紅葉の槍穂高に登る！眺める！北アルプス南部エリア【紅葉コースガイド2025】

紅葉絶景の王道・涸沢（からさわ）をはじめとした槍・穂高（やり・ほたか）連峰、燕岳（つばくろ）など常念（じょうねん）山脈の紅葉登山コースを、エリアに精通したカメラマン・渡辺幸雄さんが紹介します。

文・写真＝渡辺幸雄

憧れの槍・穂高、アクセスしやすい常念山脈

槍・穂高連峰を中心とする北アルプス南部のエリアは首都圏や関西圏などからもアクセスがよく、週末を利用して行きやすい。登山者にとって人気の中心は3000ｍの高峰である槍穂高であるが、常念山脈にある各山も大糸線沿線から登りやすいため秋の短い時間を利用しての山行にも向いている。そんな北アルプスの秋の楽しみはもちろん紅葉見物山行だ。穂高や槍ヶ岳をバックにナナカマドやダケカンバが色鮮やかなコントラストを描く。

だが3000ｍの峰々は秋から冬へ駆け足で季節が巡り、ときには一日で雪山に変わってしまうのもこの時期。常念山脈の山ならまだ雪には早く、紅葉の展望を満喫する山歩きも安心して楽しめる。この秋、好天にねらいを定め北アルプスへ出かけてみてはいかがだろう。

日本を代表する山岳紅葉、錦繍のカールへ涸沢（からさわ）

北アルプス／2309m
紅葉の見頃　9月下旬〜10月中旬

穂高の紅葉はなんといっても王道は涸沢。涸沢の紅葉のすばらしさはよく知れ渡っていて、「涸沢の紅葉を見ずして穂高を語るなかれ」とまで言われるほど。秋の穂高の代名詞と言える存在である。標高1500ｍの上高地から森林限界の2600ｍ付近まで含めると紅葉は長く楽しめる。しかし涸沢カール内にある標高2400ｍの上部モレーンとなると例年10月第一週となり、紅葉が映える晴天日はタイミングが限られる。涸沢カールを巡る涸沢パノラマで紅葉を満喫したい。上高地から涸沢までの往復なら梓川、横尾谷をたどるためそれほど急な箇所はなく、岩場もないので安心して紅葉が楽しめおすすめのコースだ。

MAP＆DATA

高低図

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最適日数：1泊2日

コースタイム：【1日目】6時間5分
【2日目】5時間5分

行程：【1日目】
上高地バスターミナル・・・河童橋・・・明神・・・徳沢・・・横尾・・・本谷橋・・・涸沢
【2日目】
涸沢・・・本谷橋・・・横尾・・・徳沢・・・明神・・・河童橋・・・上高地バスターミナル

総歩行距離：約31,062m

累積標高差：上り約1,462m　下り約1,462m

コース定数：45

アドバイス：紅葉の季節は池ノ平の氷も張るほど朝晩は冷え込む。ダウンの防寒具は必携だ。また日陰部分は一度濡れると朝夕は凍結し、スリップしやすい。降雪後は登山道が踏み固まってしまうので、チェーンスパイクがあると安心できる。

プロフィール

渡辺幸雄（わたなべ・ゆきお）

1965年埼玉県越谷市生まれ。1987年東京綜合写真専門学校卒。北穂高小屋勤務を経て、フリーカメラマンに。近年はネパールのフォト・トレッキング・ツアー（アルパインツアーサービス主催）などの写真セミナーも開催。山岳雑誌やカメラ雑誌、カレンダー制作等で活躍中。日本山岳写真集団最終代表、（公社）日本写真家協会会員。