンド式のアイゼン

セミワンタッチ式のアイゼン

ワンタッチ式アイゼン

上からバンド式、セミワンタッチ式、ワンタッチ式

栗山さん:バンド式は、登山靴のかたちがある程度合っていればバンドで締めて固定できるため、汎用性が高いです。他の取り付けタイプと違い、登山靴との相性や、取り付け方が悪くて外れてしまうリスクが少ないので、安全面を考えると一番良いですね。雪を蹴って歩いているうちに徐々にバンドがゆるんでズレてくる弱点があるので、こまめに調整する必要があります。

栗山さん:セミワンタッチ式は、つまさき側がバンド式と同じ構造で、かかと側がバックルになっています。登山靴のかかとにコバ(登山靴の甲と底との境界部の、周囲に張り出した部分)があるものに取り付けられ、相性がよければバンド式よりもしっかり固定できます。

グリベル「G12 オーマチック」はワンタッチ式だが、外れ防止のバンドがついている

栗山さん:ワンタッチ式は、前後にコバがある冬靴(冬山用の登山靴)にしか取り付けられませんが、靴との相性がよければ簡単に取り付けられます。また、固定する力が強力なので、すでに冬靴を持っていて難易度の高い山やルートを目指されている方にはワンタッチ式をおススメします。どのタイプにも言えることですが、登山靴がそのアイゼンに対応していることが前提になります。購入する際は、自分の靴と合っているかを確かめてくださいね。

編集部N:ワンタッチ式は冬靴にしか取り付けられない、ということは、他のタイプは夏山用の登山靴でも取り付けられるものがあるのですか?

栗山さん:バンド式は、例えばシリオの「P.F.530」などのような、縦走用のモデルのソールが硬い登山靴に付けられる場合があります。セミワンタッチ式は、かかと側にコバがある登山靴であれば取り付けることができます。夏も冬も同じ登山靴で登りたいという方にはいいと思います。

編集部N:夏山用の登山靴で登る場合は、防寒対策など充分に注意して挑みたいですね。

栗山さん:あとは夏山用の登山靴の説明書には、10本爪以上のアイゼンが対応しているかを書いていないものが多いです。分からない事は気軽にスタッフに聞いてみてくださいね。

編集部N:分かりました。アイゼン・チェーンスパイクは行く山や遊び方、登山靴との相性で選ぶことが大事ですね。

栗山さん:そうですね。自分の登山靴や山行スタイルに合ったものを選んで、雪山登山を楽しくはじめましょう!

冬山用品 雪山・冬山 登山靴
教えてくれた人

栗山 啓一(銀座好日山荘)

登山歴9年。登山・キャンプ・自転車・スキー・バイクツーリングなどジャンルをクロスオーバーして遊んでいます! 自分の経験をお伝えするのがモットー!! 実はネットサーフィンが大好き!?

銀座 好日山荘

日帰りハイキングから長期縦走、クライミング、雪山登山、沢登りまでさまざまな登山スタイルに対応する品揃えを誇る登山用品店。同じビルにはクライミングジム「グラビティリサーチ」が併設されており、ロープワーク講習や岩稜帯の歩き方など、さらなるステップアップを目指す登山者に向けてさまざまな講習会を開催中。

住所/東京都中央区銀座6-6-1 銀座風月堂ビルB1・B2
TEL/ 03-6228-5018
営業時間/平日 12:00~22:00 土日祝 11:00~21:00
アクセス/銀座駅B7、B9出口より徒歩2分。有楽町駅南口より徒歩5分。

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