
何度も登りたい東京都最高峰・雲取山。豊かな自然と多彩なコースを満喫しよう
文・編集=鈴木志野、カバー写真=石尾根から富士山を望む(ヤマちゃんさん)
奥多摩の最深部、長沢背稜を雲取山に行く超健脚者向けロングコース
人気の山である雲取山は、どの登山道にも多くの登山者が行き交っている。そんな中で、雲取山頂から北東方面へと進むと東に延びている長沢背稜(ながさわはいりょう)は、登山者の姿もまばらだ。山深い奥多摩を感じながら静かに山歩きを楽しめるが、そのぶん距離も標高差も長大なので、経験も体力も必要だ。しかしそこは、初夏は新緑やツツジが、そして秋は紅葉が非常に美しいので、行く価値は十二分にある。
登山口となる東日原(ひがしにっぱら)から酉谷山(とりだにやま)までは小川谷林道を通るコースが最短だが、現在は落石の危険から車両・歩行者ともに通行止めになっている(2024年5月現在)。現在は東側のヨコスズ尾根から天目山(てんもくさん、三ツドッケ)や大栗山(おおくりやま)からめざすのが一般的だ。
登山口の東日原までは奥多摩駅からバスでアクセスできるが、このコースでは早朝の出発が必須のため、登山口近くに前泊することも検討したい。
東日原からは急登のヨコスズ尾根を進み、一杯水(いっぱいみず)避難小屋を経て天目山へ。その後は大栗山、七跳(ななはね)尾根分岐、酉谷峠、そして標高1718mの酉谷山山頂あたりまで進むと、ようやくコースの半分。少し下った避難小屋近くには水場もあるので補給したい。濃い緑が続く長沢背稜からの展望はあまり得られないが、避難小屋周辺からは遠望が望める。
その後もアップダウンを繰り返しながら芋ノ木ドッケへ進むと、三峯神社からの登山道と合流する。東日原からのコースタイムは約11時間、距離は20km以上、標高差も1500m近くあるので、日の長い時期にトライしたい。
行程・コース
東日原(05:00)・・・一杯水避難小屋(07:30)・・・天目山(三ツドッケ)(08:00)・・・巻道分岐(08:10)・・・大栗山(08:35)・・・七跳尾根分岐(09:15)・・・酉谷山(09:55)・・・行福のタオ(10:10)・・・分岐(11:40)・・・長沢山(12:25)・・・桂谷ノ頭(13:00)・・・芋ノ木ドッケ(14:30)・・・大ダワ(15:05)・・・雲取山荘(15:35)
【2日目】
雲取山荘(07:00)・・・雲取山(07:30)・・・小雲取山(07:50)・・・奥多摩小屋跡(08:10)・・・ブナ坂(08:40)・・・七ツ石山(08:55)・・・七ツ石小屋(09:20)・・・堂所(09:50)・・・小袖乗越(11:05)・・・鴨沢(11:25)
関連する登山記録
関連記事
こちらの連載もおすすめ
編集部おすすめ記事

- 道具・装備
- はじめての登山装備
【初心者向け】チェーンスパイクの基礎知識。軽アイゼンとの違いは? 雪山にはどこまで使える?

- 道具・装備
「ただのインナーとは違う」圧倒的な温かさと品質! 冬の低山・雪山で大活躍の最強ベースレイヤー13選

- コースガイド
- 下山メシのよろこび
丹沢・シダンゴ山でのんびり低山歩き。昭和レトロな食堂で「ザクッ、じゅわー」な定食を味わう

- コースガイド
- 読者レポート
初冬の高尾山を独り占め。のんびり低山ハイクを楽しむ

- その他
山仲間にグルメを贈ろう! 2025年のおすすめプレゼント&ギフト5選

- その他











