奥深い山々に紅葉が映える南アルプス南部エリア【紅葉コースガイド2025】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

南アルプス南部は、北部と比較するとアプローチの手段も限られており簡単には行けないが、その奥深く山々には独特の魅力があふれている。このエリアに精通する岸田明さんが絶景の紅葉ルートを紹介する。

文・写真=岸田明

目次

南アルプス南部主脈を西から眺められる唯一の山 奥茶臼山(おくちゃうすやま)

南アルプス/2474m
 10月上旬~10月中旬

南アルプス南部主脈から見た、尾高山から奥茶臼山への稜線
南アルプス南部主脈から見た、尾高山から奥茶臼山への稜線

奥茶臼山は200名山である。かつては入山者も少なく、踏み跡も薄いトレールが続いていたが、最近は大勢の登山者が入り、ルートも明瞭になってきている。全ルート森とコケとシダに覆われて展望ポイントは少ないものの、それも南アルプスのよさだろう。出発地のシラビソ峠は南アルプス南部の大パノラマが広がっており、また周辺はカラマツの黄葉がみごとだ。ルートはなだらかな幅の広い尾根上にあり、平らな箇所では方向に注意する必要がある。山頂部の急登直前の右の倒木帯の原っぱ、また山頂から北へ降りた伐採地跡からは、南アルプス南部の山を西側から眺められる。

シラビソ峠から見た、まるで壁の様な兎岳から大沢岳への稜線、奥に荒川前岳が見える
シラビソ峠から見た、まるで壁の様な兎岳から大沢岳への稜線、奥に荒川前岳が見える
山頂奥伐採地から見た、赤石岳と荒川前岳
山頂奥伐採地から見た、赤石岳と荒川前岳

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り(要前泊)
コースタイム: 8時間50分
行程:しらびそ峠・・・尾高山・・・岩本山・・・奥茶臼山・・・岩本山・・・尾高山・・・しらびそ峠
総歩行距離:約14,400m
累積標高差:上り 約1,206m 下り 約1,206m
コース定数:33
アドバイス:出発地の標高が高いので楽に歩けそうだが、山頂標高は2500m弱あるので、冬の訪れは早い。しらびそ峠には宿泊施設の「しらびそ高原天の川」があり、前泊に便利。また尾根筋を南に下ると日本のチロル「下栗の里」があり、山の斜面に張り付くように家が立ち並ぶ風景がすばらしく、立寄ってみるのもよいだろう。高速道路からのアクセスは中央道、座光寺スマートICが便利。
3 4 5 6 7

目次

プロフィール

岸田 明(きしだ・あきら)

東京都生まれ。中学時代からワンゲルで自然に親しんできた。南アルプス南部専門家を自認し、今までに当山域に500日以上入山。著書に『ヤマケイアルペンガイド南アルプス』(共著・山と溪谷社)、『山と高原地図 塩見・赤石・聖岳』(共著・昭文社)のほか、雑誌『山と溪谷』に多数寄稿。ブログ『南アルプス南部調査人』を発信中。山渓オンラインに記事多数投稿。また最近は四国遍路の投稿が多い。

四国遍路の記事:https://www.yamakei-online.com/yama-ya/group.php?gid=143/

紅葉名山ガイド

全国各地の紅葉名山をご案内。

編集部おすすめ記事