奥深い山々に紅葉が映える南アルプス南部エリア【紅葉コースガイド2025】

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南アルプス南部は、北部と比較するとアプローチの手段も限られており簡単には行けないが、その奥深く山々には独特の魅力があふれている。このエリアに精通する岸田明さんが絶景の紅葉ルートを紹介する。

文・写真=岸田明

目次

ダケカンバの黄葉を愛でつつ南ア南部の大展望を満喫 悪沢岳(わるさわだけ)

南アルプス/3141m(悪沢岳)
 9月下旬~10月上旬

千枚岳の美しいダケカンバの黄葉。奥には赤石岳が見える
千枚岳の美しいダケカンバの黄葉。奥には赤石岳が見える

南アルプス南部の山小屋の大半は9月中旬で閉館してしまうが、荒川三山(あらかわさんざん)から赤石岳(あかいしだけ)への周回ルートは10月上旬まで3軒の山小屋が営業しているので、最盛期の黄葉を比較的手軽に楽しむことができる。ダケカンバは千枚岳(せんまいだけ)への登りに多い。ただし稜線上に色づく木々は少ない。日が短いので長時間の行動計画は禁物だし、また3000m稜線なので防寒対策には念を入れ、さらに降雪は通常10月下旬ではあるが軽アイゼンは必携である。黄葉見物を目的に千枚岳か、百名山を踏む意味で悪沢岳の山頂を踏むだけでも、充分に充実した山行になるだろう。

千枚岳から見た塩見岳と北部の山々
千枚岳から見た塩見岳と北部の山々
悪沢岳の肩から見た中岳
悪沢岳の肩から見た中岳

MAP&DATA

高低図
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最適日数:2泊4日(要前泊)
コースタイム:【1日目】6時間55分
【2日目】3時間35分
【3日目】5時間
行程:【1日目】
椹島ロッヂ・・・滝見橋・・・鉄塔下・・・小石下・・・清水平・・・蕨段・・・見晴岩・・・駒鳥池・・・千枚小屋
【2日目】
千枚小屋・・・千枚岳・・・丸山・・・悪沢岳(東岳)・・・丸山・・・千枚岳・・・千枚小屋
【3日目】
千枚小屋・・・駒鳥池・・・見晴岩・・・蕨段・・・清水平・・・小石下・・・鉄塔下・・・滝見橋・・・椹島ロッヂ
総歩行距離:約22,700m
累積標高差:上り 約2,400m 下り 約2,400m
コース定数: 60
アドバイス:千枚小屋は10月12日まで営業。9月22日までの宿泊、送迎バス共にネット/電話予約が必要。9月23日以降は当日受付、ただし10月11、12日は電話予約必要。なお赤石岳へ縦走の場合、荒川小屋と赤石小屋は10月12日まで営業している。中岳と赤石岳山頂の避難小屋は管理人不在だが利用可能。
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プロフィール

岸田 明(きしだ・あきら)

東京都生まれ。中学時代からワンゲルで自然に親しんできた。南アルプス南部専門家を自認し、今までに当山域に500日以上入山。著書に『ヤマケイアルペンガイド南アルプス』(共著・山と溪谷社)、『山と高原地図 塩見・赤石・聖岳』(共著・昭文社)のほか、雑誌『山と溪谷』に多数寄稿。ブログ『南アルプス南部調査人』を発信中。山渓オンラインに記事多数投稿。また最近は四国遍路の投稿が多い。

四国遍路の記事:https://www.yamakei-online.com/yama-ya/group.php?gid=143/

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